霊障を疑う前に・4 |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

<霊障を疑う前に・1>
<霊障を疑う前に・2>
<霊障を疑う前に・3>
の続編、最終話です。

不登校になってしまったOさんの娘さん。
彼女のチャートには三つのハードなアスペクトがありました。

太陽と土星のスクエア。
太陽と海王星の合。
月と天王星のスクエア。

いずれも厳しいものです。
このうち不登校の直接の原因となった月と天王星のスクエアが、もっとも厄介なものだと思われました。
これは「いじめ」の現実的な表示であるだけでなく、彼女の内面も示しています。

月は感情。
天王星は緊張。
そして孤立なども暗示しています。

娘さんは精神的に疲れているのです。


さて、ここで皆さんにお伝えしておかねばなりません。
それはハードアスペクトがあったときの、運命の転換法です。

ハードアスペクトがあったとき、それにできるだけ触らないように、そっとしておく。
なにもしないでおく。
「今は運勢が良くないときだから、できるだけ静かにしていなさい」
これらがよく占術家がするアドバイスです。

私もケース・バイ・ケースで、そのように伝えることはあります。
たとえば事故運が強いときに、ふらふら出歩かないほうがいいのは明らかですし。
けれど、それではハードアスペクトのエネルギーは消化されません。

ハードアスペクトがあったときは、それを使え!

というのが、私の持論です。
たとえば土星が太陽にハードアスペクトになるとき、土星の意味する責任というものをみずから引き取る行動をする。
またあえて困難であるけれど、やりがいのある道を選ぶ。
そうすることでこのアスペクトは、かなりの部分、消化されて行きます。

それどころか土星の力を、自分の中に取り込むことができます。

そういうことをいっさいしなければ、逆に土星は逆境や試練を、否応なくその人に持ち込んでくるはずです。

このOさんの娘さんのケースでも、私は似た措置を執ることが最善であろうと思いました。

月と天王星のスクエアは、母親(月)との緊張関係でもあります。
お尋ねすると、Oさん、どうも感情任せに娘さんに強い言葉を投げてしまうことがあるよう。
そういった行動も、娘さんの精神面での疲れの原因になっているように思われました。

しかし。
ここは念を入れました。
タロットカードを使用し、「解決方法」を探ってみました。
もしも私の誤読で、「霊障」のようなものがあれば、そのような原因と対策が表示されるはず……。

結果。
タロットもきわめて現実的な解決方法を提示してきました。
月(母性)のカードもやはり意味ありげに出ていました。

確信を持ちました。

「娘さんとよく話し合って、コミュニケーションを取ってください」
「それも一度や二度話して終わりではなく、日常的に」

ばかげているかも知れませんが、この当たり前のことが事態を改善するはず。

娘さんのチャートの中では、母親との関係も問題になっていたのです。
だからこそ、問題となっている星に動いてもらわなければならない。
この場合は、月である母親、Oさんです。

面倒くさくても、いらいらしていたとしても、気持ちを落ち着かせ、娘さんとコミュニケーションを取る。
月と天王星の緊張状態。
これを母親が努力することで消化する。
そうすることで、このハードのエネルギーは、かなり緩和されるはず。

効果はわりと早くあったようです。
娘さんはいやがっていた部活にも、なんとなく行くようになりました(部活がいじめの始まりだった)。
やはり話を聞いてほしかった。
分かってほしかったのでしょう。

霊障を疑う前に、現実的に出来ることをおろそかにしてはいないか。
当たり前の努力が、当たり前の日常を作って行く。
その日常が失われたときにはじめて、人はその大切さを痛感することが多い。

私も今の日常があること、つい忘れがちになってしまいますが、これは感謝すべきこと。
ちょっと前のことを思えば、妻や子供たちと今こうして平穏に暮らせていることは、とても有り難いことのはず。

我が身のことも振り返りつつ、この連続記事を終えたいと思います。

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