「遅婚」でお悩みの方へ |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

鑑定をしていて、最近痛感するのは、やはり結婚への焦りを非常に強く持っている三十代、そして四十代ほどになった女性が多いな、ということです。

自分が遭遇しているだけ、とも考えられますし、そういった方は当然、結婚について占星術で見てほしいと思う確率も高いはずです。

とはいえ、こんなに多いのかと思わされます。

そういった方の中には、一度結婚したけれどうまく行かなくて離婚、次の縁をと考える方もいますし、一度も結婚経験がなく今に至っている方もいらっしゃいます。

離婚が発生する方のホロスコープには、それなりに理由があります。

ですから、これはまあ、おいておきましょう。

問題は一度も結婚経験がないまま、かなり焦らないといけない段階に至る方のケースです。

たしかに結婚運が万全ではないし、まあ、なんというのか「結婚運が弱い」とか、あるいは「ハードアスペクトが強くて、早くに結婚していたら離婚に至ったかも」というようなホロスコープも多いです。

しかし、結婚がどうしてもできないようなものではないホロスコープでも、かなり遅婚になっているケースも非常に多いのが最近の傾向です。


じつはひと昔前(ふた昔前かも?)は、このようなケースは少なかった。

なぜかというと、昔は女性は結婚するべき、しかもある年齢までは嫁に行かせてしまう、という風習が非常に強かった。
だから、否応なく結婚を勧められ、させられていた傾向もあったのですね。

また、そういう時代は本人も、適齢期には嫁に行かないといけない、という考えが強くあったはずで、世間体もありましょうし、自分でその流れに乗る傾向もあったでしょう(個人の体験とは別として、全体としてです)。

つまり、以下のようなことが考えられるのです。

昔は結婚に関してハードアスペクトが強かろうがどうであろうが、全体的強制力の下で個人は結婚していた。
(その結果、どういう結婚生活や家庭生活になったかは別です。今は結婚が成就するかどうかだけのことを取り上げています。)

昔はよほど強烈な晩婚相や結婚すること自体困難なホロスコープでなければ、結婚しないという選択は少なかったわけです。


ところが、現代は違っている。

個人の自由意思で相手も時期も選択できるようになっています。
すると、どうしても今は仕事がしたいからとか、気分が盛り上がらないとか、相手をもっと選びたいとか、そのような諸般の理由で結婚成就自体が先送りされることも非常に多くなってきた、と考えられます。

これは、社会的な事情もあって、日本ではまだまだ結婚して出産などすれば、女性の負担が増えすぎるからとか、職場復帰が難しいからとか、現実的な問題もあり、昔、結婚を強制してきた社会風潮よりも、今はむしろ結婚を阻害する社会風潮のほうが強くなってきている、と見ることもできます。

また個人のホロスコープの中で、結婚運自体がちと弱めの人もいて、こういう方はやはり機運が盛り上がらないことが多かったり、異性との縁それ自体がなかなか生じにくかったりします。
こういう方だと、今の社会的な風潮の中で、どんどんそのまま取り残されてしまうような気分に陥ってしまい、自信も失い、さらに出会いの可能性を減じさせるという悪循環にもなってしまいかねません。

これがまた、私が見ても「ああ、かわいい人だな」とか「すごい美人じゃん」と思うような人でも、「あたし、結婚できるんでしょうか」と、まじめに悩み、不安に思っている。

そして、どのケースでも、特に女性は「結婚して」「子供を産み」ということを考えると、肉体年齢的なことからも、当然、焦りにつながってきます。


現代では、さして結婚運が悪いわけでもなく、晩婚になったり、結婚が成就しにくい、という現実を引き寄せている人がたくさんいて、これはかつて占星術で、「こういうタイプのホロスコープの人が結婚できない、しにくい」とか言われていたセオリーでは、今の日本の状況はうまく説明できなくなってきているのですが、それには実際には上記のような背景があるのだというのが、私の考えです。

どうしても結婚をある時期までにしたいのであれば、私はこの逆を行けばよいと考えています。

「逆? 逆ってなに?」

昔は結婚を強要してくる社会風潮があったわけで、これは「形」から整えようとするようなものです。

だとすれば、逆に「形」を整えてしまえば、結婚はしやすくなります。

たとえば見合いは、もっと見直されてもよいと思います。
それに結婚紹介所に登録するとか、そのようなイベントに参加する。

男女を問わず、じつは結婚したい人は山ほどいて、結婚紹介所などに登録している人は、まさに結婚したいからこそ登録しているのであり、条件も最初から選べます。

自分にアクセスしてきてくれた人というのは、それなりに条件などもみたうえで、「会ってみよう」という話になるはずです。

どうしてもある年齢までに結婚したいのなら、このようにまず自分の外堀を自分で埋めましょう。

悩み、不安に思うのは、結婚という出来事に個人の力で立ち向かわなければならないと感じるから、という側面もあります。
言えば、紹介所や他人の力を借りていいし、借りるべきです。



ただ。
遅くなっていても、多くの人は、しかるべきときにご縁が用意されているものです。
個人的にはその時期を待つことをお勧めします。
上記の話は、「どうしても」という人のためのお話です。

そのしかるべきときというのは、今は待ちきれないというふうに思える先の時期だったりするかもしれませんが、案外、そこに至るのはあっという間で、しかもそうなってみて初めて分かることというのもあります。

ああ、この時、この人じゃなきゃいけなかったんだ、とか。

人の縁は不思議なものです。

相性が良いのに越したことはないけれど、相性が良ければ結婚できるものでもない。

人生は多様です。

今は多様なホロスコープが、多様な生き方をそのままできる。

それがこの日本に生まれるという意味の一つなのでしょうね。



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