オポジションはもう一人の自分(あなた) |  ZEPHYR

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 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

アスペクト論の続編です。
前記事は<コンジャンクションは星々のセックス>です。

今日はアスペクトの中でも、オポジション=180度について述べたいと思います。

いうまでもなくハードアスペクトの代表格です。

合であるコンジャンクションは、その座相自体は吉でも凶でもありません。
ただ、それを構成する星によっては、ハードアスペクトのようなきつい体験にもなり得ます。

オポジションは対向する星座に星が対立する構図ですから、間違いなくハードアスペクトです……

というのは早計です。

というのは、ホロスコープ・チャートでは常に1ハウスが自分で、真反対の7ハウスが配偶者という図式になっています。
ホラリー・チャートなどでも質問者はたいがい1ハウスで、問題となっている対人関係が7ハウスです。
7ハウスは対人関係の部屋で、その中に「最も濃い対人関係」となる配偶者も含まれているわけです。

つまり「あなた」と「私」の関係を象徴するのが、まさにオポジションという180度の構図の中にあるわけです。
これは結婚相手というのは、「常に真正面から向かい合う」関係なのであり、そこには当然ハードなものも含まれる、ということを暗に示しています。
なぜなら他人なのだから、理解するのも歩み寄るのも、またそれができずに分離するのも、ハードです。
努力が必要です。

こうしたオポジションの傾向のどの側面を使っていくかは、人それぞれです。

ある人は出生太陽と進行の月のオポジションで、運命的な女性との邂逅を果たしました。
こういうこともあるのです。

またあるカップルは、出生チャートの中に双方とも、非常に誤差の少ない太陽と月のオポジションを持っていますが、毎日のように喧嘩しています。
これなど、互いに理解することに壮絶な苦闘があることを、まさに物語っています。

こういうことを理解していないと、最初の例では太陽と月がオポジになるときだから不調に違いない、とか、二番目の例では、二人とも太陽と月がオポジになっているのは良くない、もう少し穏やかなアスペクトの人を選ぶべき、などというやや浅い解読に落ち着いてしまいます。

真反対だからこそ、本当に大事な人に出会うかも知れないし、互いに太陽と月はオポジなら、それこそまさにお互いの配偶者像を示していないか? と疑うこともできます(本当に最後までうまく行くかどうかは別として、可能性として)。


アスペクトの背景には常に星座があるということを前の記事でも申し上げましたが、ここを理解しておくと、このオポジションにもさまざまな異なった意味があることが分かります。

まず着目してもらいたいのは、オポジションは常に以下の星座関係の中で生じるということです。

火のエレメントvs.風のエレメント
地のエレメントvs.水のエレメント

12星座を良く思い浮かべてくださいね。
かならず対向星座はこうなっています。

火のエレメントと風のエレメント、地のエレメントと水のエレメントの組み合わせ、もともと相性がよいとされています。
180度以外の角度関係は、調和の60度です。

親和性の高いエレメントで、対向が生じる。
だからこそ、逆に強い惹かれ合いも起きてきます。

そしてもう一つ、クオリティにも注目してください。

かならず同一のクオリティでオポジションは生じます。

活動宮(牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座)
不動宮(牡牛座、獅子座、蠍座、水瓶座)
柔軟宮(双子座、乙女座、射手座、魚座)

活動が創造、不動が維持、柔軟が破壊の質を持っているということは、前に申し上げたことがあります。

ちと、おさらいをしておくと、牡羊座→牡牛座→双子座という星座の初期プロセスの中にも、創造、維持、破壊というプロセスがあるのです。

牡羊座が固有のパーソナリティを持つ人としてこの世に誕生した状態(創造)。

牡牛座は誕生した子どもが持つ才能や資質を含め、「所有」ということを通じて人と自分が分かたれた存在だということを認識し、自己を保持する状態(維持)。

双子座は知能の発達に伴い、他人とのコミュニケーションを通じて自己の世界を拡大していこうとするプロセスで、この段階ではそれまでの殻は打ち破られねばなりません(破壊)。

