占術を学ぶ方へ その4 |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

すでに書いたように、高校時代から私は占術にのめり込んでいました。

16才からです。

プロとしてやり始めたのは、2005年の42才のときですから、じつに26年間、下積みをしてきたわけです。

その間、私は口コミで依頼されるような方を、ずっと無料で鑑定し続けてきました。

無料で見る、ということは、かならずしも美徳ではありません。

これは声を大にして言っておきますね。

タダの鑑定というのは、見る方も責任を負っていませんから、真剣度に欠けるきらいはありますし、なによりも問題なのは、受け手のことです。

タダの鑑定は無価値なのです。

イコール、聞く方も真剣味に欠けてしまうのです。

それではせっかくの時間を割いて、なんのためにやっているのかわからない。

まして、人生を左右するかもしれない有益な情報を、何の対価も払わずに受け取るというのは、受け手側になんらかの「マイナス要因」を持たせてしまう可能性もあります。

金儲けという感覚で扱うと、占星術で利益を得ることは、多くの人の心理的な抵抗感を生み出してしまいますが(とくに占う側の)、実際には専門知識の活用、解説、具体的な運用に関するアドバイスなど、ほとんど医者のそれは変わりありません(こういうと、本物のお医者さんに「一緒にするな!」と言われそうですが、私たちが費やしている勉強の時間や、相談してこられる方へ「よくなってほしい」と思う気持ちは、何ら変わりはないような気がします)。

占術で金銭授受が発生するのは当たり前のことですし、私自身、「そうしてもらった方が頼みやすい」という言葉は、プロになって方よく聞きました。

頼む人にしてみれば、対価を払わないことも別な「負担」になるのです。

心理面だけではなく、アドバイスで人生を良い方へ変えることができた場合、その受けた利益の分だけ、別なところで運気的な負債が生じることもあり得ます。


しかし、どこからお金をもらったらいいの?

自分がどのレベルになったら?

これは微妙な問題です。

私が26年も下積みしたというような話をすると、「自分もそれくらいしないと」と思われる可能性もあるのですが、実際にはそれは本人の努力次第です。

同じ量の学習でも、1年でできる人間もあれば、10年かかる人間もいます。

また占術による差もあります。

占星術や四柱推命のような、かなり高度な体系を持つ占いは、基礎知識の多さもさることながら、数多くの鑑定をこなさなければ身に付いてこない部分もあります。

逆にタロットのようなものは、一種のセンスがものを言い、短期的にも身に付く可能性が高いのですが、洞察力やイマジネーションの力が非常に要求されます。

どんな占術であれ、基本的に鑑定者に要求されるのは、全人格的なものです。

占いには、その人が出る。

人格的に未熟であれば、当然、未熟な占いにならざるを得ない。

つまり技能だけ向上すればいいというわけでもない。


こういった人格的なものは、まあ、ご本人次第。

ここでは置いておくとして。


このシリーズ記事の最後として、問題としたいのは、技術や知識がどのレベルになったらプロとしてやれるのか? ということです。

じつはこれは、正解はありません。

逆に言えば、どうぞ、ご自分のどのレベルからでも始めてください。

ただ、自分がまだ未熟だとお考えになる方は、それなりの料金設定にするのが良心というものでしょう。

練習のつもりでやらせて頂くのなら、タダもありです。

自分が価値ある鑑定ができるようになったと判断できたなら、料金を上げればいいでしょう。


ただ、個人的な体験として言わせてもらえるなら、私はいくらかでもお金をもらった方がよいと考えています。

なぜなら、奉仕的にやっていた26年よりも、プロとして鑑定を始めたこの7年ほどのほうが、はるかに密度が高く、私自身の向上速度も速かったからです。

これらは、それだけ真剣にその作業を行うからです。

鑑定の数だけ見ても、この7年で見た人の数は、たぶん26年で見た人の数をとっくに超えているでしょう。

数をこなせばこなすほど、まともに学習できる人間であれば、より鋭い鑑定も可能になります。

つまりプロになってどんどん数をこなしていったほうが、実際には近道なのです。

また、本当に私個人のことを言えば、このブログで占星術のことを書き始めたのも、自分自身を教え導く結果となりました。

私の場合は、書いている内にいきなり真相が見えたり、突き当たったりすることがあるのです。

これは水星が非常に強化された人間だからで、他の人にも適用できる話とは限りません。


占術は今後の時代の中で、さらに大きく活躍の場が与えられるでしょう。

その中には、本物もいれば偽物もいます。

占いという看板を使って詐欺的な商売をする動きも、今後は目立って出てくるでしょう。

そんな中でもぶれず、自分の本物を見つめ続けられる、私自身、そんな占術家でありたいと思っています。