ただ、このような解釈を行っている占星術師は、少なくとも日本にはいないと思います。いても、公表していないことは、ほぼ間違いないと思われます。
たぶん、これから書くことは、占星術の中でも「奥義」に属するような領域の話ではないかと思います(北斗神拳ですか

もちろん何々流武道の「奥義書」みたいなものが占星術にあるわけではありませんが、その道を究めれば究めるほどに、たとえ誰が教えてくれなくても自然にそこへ至ってしまうものなのかも知れません(やっぱ、ケンシロウだ)。
とはいえ、私のこれから申し上げることには、ほかのプロフェッショナルの方々の既成の理論的後押しがあるわけでもなく、あくまでも私見だよ、ということをご理解下さい。
結論から申し上げます。
今、私たちを苦しめている星位の、真の元凶を突き止めました。そして、その解読によると、今年の夏から秋にかけて、それはもう一度だけ、勢力をぶり返しますが、もう二度と、決して私たちの頭上を襲うことはありません。
つまり今年さえ乗り切れば、来年からはずっと風通しが良くなってくると考えられます。
いや、それは今まで言っていたこととよく似ているけど、どう違うの?
たしかあなたは、土星・天王星のハードアスペクトが、今年の夏から秋にかけて復活すると言っていた。そして、長期的には2011年には経済的にも好調期を迎えると言っていた。その繰り返しなんじゃないの?
たしかに表面的にはそうです。
しかし、この結論に至ったプロセスを知って頂ければ、疑問は氷解すると思います。そして、今までになかった希望を私たちは抱くことができるようになります。
ちょっと長くなりますが、お付き合い下さい。
昨年秋から世界を経済危機に陥れてきた張本人は、たびたび申し上げているように土星・天王星のオポジション(180度)です。
これから先の未来に、光を見出そうとするなら、この元凶となっているものの性質を、目をそらさずに見つめる必要があります。こうした星々の作用をないものとして、無視しても、現実に存在している力を無にできるわけではありません。そして、それらがなぜ起き、何を作り出そうとしているのか、洞察する必要があります。
かつての記事を読まれた方の中には、ご記憶がある方もいらっしゃるかも知れませんが、星々のアスペクトの中で最強のものはコンジャンクション(合)です。たとえば太陽と月の合は、その後の一定期間の目的意識や傾向を決定づけます。それゆえ、毎月の新月図(当然、太陽と月は合になっている)を世の中の予測を立てるときに活用したりする研究家もいます。
そして、これは太陽と月だけの関係に限定して言える傾向ではないはずです。
合が生じたとき、ある星とある星のその後の関係性が決定づけられ、二つの星が交わることで生み出そうとする現実や傾向があるはずです。
太陽と月は一月に一度、かならず交わっています。
しかし、他の星の合のサイクルは、それぞれ異なっています。土星・天王星の合は、約40年という長いサイクルで行われます。その間、コンジャンクション(0)→スクエア(90)→オポジション(180)→スクエア(90)→コンジャンクション(0)というアスペクトを、それぞれ10年程度の間隔で発生させます。
これが世界恐慌や経済危機、場合によっては戦争などを引き起こして来たわけです。「十年一昔」といいますが、10年という区切りが言葉や観念だけのものではなく、現実をある程度反映したものであるのは、土星(時)と天王星(画す力)の組み合わせゆえと言えるでしょう。
土星はこの世での現実そのものの象徴です。また世界を支配している権威とか高位の存在の象徴でもあります。ここに変革の星である天王星が作用するのですから、当然のことながら社会的にも世界的にも大きな出来事が起こって来やすくなります。
また太陽と月は頻繁に合を起こすことから、その作用も日常的と言えます。
たとえば就職するという出来事は、少なくとも日常的ではないはずです。頻繁に転職を繰り返すようなケースでは別ですが、当たり前の感覚ではそうそう起きることではありません。場合によっては、一生涯のうちにたった一度しか就職という経験がない人もいます。
しかし、就業している会社の業務の中で、月々の方針や目標が打ち出され、それに従って業務を行うことはかなり日常的です。
この月々の業務方針が、太陽と月の合と言えます。
しかし、ある会社に就職するというような出来事は、木星・土星、あるいは土星・天王星のような長いサイクルで発生する性質のもので、一度就職してしまえば、そこを軸にした暮らしが否応なくかなりの長い期間、持続してしまうわけです。
そして長く作用するだけに、同時期に同じ会社に属する同僚にも影響力を持つものだと言えるのです。
土星・天王星は個人の就職という出来事よりも、さらに長期的で世代的なアスペクトです。
とくに現実の世の中に関わるアスペクトとしては、もっとも顕著な傾向を持つと言えるかも知れません。
なぜなら土星は現実そのもので、それが変わる時期だからです。
こうやって考えていくと、昨年から今年にかけて、土星・天王星はオポジションの関係にあるのですが、その約20年前に合の関係にあったとき、ここに現在の社会変化の手かがりが潜んでいる、そこに芽があったのだと理解頂けるでしょう。
合でその後のことがある程度決定されるからです。
