その人のホロスコープに見る家族の影 |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

日々、鑑定を続けていて思うこと。

それは、いかに親からの影響を受けて、人が育っているか、ということです。

家庭環境は非常に重大です。

親御さんの仲が悪かったり、離婚していたり、また自分自身が親御さんから愛される実感を得られなかったり、また親御さんからDVを受けたり。

そしていかにそのような経験が、大人になってからの人間関係や異性関係、また仕事上での自分自身のありように関わっているか。

実は非常に大きなものがあります。そして多くは無意識的です。

鑑定においては、そのようなケースは日常的に遭遇します。

そしてそのことを指摘させて頂いて、親御さんとの関係の改善、あるいは克服をアドバイスさせて頂くことも、よくあります。

ところが、ここのところ自分自身でそこのところをすでに克服してきたというような方の鑑定を連続して行いました。
(なぜだか分からないのですが、ある種の傾向を持つ共通した鑑定を行わされることが、非常によくあるのです)(私自身への学び?)

以下は、ご本人の了承を得て、掲載させて頂くある女性のメールです。

この方はご自身で、自分がAC(アダルトチルドレン)だったことに気づかれ、克服していったようです。

そしてその根源には、1ハウスの月という、母親からの影響があったのです。

ACとは、家族において、親が親としての役割が果たせない、もしくは果たしていない(無自覚に無意識に)とか、条件付きの愛情により、子供が子供らしい子供時代をおくれないまま、大人になった人たちのことです。

具体的には多種多様なパターンがあります。

日本の家族の8割はACを生む機能不全家族だそうで、うつ病などと違い、社会生活に支障をきたすものではないので専門家、心理学者、カウンセラーの間では疾患ではないとか、
いろいろ議論があるようです。

ACにも程度具合などがあるようで、カウンセリングに行く人、自分なりに克服する人、
一生ACであることに気づかない人、親が亡くなったあとでもAC症状で生きづらさを持ち続ける人。

家族の問題は根が深く、この世の中、何も問題のない家庭のほうが少ないと思います。


母は、まじめ一辺倒(土星的・双子座です)性格、父はいい加減(海王星的・射手座です)な性格です。

無責任、ごまかす、口から出任せ的な父(本人は悪気がない)への不平不満をいかに自分が我慢し、耐え、不幸な思いをしているかを母は私に垂れ流してきました。

だから、
「母を悲しませるようなことをしてはダメ(母の言うとおりにしなさい、親の言うことを聞け)」
「みんなあなたのためよ」
と言われて育てられ、自分の意思を取り上げられてきました。

こうして母も私も無意識無自覚のうちに支配し、支配されていました。

自分のパターンは本等で学びました。

父母はいまだに歪な夫婦関係です。

以前は恨みがましい気持ちでいっぱいでした。

すでに自分の心の中で決着をつけているので、今は、もういいやという気持ち(許し?感謝?)です。

AC自覚により父母から自分のスタンスを学ぶことができました。

自分を取り戻した感というのは、上記のような支配からの脱却だと思います。

自分の中に浸み込んだ「母」を取り除いて、誰かの見方ではなく自分自身の頭と心で考えよう見つめていこうという姿勢です。

自分のことについて、自分で決め、自分で責任を取る。

自分の人生は自分で落とし前をつける。当たり前のことですね。



すばらしい方です。

ご自身でACの自覚を持ち、さまざまなことを学ぶ中で、自分なりのありようを確立し、取り戻すことができたということです。

本などで学んだということですが、やはり「知る」ことの意味は大きい。

多くの人がこういった問題を無自覚に放置してしまい、人生上の様々な問題を拡大させたり、繰り返している中で、こういったことで軌道修正できる人の方が少ないと感じます。

今日、この方のメールを掲載させて頂いたのは、今を生きる私たちの中にも、この方と似たような根っこがあるのではないかと、今一度見つめ直してもらい、心を点検してもらいたいからです。

そして、これから親になる人、今まさに成長過程のお子さんを育てている親御さん。

やはり、知ってほしい。

マザー・テレサは「世界平和のために私たちが何をすればよいか」という質問に対し、「家に帰って家族を愛しなさい」と答えたそうですが、すべての根源はやはりそこにあるのではないでしょうか。