というようなご質問を頂いたので、この場を借りてお答えしたいと思います。
公益にも沿った記事になると思いますし。
多くの占星術テキストが、似たようなことを確かに書いています。
「楽観的、快活で寛大」
「善良で陽気」
「幸運に恵まれやすい」
など。
ところが、です。
多くの人の鑑定を行う内に、私のこの一般的な定理に「

「幸運に恵まれやすい人生ですね」
などと言っても、多くの人が首をかしげるような感じなのです。
実際、太陽と木星が合になっていても、大変な人生を歩んでいるかたは大勢いらっしゃいます。
当然、そこはチャート全体の構成を考えなければならないのですが、そういった問題ばかりでもなさそうです。
もっと幸運がその人に寄り添っていても良さそうに見えるチャートでも、ご本人が「運の良さ」を実感しているケースはごくまれだと思えます。
なぜなのか?
実際には幸運に恵まれているのに、それに本人が慣れてしまっていて、普通に感じられるケースもあるかも知れません(←こういうひとは、ちゃんと周りをよく見て、自分の運の良さや援助を与えてくれる人に感謝しなくちゃね)。
あるいは、コンバストという現象についても考えなければいけないかも知れません。
コンバストとは、太陽に近い位置にある天体が、太陽の光によって焼かれ、力を発揮できなくなる状態のことです。
いろいろな説があるのですが、月、水星、金星などはこの影響が顕著だと言われます。
実際、このようなケースを鑑定で確認できます。
が、木星はコンバストの影響を受けないとも言われます(冥王星などは逆にエゴを強化する方向へ働くことが多いようです)。
つまり木星の幸運は、太陽と合になっても失われない。
というのがよく言われていることなのですが、実際にはそうではないかもしれない。
コンバストが起きているのかも。
この点については私も研究中ですが、個人鑑定するときは木星が当人のキャラクターに影響を与えているのか、それとも運気に影響を与えているのか、両方なのか、ディスカッションすることで影響度を確認するようにしています。
太陽と木星が合だから、
「あなたは幸運な人生」
なんていうことは、みだりに言わないようにしています。
むろん、その可能性はあるのですがね。
さて、太陽と木星が合になっているかたについての、現状での私の推論ですが。
たとえば木星の効果がもっとも実感できるのは、進行運などでも木星が太陽に対してトラインになったときです。
なぜかというと、これは外側から幸運(木星)がアプローチしてくるからです。
たとえば宝くじに当たった、なんていうのは、まさに幸運ですよね?
このほうが分かりやすい幸運です。
しかし、合では木星の幸運は本人と一体化してしまうため、それが非常に分かりにくいものになってしまっているのではないか。
ということです。
<土星と太陽の合は、世間で言われる凶座相ではない?>でも書きましたが、逆境の星、土星が太陽に合になったときは「苦難のとき」のはずですが、実際にはそうでないことも多いのです。
むしろ、はっきりとした自己形成に役立つこともあります。
土星も同様で、スクエアとか、他からハードアスペクトを作ったときの方が、本人に与えるショックは大きいのです。
「あのときは辛いときだった……」
出生チャートの中の、太陽と合の木星も、おそらく似たような意味合いで捉えられると感じています。
一体化した木星は、ある意味、見えにくいものとなって、本人そのものの中に溶けている。
しかし、機能していないわけではない。
見えないような加護は与えていると考えられます。
しかし、見えにくい。
一見すると、ルーズでだらしない性格だけを与えているように思えるかも知れません(木星のしまりがないキャラクター)。
また寛大で快活なんて言っても、チャートの他の部分が非常に「悲観的」とか「深刻な性格」というのが出ていれば、それが勝ることもあります。
木星の入っている星座との相性もあります。
木星を強める星座なのか、弱める星座なのか。
こういったことをすべて考慮に入れなければ、判断はできないのです。
太陽と木星の合は、たしかに太陽という中心的な役割を持つ天体とのアスペクトですから重要ですが、裏を返せばただの一個のアスペクトに過ぎないのです。
目立つものなので、気になってしまいますが、実際には他の人のチャートにも、木星という名の幸運はちゃんと存在しています。
木星がどのように機能するか、本当に幸運の星として働くか、やはりチャート全体の解読が必要なのです。
回答になったかな?
以上です。