この記事を読まれる前に。
占星術による運勢の解読や、世の中の出来事、地震などの予知、予測というものには、科学合理主義による裏付けは一切ありません。
つまり非科学的なものです。
ここをあらためて理解された上で、以下の記事をお読みください。
Amitaさんからのご質問があったのですが、これについてはちょっと触れておこうかと思っていました。
ローマで11日、大きな地震が起き、街は壊滅するという予知を、イタリアの地震学者が行っていたという情報がネットで流れ、大変な混乱がイタリアは起きたようです。
奇しくも同日(日本時間では12日)、近隣国のスペインであの地震が起きました。
この予知は多少のずれがあったが当たってのではないか、ということもいわれています。
ただ、これはもうちょっと理性的に考えなければなりません。
まず、その予知を行ったとされるラファエレ・ベンダンディというイタリア人地震研究者が、実際にそのような予知を行っていた証拠はないようです。
このへんはよくわからないのですが、その予知がこのベンダンディ氏のものとして発せられていた確証がないと、そもそもこのことを論じることはできません。
「街が壊滅する」という予知スケールからすると、スペインの地震も死者が出ていますが、規模は小さい。
壊滅はしていません。
つまり場所だけではなく、規模も異なっています。
したがって、私はこのインターネットを介して広まったローマ地震騒ぎは、根も葉もないものではなかったかと考えています。今のところは。
この地震学者は、地震は太陽や月など天体の動きで起きるため予知可能だと説いたそうで、1923年に起きたイタリア中部の地震を2日違いで予言し、ムソリーニから称号を与えられたそうです。
この方の説と、私は似た立場にありますが、それは50%だけです。
え?と思われるかもしれませんが、そうなのです。
これはそもそもホロスコープとはなんなのか、という認識の問題に関わっています。
ホロスコープは宇宙の図です、わかりやすくいうと。
太陽や他の惑星の位置が表示され、角度によってその関連性が示され、それらの天体の背景には12星座がある。
ごく普通の考えだと、たとえば火星と天王星が凶角になったら、事故やアクシデント、火災などが起きやすいとかいう話になります。
この考えは、つまり星の力が地上に影響を及ぼしている、というものです。
先の地震学者もそうだったようです。
これが一般的な考えで、
宇宙→地上
という一方通行なのですね。
しかし、私は違った見方を、ホロスコープに関して持っています。
ホロスコープというよりも、宇宙に対して、というべきなのですが。
天にあるがごとく地にも、という言葉がありますが、私は天と地は合わせ鏡になっていると思っています。
つまり宇宙は個人でもあるし、この地上のすべてでもある。
この世の中で起きる出来事を、鏡のように映し出しているのが宇宙だという考えです。
これは
宇宙⇔地上
という発想で、そこには双方向の関連があります。
この考えは量子理論的なものです。
(観測者が存在し、観測するからこそ、世界がそのように実在する)
つまり私は考え方として、
宇宙に存在するものが世の中の出来事に影響を与える。
という立場だけではなく、
この世の出来事を単に表示しているのが天体やその関連性を表示するホロスコープ。
という立場でもあるのです。
天体のアスペクトなどと地上で起きる出来事がシンクロしているのなら、どっちでもいいいじゃないか、同じことだろ! と思われかねないのですが、天を運行している星に単純に左右されてしまうのが人間やこの世界だと認識するのと、人間が認識するからこそこの世の出来事が天にも示されるのだと考えるのは、大きな違いがあります。
私はこの両方の立場に足をかけているのですが、前者だと人間や世の中は、しょせん星々の定めに従って動くものということになります。
けれど、人間はそのようなちっぽけなものではないと私は考えています。
後者の立場では、すべてではないにせよ、半分の主体は人間にあります。
自分がどう生きるかで、今後のことも変えることができるという希望も抱けます。
天体のアスペクトは、たしかにある一定の枠を設けてしまいますが、たとえば火星がハードアスペクトを作ったときに、それを「争い」という形で実現化させるのか、それとも「腹の立つようなことはあるけれど、建設的なエネルギー集中を行う」といった形で実現化させるのか、それは個人の意志と選択だし、世の中全体のこともそうだと思うのです。
私たち一人一人の生き方や意識が集まって、世の中を作り上げているのだから。
というような考えなのですが、これはあくまでも私個人の認識です。
これを絶対のものだと押しつける気もありませんし、私自身、科学が新しい認識を加えてくれるのなら、そちらに傾くときもあるでしょう。
くれぐれも注意してほしいのは、こういった予知予測にいたずらに振り回されず、理性的な判断というのを常に持って頂きたいということです。
いってしまえば、占星術の予測など、科学的な根拠は何もないのだと、否定するぐらいの気持ちを持っていないと、むしろそれに呑み込まれてしまう場合もあると思うのです。
ローマではそれに呑み込まれてしまったようです。
こういったことがある意味、逆に怖い。
皆さんにはこのようなことがないように、くれぐれも理性的なバランス感覚を堅持してほしいと願います。