ホロコープ・チャートを覗いていると、そんなものを目の前に突きつけられることがあります(だから、やめられないんですよね)。
先日、ある男女のチャートを比較し、相性というのか、縁を解読したことがあります。
女性側から「将来の配偶者」を見る方法があります。
7ハウスの状況や太陽の状態がそれを示します。そこに結婚生活や相手の男性のおぼろげなイメージが漂っています。
男性側から「将来の配偶者」を見る方法は、7ハウスと月の状況です。
出生チャートの中に、すでに「配偶者」が存在しているわけです。
今回の人生で、「配偶者を得ず、独りで生きていく強さを身につけよう」「独り身だからこそやれることがある」などの理由で独身を貫こうというブルー・プリントを持たない限り、配偶者は出生チャートの中にすでに存在しています。
「独りで生きていくこと」を選択している人のチャートには、配偶者の存在がきわめて希薄であるか、結婚運が成立しにくいきわめて困難な状況などが示されているはずです。
が、いまだに絶対に独りで生きていこうとしている人だ、と断定できるほどの人間のチャートは解読したことがありません。
可能性ゼロというのはないのかも知れません。
普通の人の場合、出生チャートのなかにほぼ間違いなく「配偶者」が存在しています。
これは一種、奇妙なことに思えます。
たとえば生まれたばかりの子にも、配偶者は示されているのです。
まだ出会うのははるか先であろうに。
この感覚は、意識の中で時空を超えるような錯覚を生じることもあります。
未来のどこかの時点において、この子はきっと自分が約束した人と出会い、結ばれるだろう。
その男性はきっとこの星で示されるような人。
それは遅くとも30年後には実現する、とか……。
当たり前の話ですが、ほとんどの人が出会うべき人、結ばれるべき相手が誰なのか知りませんし、今まさに結婚しようとしていてさえ、その人だという確信は持てないままに結婚します。
運命的なものをいっさい信じない人は、これはこれで潔いもので、運命の人かどうかという問題よりも、ただ自分の意志によってその人を選びます。
このようなケースでは、占星術師の出番はありません。必要とされません。
中には非常に直感力に優れた人がいて、一目見て「あ、この人だ」と分かる場合もあるそうです。実際、こんな話はよく聞きます。
しかし、私も結構鈍感な人なので、妻と出会ったときにピンと来るものは何もありませんでした(笑)。
妻も同様だったそうです(爆)。
普通は分からない。
けれど、チャートはそれを異常なほど露骨に示してくれるケースがあります。
「長いお付き合いですか?」
「わかるんですか。10年付き合ってます」
「腐れ縁の星があります」
「そうなんですか?」
「あなたの配偶者を示す星は、主に三つあります。火星、土星、そして冥王星です。土星は彼の太陽と重なっています。普通は減点対象ですが、これがそれだけ強い縁を示すこともあります」
「彼は○○なんです(職業)」
「火星ですね。火星の範疇にその職業はあります」
「彼の配偶者は月で示されていますが、それは○○座にあります。あなたの太陽と重なっています」
「ほんとだ。すごぉい!」
「お互いに配偶者となるべき人間の条件を満たしています。運命の人ですね」
そして今、彼女には冥王星とつながっている強いソフトアスペクトが巡ってきていました。
上記のもの以外にも複合的な理由があり、私は2人を互いに結ばれるべき相手だと、ほぼ断定しました。
この「ほぼ断定」というのは、限りなく断定に近い結論です。
いかなる場合も100%というのはないと思っています。
しかし、時にこのような限りなく断定できる組み合わせに遭遇することがあります。
学生時代から隣にいた。
10年。
そんな2人。互いに持ち合わせた星は、パズルのピースとピースが完全に結合するようなものでした。
そんなふうに出逢い、結ばれる2人もいる。
「その人以外」はいなくて。
ただずっと一緒にいた。
結婚すれば無条件に幸せになれるわけでもない。
苦労もある。
そんなことも示されていました。
「こうもうまく出来過ぎていると、かえってケチをつけたくなるんですけど」
と、私は言った。「でも、ないんですよね。その人ではないという否定材料が」
2人のチャートは一つに溶け合うようなチャートでした。
どうか、幸せになって欲しい。
そう願ったzephyrでした。

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