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いわゆる顔の数だったら、非常に多いzephyrです。
小説家の顔。
占星術師の顔。
大学講師としての顔。
ホテルのサービスマンとしての顔。
夫の顔。
父の顔。
ただの男としての顔。
一人の人間としての顔。
夫以下の項目は誰でも持っていそうなものですが、職業的な顔の多さは平均以上かと思います。
自分ではその場その場で、「自分が変化している」という自覚はありません。
ただ、微妙に使い分けている自分というのはあるだろうと思っています。
たとえば家庭での自分は、不機嫌さというものもかなり振りまいているようです。
それだけ心を許して、甘えているんでしょうね。
しかし、仕事場ではほとんどそんなものは出ていないはず。
家庭以外の場所で私を知る人の中には、かなり人格的に美化してみている人もいるようです。
まあ、なんというのか、怒ったり見苦しいところを見せたり、なんでも人を受け入れてあげるような、かなりいい人っぽく見ているかも……そういうことを過去に口にした人がいました。
もちろん私は聖人君子ではないし、穏やかに見せていますが、実際にはかなり好き嫌いの激しい性格です。
職業的な顔の数だけではなく、内面的にもいくつかの人格が割拠している感じはあります。
ただあまり違和感がないのは、そういったそれぞれの自分のことが、どれもわりと好きだからではないかと思います。
私は自分という人間のことは、おおむね好きです。
ところで。
鑑定でいろんな人にお会いしていると、「私って、どんな性格なんでしょう」と質問してこられる方が、時折いらっしゃいます。
「え? 自分の性格がよく分からないの?」と思われる方も大勢いらっしゃるでしょう。
そうなんです。
いるんです、こういうタイプの人が。
この質問を発する人の多くは、本当に自分というものがよく分かっていないのです。
そして、たいてい共通した特徴を持ちます。
それは太陽や月など、主要天体の多くがミュータブル・サインにあります。
ミュータブル・サインというのは、つまり双子座、乙女座、射手座、魚座ですね。
このミュータブル・サインというのは変動宮で、性格面でも頑固さが薄く、相手や状況へ対応する能力に秀でています。
つまりそれだけ自分を変えられると言うことなのですが。
これらの中でも、複体サイン(星座の象徴が二つのものから成り立っている星座)である双子、射手、魚。
この3つの星座は、もともと星座の象意が分裂していて、二面性を持っています。
この二面性のある星座は、たとえばここに太陽がある(=双子座の生まれであるとか射手座の生まれであるとかいうこと)だけで、すでに基本的な資質に二面性があります。
ところが月も複体サインにあると、さらに分裂傾向が増してきます。
ものの考え方の水星や愛情傾向の金星、セックスや物事の積極的な推進を行う火星なども複体サインだと、そういった事象への関わり方も分裂的になります。
たとえば金星が魚座にあると、清らかな献身的な愛情を抱く一方で、すごくみだらな側面もあるとか、すでに矛盾しているわけです。
このように多数の天体が、複体サインに入ってしまうと、自分でもどうしたいのか、何が本音なのか、わからなくなってしまう。
そこで出てくるわけです。
「わたしって、どんな性格なんでしょうか」
ええ、そんなわけの分からない性格、それが性格なんです。
自分で性格がよくわからない人は、一度ホロスコープを見てみるといいでしょうね。
自分で納得されると思います。
病理的な意味での多重人格とは違いますが、このネタの主題としての多重人格。
それは、ミュータブル・サインや複体サインが作り出すことが多いようです。