というふうに、私は理解しております。

この循環が、繰り返されて永遠に未完に終わるのが人の人生です。
もちろん魂の成長上の、「もうこれでよい」という解脱、離脱はあると思います。
基本的なサイクルとしては、永遠に未完になるのが12星座のプロセスです。

脱線しないうちに元に戻りますが、オポジションは相性の良いエレメント同士の、同じクオリティの中で発生する強いアスペクトだということです。
なぜ、これがハード的なのかというと、同じクオリティだから、ということが言えそうです。

たとえば蟹座(水のエレメント・活動宮)と山羊座(地のエレメント・活動宮)でオポジションが発生するときのことを考えると、非常に分かりやすいと思います。

蟹座は母性の星座でもあり、家庭的なものの定位置です。
山羊座は権威とか成功とか実績とか、いわゆる世の男たちの多くが求めてきたものの象徴星座でもあります。
どちらも活動宮。
蟹座ではその活動力は、実質的には内面や内輪に向けられます。
家族を愛し、それを優先的に置こうとする行動は、まさにそれに該当します。
しかし、山羊座は外に出て行き、内的な満足よりも、実質的な形を成功とか成果として求めます。
それはキャリアアップしようとか、業績を上げようとか、ステータスの高い何かを手に入れようとする行動に該当します。

こういう構図の中で、同じ「活動=創造」なのに、得ようとするもの、目的がまったく異なるというところが、オポジションの根幹です。

こういう二人がたとえば結婚して、一緒に生きていこうとすると蟹座的な女性は、山羊座的な男性の野心的な行動に、家庭や自分を省みられない欠乏感を抱くようになりますし、逆に男性は小規模な視野の中に収まってそれでよしとする蟹座女性の生き方になど、まったく共感できないことになります。
(注・これは分かりやすく書いています。その生まれ星座だからといって、このように明確にキャラクターが分かれることは滅多にありません)

しかし、だからこそ。

山羊座男性にとって、蟹座女性は、自分にまったくないものを目の前に提示してくれる存在となり得ます。
提示されても、相性が悪かったら拒絶されるだけです。
だからこそ、180度の構図は親和性の高いエレメントでなければならない。

このようにホロスコープは、うまく成り立っています。

ということを考えると、180度や分離や対立だけでなく、「補完」という機能を間違いなく有していることになります。
互いにないものを提示し合う、そのことによってより完全に近づくためのパートナー。

これこそがオポジションが内包している力だと思われます。
したがって、チャートの中でオポジが発生したときには、かならず自分を補完するための何かが提示されているのではないか、と疑ってみることです。
案外受け入れると、オポジは有効で大きな力となってくれます。

最後にもう一つ。

オポジションには三つのクオリティで発生する種類があります。

オポジ発生時には、このクオリティにも注意してください。
たとえば活動宮で生じれば、それはもしかしたらこれからの新しい創造につながるターニングポイントになるかもしれません。

不動宮で生じれば、両者の星はまるでその場に釘打ちされたかのように動けず、何も事態は変化しないのに苦しい思いだけするとか、何かを維持していくために必要な努力を迫られているとか、そういったことも考えられます。

柔軟宮で生じれば、それまでのスタイルや生活や壊され、次なる何かのために起きる変化と捉えることも可能です。

オポジションの中でも、柔軟宮のものがもっとも大きな現実的な被害を受けたり、変化を伴うことがあるでしょう。人との別れも生じやすいはず。基本的に分離的。
不動宮は、身動き取れないままに、変化も少ないかも知れませんが、ここで忍耐や心の強さを得ることができればしめたものです。基本的に斥力と引力がバランスした状態。
活動宮は、引力が勝っていて、互いに中心に向かっていくので、そこでぶつかり合いが生じやすく、だからこそ新しい視野も得られます。

オポジのハードアスペクトで発生する問題には、鏡像としての意味を常に読み取ってみるべきです。
その鏡像はそれぞれにクオリティに関わっているので、自分のそのクオリティの使い方が問題の原因となっていることもあるでしょう。


というようなことを念頭に置いて頂けると、ホロスコープを解読するときのお役に立つと思います。


本日の講義終了!

あ、これから大学の講義があるんだった。


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