それはまずコンジャンクションにあったのではないか、と申し上げました。
これといった観測機器もない古代の人でも、星々の交わり、合は夜空にはっきりと確認することができたからです。
おそらく、各種のアスペクトはそこから派生していった。
どのように?
古代においてもサイン(=星座)の位置づけは早くから成立していたようです。
つまり、どの星座にどの星があるか、その効果は? そしてAという星座にBという星があり、Cという星座にDという星があるとき、この相関関係は?
このそれぞれの星座にある星々の相関関係こそが、たぶんアスペクトの始まりです。
少なくともメジャー・アスペクトの
コンジャンクション(=0度)
オポジション(=180度)
スクエア(=90度)
トライン(=120度)
セクスタイル(=60度)
などは、星座の親和性そのままです。
たとえば牡羊座から見て、蟹座はスクエアで相性が悪いが、獅子座は同じ火のエレメントで120度、調和のトラインの関係といった具合に。
この点については、他のアスペクトに話が及んだときに詳しくご説明しますが、アスペクトはそもそもこの星座の関係を背景に誕生していると言えそうです。
つまりアスペクトを語るときには、星座のことを抜きにできない、ということです。
そういったご理解の上で、まず今日はコンジャンクション。
コンジャンクションは当然、一つの星座の中で起きることがほとんどです。
重なるわけですから(重なるといっても、日食や月食のような星が完全に重なるのは珍しく、緯度の差があるので上下や斜めに並んだりする)。
しかし、アスペクトにはオーブがあります。
許容角ですね。
正確に零度にならなくても良い。
この設定はいろいろな説があります。
一律に6度とか8度とか、接近と分離で分けたり、オーブとは光の及ぶ範疇を基準にするので、太陽や月
は広く取るとか。
まあ、それは置いておいて。
オーブがある以上、星座の境界線付近で合が生じることがあります。
たとえば金星は天秤座29度、火星は蠍座1度。
この差はたった2度しかありませんから、この合は許容角内です。
しかし、アスペクトの成り立ちを考えると、それは星座を背景にしているので、当然、同じ星座内で生じる方が強力で、たとえ2度、1度という誤差でも、星座の境界をまたいで発生したものについては、違った解釈や慎重な判断が必要になります。
どんなに仲良しでお互いの距離が近くても、これではアパートの壁一枚を隔ててお話ししてるようなもので、お互いの星は壁に耳を当てて隣の住人が何をしているのか探っているような状態です。
やはり同じ部屋にいないと、濃厚なコミュニケーションは生じてこない。
このようなケースでも、私は簡単にコンジャンクションが成立していない、とは考えません。
というのはマイナー・アスペクトでは30度という、隣り合わせの星座のソフトアスペクトも設定されているからです。
隣り合わせ同士のエレメント(火、地、風、水)やクオリティ(活動、不動、柔軟)などを考慮する必要があり、その境界をまたいだコンジャンクションの傾向や問題点を考慮しています。
が、なんといってもコンジャンクションは同じ部屋にいることが本義です。
今は火星と金星は、アパートの別々の部屋にいるのではなく、一つの部屋にいる。
そうすると、なにが起きるか?
そう。
セックスが生じます。
短絡的とお考えですか?
オス♂(火星)とメス♀(金星)だからセックスなの?
とか、思われるかも知れませんね。
星々の交合は、その質の混ざり合いを意味します。
双方のエネルギーがぶつかり合ったり、溶け合ったりしながら、べつなものを作り出します。
当然、この合はある星座を背景にしているので、その星座の質の中で起きてきますし、その星座の質も強化されます。
たとえば今のたとえのように火星と金星が同じ星座で合の出生チャートの場合、これはその人の男性気質と女性気質がすでに交わっているわけで、男女とも異性との交流は生じやすいはずです(基本的には、です。ほかとの関連も重要)。
あるいは太陽が土星と合の場合、その人は自身に土星の質を強く取り込んでいる可能性があります。
場合によっては現実一辺倒、ロマンのない人になっているかも知れません。
うまく働けば、勤勉で責任感の強い人物として。
星々の交合は星座を背景とし、その相互の星の性質をミックスさせて考える必要があります。
星はそれぞれ、自身の力を強める星座と弱める星座がありますから、このような品位についても考慮します。これはコンジャンクションだけではありません。すべてにわたっての、基本的なことです。
ただ、ここで注意しなければならないのは、太陽との合です。
太陽との合では、コンバストという現象にも注意しなければなりません。
太陽の光によって、他の星が焼かれ、力を失うという現象です。
この影響は、月・水星・金星などが大きく受けると言われていますが、かといって水星のように常に太陽の近くにある星がコンバストされると、かなりの割合で水星がうまく機能しない人間が誕生していることになります。
また先の土星と太陽の合の例のように、土星、天王星、海王星、冥王星などは、逆に太陽に対して大きな影響を与えるケースも、鑑定の実際の中では日常的にお目にかかります。
太陽によってコンバストされる星についても、他の星とのアスペクト、星座との関係、品位などを考慮し、個人個人のチャートの中でどのように機能しているか、あるいはあまり機能していないか、私は慎重に確認するようにしています。
さて、最後に一つ。
コンジャンクションは、ある星とある星の交合であり、いわばこれはセックスを行い、次のサイクルへの種を植え付ける座相です。
ゆえに私は、トランジット・チャートなどでも、合が生じたら、その同じ二つの星の組み合わせによる合が次に生じるときまでの、ある傾向が誕生するときと考えています。
たとえば金星と木星が合になるというのは非常に喜ばしいアスペクトですが、これが地の豊かさや富、美などに関わって芽となり、次の金星と木星の合までの傾向になるということです。
これについては、過去記事に以下のものがあります。
<艱難の時は終わりに近づいた!>
<土天君のネイタル解読>
この記事を書いたとき受けた啓示によって得た結論です。
土星・天王星の合にように、時代を支配するような合もあれば、水星や金星によって生じる一年間くらいの合の傾向もあります。
こういたものの複合が、この世の中の傾向を作っていくのだとしたら面白いですが、全部見ていたら処理できなくなってしまいます(笑)。
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