我が家から勤務地の町へ出るルートは、主に二本あります。
というよりも、山道が二本しかない、というべきか。
我が家から北へ出て、郷内という方面へ出るルート。そこから勤務地へ行く。
もう一つは毎日使っているルートで、我が家から南へ下りて、玉野・児島を結んでいる幹線道路へ出るルート。
後者がダメになることは、どちらかというと珍しい。
比較的安定したルート。
しかし、台風などになると、時折、倒木などがあり、寸断されてしまうことはあります。
前にも豪雨のときに土砂崩れと倒木が起きたことがありますが、今回は違っていました。
なんと、川と池が増水し、道路が見えなくなってしまった

「道がない


こんなことは初めてじゃなかろか(急に岡山弁)。
「こ、これは……ここを突っ切っていけ?」
ハンドルを握りしめ、しばらく悩みました。
なにせ毎日走っているような道ですから、勘でいけますよ、そりゃあ。
でも、道がどうなっているか?
へたをしたら決壊したり、陥没したりしているかもしれない。
落ちたら、もうアウトです。
それに増水した中を突っ切って、車のエンジンがパーになってしまうということもあります。
過去の台風災害のときに、私は無事だったけれど、同じように増水した道を通行した友人の軽トラがパーになってしまったことがあります。
パーになっても、誰か保証してくれるかというと、そんなことはない。
「いや、ここを通っても町には下りられんよ」と、消防団の人。
「青池が決壊しそうなんで、玉野・児島ルートは今通行止めになってるから」
「まじで!」
引き返しました。
北のルートは、もともと絶望的なことは分かっていたのですが、土砂崩れ。
このルートは、台風災害のときなどは必ずといっていいくらい土砂崩れが起きる、非常にもろい岩盤の斜面を持っています。
土砂崩れ現場までの間にも、大小の石(岩)が落石していて、道路上は川のよう。
シャベルカーが来て、土砂を撤去することにはなっているのですが、やはりまだ通れない。
「ダメだ、こりゃ」┐( ̄ヘ ̄)┌
この不景気に勤務に出たいのは山々なのですが、あきらめました。
たった今、配ぜんのリーダーAさんからも連絡があったのですが、町に住むAさんたちでさえ、あちこちが通行止めで、どうにもならないらしい。
台風。
コワイですね。
でも、命あっての物種です。
自分の身は自分で守りましょう。
あとでどんなに文句を言われても。
その人が命や財産を救ってくれるわけじゃない。