<冥王星の本質に関する考察>
昨日の記事の続きとしては、すでにこの中にかなりの部分が触れられてしまっています。
過去の記事にの中には、冥王星とペルセポネーについて触れたものもいくつかありますから、検索してもらえば出てきます。
2006年の8月に国際天文学連合の決定によって、冥王星は惑星から準惑星へ降格されました。
この意味を、私は神々の列からはずされたプルート(=冥王星)そのものだと考えています。
そもそもギリシア神話の中でハデスは、ゼウス、ポセイドンとともに、世界の三界を分けたとされます(ハデスはギリシア神話の中でのプルート)。
くじ引きがなされたそうですが、ゼウスはオリュンポスの頂から天と地上の支配権を、ポセイドンは海原を、そしてハデスは冥界、死者の世界を。
ハデスはまさに貧乏くじを引いたわけです。
こりゃ、誰だって腐るし、いじけるわな

こうして神々の序列からもはずれた存在として、地下の世界、冥界の支配者となったのですが、暗い世界で日々不満を募らせたのか、ある日、ハデスは大地の女神、デーメーテルの娘、ペルセポネーを略奪して、冥界に連れ去ってしまいます。
自分の妃とするために。
デーメーテルは穀物の育成にも関わる豊穣の女神。
彼女はこの略奪が、ゼウスにさえ黙認されていることを知ると激怒し、地上へ下って身を隠してしまい、世界から実りが失われてしまう。
これには困窮した神々。
ゼウスも使者を送り、ハデスにペルセポネーを解放するように促しますが、ハデスはペルセポネーを解放するように見せかけながら、冥界のザクロを彼女に食べさせます。
このザクロを食してしまったがために、彼女はその割合の分だけ、一年の中で三分の一の期間、冥界にとどまり、残りの三分の二の期間は帰還して母とともに過ごすという結果に落ち着いてしまいます。
つまり冬の寒い期間、一年の三分の一は実りが失われ、他の期間では大地は豊かになるという、この自然の周期を説話として語っているようなものなのですが……。
このペルセポネーの名を冠した天体は、小惑星にもありますし、また冥王星と同じエッジワース・カイパーベルト天体である1992QB1をそれだとする人もいます。
また<太陽系に新惑星?>で触れている未発見天体が、その名称を正式に得ることになるのかもしれません。
冥王星と同じエッジワース・カイパーベルト天体には、ほかにもエリスと仮称される冥王星よりも大きな天体もあり、このエリスもギリシア神話に登場する復讐の女神です。
トロイ戦争の引き金のとなった「もっとも美し女神へ」という文字を書いたリンゴを、祝宴の席に投げ込んだのがエリスで、このリンゴを奪い合った、アテナ、ヘーラー、アフロディーテの諍い、意地の張り合いが後の大戦乱の引き金となってしまう。
プルート、ペルセポネー、エリス。
これらはすべて「三分の一」に関わっています。
ペルセポネーが本領を発揮すると人類は三分の一になる、というような風説もあります。
が、神話をよく解読してみると、実際には三分の一になるのではなく、全体の中の三分の一が失われるという見方のほうが正しいような気がします(彼女が冥界に下る期間)。
もちろん、そんな日がこないことを祈りますが(汗)。
この三分の一という単位は、聖書の「ヨハネの黙示録」にも、世界の終わりの時に出てきて人類の三分の一を滅ぼしてしまうという四人の御使いの記述にも、どこか潜在意識的にシンクロしているような気がします。
神話・伝説は、人類の集合無意識的なものから生み出されたストーリーですから(聖書のは預言だとおっしゃる方もいると思いますが、そうした預言が生み出される背景には、やはり集合無意識があると思われます)。
この三分の一に関する神々。
1992QB1がペルセポネーとなるのか、あるいは新発見される天体がその名を冠するのか。
ペルセポネーが略奪されるときがいつになるのか。
占星術師としては、今後の天文学上の動きにも注目し続けているところです。