<2009年の占星術予測 序章>の中で、私はこの理論に簡単に触れ、長期予測のさわりの部分としてさらっと流して終わっています。つまりその時点で良いところまで行っていたのですが、やはりまだここまで突っ込んだ解読はできていませんでした。
それに、その考えを推し進めていくと、とんでもない世界が目の前に開けるような怖さもありました。
しかし、今は勇気を出して、その扉を開いてしまいましょう。
1988年2月13日ごろ 射手座29.91度
1988年6月27日ごろ 射手座28.78度
1988年10月18日ごろ 射手座27.82度
20年ほど前、土星と天王星は順行と逆行を繰り返し、射手座と山羊座の境界線上を行ったり来たりしながら、三度、コンジャンクションを起こしています。
これらの中でももっとも重要視すべきは、最初のものだと考えられます。まずそこで、「今後の世界がどのように変化していくか」の種が植え付けられたと考えられるからです。残りの二つは補足的に見るか、プロセスとしてみるか、ですが、いずれにせよこの時期の三度の合はすべて、射手座の終わりで起きています(一つの星座は30度)。
とくに一回目のそれは、射手座のぎりぎり終わりです。
この土星・天王星の正確な合は、計算上、1988年2月13日10時04分あたりになると思います(日本時間ですよ~)。
そして、この合をもって、「新しい世界の傾向を持つ子」として、出生チャートを作ることができるはずなのです。
このネイタル(出生)チャートの解読は、次回に譲ります。このチャート解読も、非常にスリリングなものです。
ところで、「土星と天王星は順行と逆行を繰り返し、射手座と山羊座の境界線上を行ったり来たりしながら」というところを読まれた方の中には、もしかしたら私の過去記事の中に同じ表現が使われている星が、去年あったことを思い出されるかも知れません。
そう。
去年、冥王星が射手座と山羊座の境界線上を行ったり来たりしていたのです。そして、今もまだ近いところにいます。
ということは?
そう。たとえば個人の出生チャートでも、トランシット(経過=現在空を運行している星)の星との関係を年運では重視します。たとえば今年は水瓶座を木星(幸運の星)が運行するから、水瓶座は12年に一度のラッキー年なんて言い方がされます。
土星・天王星の合のネイタル(出生)チャート。長いので、以後、「土天君のネイタル」として表記しますが、彼のその「社会変化」の本質部分の上を、昨年、破滅の星、破壊と再生の星である冥王星が踏んづけていったのです。
冥王星の破壊活動は、あらゆる星の中でも最強のものです。
しかし、土天の合にさらに冥王星が合になるわけですから、起きることは「社会の崩壊」「システムの破綻」といっても過言でないことが分かります。
そして、土天君の頭上を今、冥王星は離れています。
それが戻ってくるのが、奇しくもこれまでの解読で行っていた、今年二回目の危機の時期と同じ、夏から秋にかけてなのです。
しかし、このときの合は、冥王星は山羊座、土天君は射手座にありますから、効果は発生するのですが、星座が違っているために、比較的ゆるいものになると考えられます。
そして11月7日をもって、冥王星は土天君に別れを告げ、もう二度と戻ってくることはないのです。
この仮説が本当に正しいのか、ということについては、ざっとですが、検証を行っていますから、それは次回に譲ります。
ただ、ここではっきり言えるのは、土天の合のネイタルの上を、冥王星が踏んづけていくことなど、本当に本当に、ほんっとーに希だということです。
次に土天の合ができるのは、2032年ごろですが、その後の40年サイクルの中で、この合の上を冥王星が踏んでいくという現象は起きません。
さらにその次の合でも同様に起きません。
今回はたまたま、土天の合が射手座の終わりで起き、その一つ手前の蠍座に冥王星が控えていたために、40年のサイクルの間で、このような希な出来事が発生してしまったということです。
つまり、私たちが今見ている世界の変化は、100年に一度の危機などと言われていますが、もしかするとそれ以上の長い歴史の中でしか起き得ない現象なのです。
かつて私は、青木泉さんから「恐慌を起こす星はあるのか」という質問を受け、<長期予測 part.2><長期予測 part.3>の中で、土星天王星のハードがそれを引き起こすが、それプラス世界経済の中で重要なアメリカに、同時期に経済苦境が示されているという二つの条件が合致したときに、大きな恐慌が起こると結論づけたことがあります。
これはあの時点で、私ができうる最大の考察だったと思います。
しかし、なぜかあのとき、私は「占星術的にもっと本質を突いた解読方法がどこかにある」と感じていました。
今回、それを見つけることができました。
これこそが、その奥義だと。
ここに至れたのは、「希望を見たい」という皆さんの声があったからです。
皆さんに感謝を捧げます。
そして声を大にして申し上げます。
今年はまだ苦しい時期があるかも知れない。
しかし、去年から今年にかけて起きた経済・金融に関する出来事は、この40年のサイクルで最大のものである、と。
それゆえ、少なくとも土天を元凶とするこれ以上の苦難は、もうない。
それは終わりに近づいている、と。

次回に続くよ~。