手を焼かされるグランドトライン |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

この頃、あるタイプのホロスコープを、よく拝見することがあります。

それは

グランドトライン

です。
この複合アスペクトについては、過去にも書いたことがありますが、最近の実例も含めて、思うところを書いてみます。

ホロスコープ上に星々が結ぶアスペクト(地球を中心にして見た角度=座相)。
その中でも120度のトラインは、もっとも幸運度が高いといわれます。
昔の占星術教本には「120度はタナボタ式幸運、60度は努力を要する」などと書かれているものもあります。

たしかにトラインでは、自動的に物事が起きるような傾向を感じることはあります。
そこには本人の努力とか、意志とかいうのもあまり関係のない働きもあるように思えます。

このトラインが三つ組み合わさって、正三角形上にホロスコープに配置されるのが、グランドトラインです。

 ←こんなの

360度のホロスコープの円の中で、120×3でしっかりとトラインアングルができあがる。

トラインが三つですから、

そりゃあ、もう


とんでもなく幸運?


と思いきや、そうでもなかったりします。

占星術上は、三つのポイントの長所が相乗効果で強化され、また悪い星の作用も消してしまうとか言っている人もいます。

でも、これまでの実例を見る限り、そんな人はまれです。

たしかにグランドトラインで、すごい成功を収める人もいます。

山口百恵さんとか、美空ひばりさんとか。
中森明菜さんももっています、たしか。

私はかねがね、ヨッドという宿命的な複合アスペクトとグランドトラインは、かなり似たところがあり、本質は同じではないかと述べてきました。
それには数学的な根拠もあります。

過去記事参照ください。よかったら。
<ヨッド、セミヨッドの異能について>
<ヨッド、セミヨッドはなぜ諸刃の剣なのか>

ヨッドは選択の余地のない強制的な出来事や運気を運んでくることがあるのですが、グランドトラインもある意味で、ヨッドと似通ったところがあり、トラインでさえ「自動的」に起きるシステムがさらに強化され、ほとんど強制的に何かの出来事に遭遇したりそれを自ら選んでいたりする傾向があるように思います。

一種の強制力を持った運気なので、自分の意志と合致していれば、「思い通りの人生」「思うままの大成功」もあり得るのですが、自分の考えとは違うところでそれが作用すると「なんでこんなことになったんだろう」「そんなつもりはなかったのに」というようなことになっていることも多い。

もちろんグランドトラインをうまく生かして生きている人もいます。
ところがそれを持ちながら破産したりというようなケースも、まま見られます。

グランドトラインは幸運なばかりでは決してない。
しかし、比較的珍しい人生を歩んでしまっている人が多い、という全体的な特徴はあるように思われます。

その珍しいものの中身は、どう判断すればよいのか?

普通ならグランドトラインに組み込まれた星は悪く働かないはずなのですが、実際には強制的に働くのだというふうに解読のアプローチを変えること。

そして、重要な手がかりは、

たぶんその人のグランドトラインに属するグループと、それ以外の天体の働き、そのずれではないかという気がします。

グランドトラインから外れている星は、ある意味、ちょっと目立った働き方をし、グランドトラインの完全調和を乱す働きもします。

それが個人の性質として、強く表面化しているケースも見られます。

やはりホロスコープは全体を見ないといけないという基本に変わりはないのですね。

それにしても。


やはりいまだに手を焼かされるグランドトライン。

まだまだ精進せねばなりません。