野田さんはどじょうではない(首相指名時のチャート解読) |  ZEPHYR

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それをご理解頂いた上で、むやみに盲信せず、理性的な判断をお願い申し上げます。



興味深い。

まったく興味深い……。

とまあ、私一人が感心していたのでは、読者の方々はフラストレーションがつのるばかりなので(笑)、ちゃんと書きます。


なにが興味深いって、今回の野田佳彦さんの代表選勝利と首相指名に関にして示されている、ホロスコープ上のさまざまな暗示が。

ただ最初にお断りしておきますが、この記事の中ではどの政党がよいとかどの政治家がよいとか、あるいは政策をどうすべきかとか、そういったことは一切論じませんし、野田さんという政治家が国民や国政にとって歓迎すべき人なのかどうか、その能力があるとかないとか、人格的にどうとか、いったい偏るつもりはありません。

たんたんとチャートに示されていることを読む、ということしかしません。

私は個人的に野田さんを(あるいはこの記事に登場する他の政治家)、どんな意味でも評価しているわけではありません。
良くも悪くも、です。


まず私がもっとも驚いたのは、菅さんとの驚くべき対比です。

これが菅総理の指名時ごろの記事でも書いていることなのですが、菅さんは現在もなおそうなのですが、進行の太陽が出生の天王星とオポジション(=180度のハードアスペクト)になるなど、どう考えても「離反」の力が強い。

私はこの方が総理になっている限り、国や民主党がまとまることはないだろうと考え、最近の記事でもそのようなニュアンスのことをぼかして書いたことがあります(さすがにもうお辞めになった方がよい的な文章)。

ところが。

今回の野田さんは真逆なのです。

進行の天王星が、出生の太陽に対してトライン(=120度のソフトアスペクト)になっているΣ(=°ω°=;ノ)ノ

これはこの人が現在の運気の中で、天王星の力を有効に利用しやすいことを示しています。


あの、誤解のないように申し上げておきますが、ハードアスペクトだとその星の力を有効に使えないわけではありません。
ハードの方がアスペクトとしては力が強いので、より大きな努力を強いられるだけです。

だから菅さんにも、その可能性はあったのですが、その後の成り行きを見ていて、「この方には今の天王星の力を離反でしか使えないな」と思えてきたというのが、私の個人的な印象だったのです。
実際、もともとバラバラ作用をしやすい天王星を、離反のアスペクトである180度で受けているときに、それを統合する方向で使うことは難しい。
きっとほとんどの人が無理。

だから、菅さんを責めるわけではないのです。
仕方ないかな、ということです。

ハードアスペクトよりはソフトアスペクトのほうが、良い使い道ができやすいことは、一般的に言ってもそうです。

だから、野田さんは現状分裂していた民主党や国政を、良い方向へ軌道修正することはできる。
少なくとも運気的にそのような下地は持っているわけです。

今年は天王星の力が極大化する年だということは、過去の記事で何度も書いていますが、この天王星の力を良い意味で使える人、となったら、この野田さんが一番適任だったのではないか?

これが昨日、なるべき人がなった、と書いた理由です。

代表選の他の候補者のホロスコープを対比させれば、そこは一番はっきりするのですが、残念ながら今、非常に時間のかかる作業をやっていて、そこまでの余力はありませんので、ご容赦ください。



ただ、下地があれば何事もうまく行くわけではありません。

実際、その読み通り、今のところは野田さんは党内の融和を目的とした人事を行っていきそうに思えます。

この政権は安定した政権となるのか?

国民に安心をもたらしてくれそうか?

そこで、鳩山さん、菅さん、そして今回の野田さんの首相指名時のチャートを比べてみようかと思います。

短命政権続きで、諸外国に対して恥さらしな日本の国政。

日本人そのものは賞賛される部分も多いのに、日本の政治は酷評されている。

ちっとはましな状態になってくれ、という願いを込めて、これまでも解読してきたのですが、今日はできるだけクールに行きたいと思います。

まず鳩山さん。
この人の首相指名時には、太陽は土星と合で、対向する星座の天王星と180度で、非常に厳しい状態だった。

正直、これは大変なホロスコープで、それが示すとおり、鳩山さんは国の頂からさっさと飛び立ってしまった。

菅さん。
鳩山さんのときとは大違いで、太陽は月とゆるいスクエア。
他にはノードとの関係があるくらいで、目立ったアスペクトはなし(あくまでも太陽に関しては)。
ここにちょっと希望を感じたのですが(鳩山さんとの対比で)、どうやらこれは太陽(一国の首相、代表者)が他の星々とちゃんとした関係を結ぶことはなく、単独で暴走するという傾向を示していたようです。
ノーアスペクトに近かったのです。

ほかにも土星と天王星のハードはそのままに、その中に木星も参加しているという状態で、どうも国を一つにするチャートには見えなかった。

こういった事例をふまえると、今回の野田さんの首相指名時のチャートは、まだずっといい。
太陽は金星と合で、木星とトライン、冥王星ともトラインで、この三つのポイントでグランド・トラインができている。

とくに社会性を示す木星との関係がよいのは、野田さんにはありがたいことでしょう。
幸運の後押しも期待できますが、なんといっても他者との融和や他者からの援助もありそうに思える。

しかし。

不安はぬぐえない。
木星とのトラインだけなら良いのですが、冥王星を含むグランド・トラインになっている。

グランド・トラインがかならずしも良い働きをせず、否応ない、他に選択の余地がないような状況に追い込まれる、あるいは自ら突き進んでいくことがあるのは、過去記事にも書いてきました。

首相指名を衆院での指名か、あるいは衆参両院での指名時を採用するかでも微妙に違うのですが、少なくとも冥王星は1ハウスにありそうです。

思いの外、強権的なやり方になってしまうことも考えられます。

また土星がもっとも空の頂上に最も近い星となり、火星とのハードアスペクトがあり、火星が7ハウスにあることを考えると、国政の運営は前途多難で、非常に厳しい対立を示す存在に悩まされそうです(普通に考えたら自民党?)。

このチャートから見る限り、大連立は実現しない可能性の方が高い。

もう一つ、非常に重要なポイントがあり、水星が天王星、冥王星に対してそれぞれ135度のハードアスペクトで、天王星と冥王星も90度のハードアスペクトを持ち、どうも「言葉の問題」「コミュニケーションの問題」が浮上しそうな気配を感じます。

ここに宗教的伝統的な問題が絡んでくる可能性もあります。
たとえば靖国問題です(良い悪いは論じていません)。

この野田さん、本人でなくとも、この人の任命した閣僚たちの中から、このような問題が起きてきて、「また失言か」と国民ががっかりするようなことがあるかもしれません。


私はこの野田さん、みずからを「どじょう」にたとえられましたが、意外に直感力がある人で、多才な方だと判断しています。

チャート上の印象は「どじょう」ではない。

もっと繊細な方だろうと思います。

ただ非常に頑固です。

この気質が、他のと融和や統合の際に、じゃましてしまうかもしれません。

どうしても曲げないもの、保守的なものがこの方の中にあり、ここが最大のネックになる恐れが(これは靖国的な問題とも関係している可能性があり)。


安定した長期政権になるには、海王星の不安定さを感じる……。

来年には実行力(のなさ)を問われるかも……。


しかし、ここはまあ、グランド・トラインを背負って首相になった方が、国民のために良い舵取りをしてくれることを期待しつつ、筆を置きたいと思います。