ようやくこの頃になって時間が取れるようになったので、前期の講義でここまでに配っていたプリントを整理していました。
前にも書きましたが、私は試験をしません。
だから、生徒さんの評価を随時配っているプリントの提出によって判定しているのです。
プリントにはいろんなタイプがあって、とりあえず書いて出せばOK、単位取得に有利になるものもあれば、書いている内容を吟味するものもあります。
講義をちゃんと聞いている人のプリントと、そうでない人のプリントは一目瞭然としています。
ああ、まわりの人間と相談して、「こんなんでいいんじゃない?」的に適当に同じことを書いたんだろうなっていうようなのもあれば、間違ってるけど自分で考えたんだろうな的なもの、そして、うん、しっかり理解してるというものも。
私はそれをパソコンのエクセルに入れた生徒名簿のデータに打ち込んでいきます。
昨日は講義後、ある方のお宅を訪問することになっていて、それまでかなりの時間があったので、大学の非常勤講師控え室で、これまで配ったプリントの整理と入力作業を行っていました。
こうやっておけば、前期最後のプリントを回収後、その評価をして入力すれば、ちゃんと個々の生徒さんの合計点が出るようになっているのですが、今年は履修生がとても多い。
200人を超えていて、ここまでプリントを配ったのは四回なのですが、その3回分の整理をするだけでも、かなり骨が折れました。
毎回200人を超える生徒さんが教室にいるわけではなく、まあ、だいたい150~170人くらいでしょうか。
それでもプリントの整理は、非常に時間がかかります。
去年はもう少し少なかったので、楽だったんですが。
「うーん。今年こんなに増えるんだったら、試験をすることにして、プリントはなしにすべきだったか……」
などと、ちょっとだけ考えました。でも、まだいける。
そうしてプリントの整理をしていて、ふと面白いことに気づきました。
もちろん私の講義は、推理小説に関するものなのですが、推理小説も小説である以上、テーマ、ストーリー、登場人物などの物語が備える基本的な構成要素を持っています。
推理小説はこれに加えて、「謎」があるわけです。
「謎」というのは本来、ストーリーの一部にあるべきもので、普通の小説にも謎は登場することがあります。ハリー・ポッターにもあります。
推理小説で、あえて「謎」を四番目の柱に独立させるのは、それだけ謎とその解明に重きが置かれた文学だからです。
このあたりのことを説明した上で、講義を進めているのですが、昨日の講義で配って生徒さんたちに書いてもらったプリントには、私のテキスト小説「消滅した夜」に関して、
①伏線を三つ述べなさい。
②物語のテーマはなんだと思うか。
という二つの設問を設けてありました。
伏線については講義を聞いていて、なおかつ伏線の意味を理解できれいれば、答えられます。
が。
興味深かったのは、テーマです。
私は敢えて講義中に物語のテーマに関することだけは口にせず、全ストーリーをさまざまな解説を加えながら説明しました。
テキストを持っている生徒さんたちは、それを同時進行で読みながら。
その上で、テーマは自分で考えてみて、と告げました。
物語を読み、知った上で、「消滅した夜」のテーマとは?
つまり作者が作品を通じて述べたかったこと、ですね。
「消滅した夜」のテーマは、じつは「家族」「家族愛」といったものなのです。
これを書いてきた生徒さんの大半が、「女性」でした。
男子生徒はほとんどおらず、かなりとんちんかんな答えもありました。
真剣に聞いていると思われる男子でさえ、違った感想を書いてきました。
「やはり男と女じゃ、感じるポイントが違うんだろうな」ということを痛感しました。
男はある意味、あきらかに左脳的な思考をし、謎解きの部分やストーリー中に多く目立った描写や心理などに手がかりがあるのではないかと「考えた」ようです。
ところが女子生徒は右脳的に、物語全体から受ける印象を「感じ取った」ようです。
面白いものだと感じました。
いや、べつになんということもないのですが……。
え? 今日の記事のテーマはなに?
えーと。
………………
………………
そうそう!
大学の売店には、なんとそこでしか買えない限定商品があるのです。
ご覧下さい。

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