太陽と土星の関係に見える親子 |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

ホロスコープ・チャートを作成してみると、自分の土星と子供の太陽が合になるようだ。
このブログで太陽と土星の合は「腐れ縁」などになりやすいとあったが、だいじょうぶだろうか?

というようなご質問があったので、この点について詳しく触れておこうかなと思いました。
土星は試練や逆境をもたらす星です。したがって、占星術の中でも長く凶星の代表のようにいわれていました。
冷却、抑圧、制限の星でもあります。
相互の太陽と土星がハードアスペクトの場合、土星側が太陽側にさまざまな迷惑、妨害などを持ち込む可能性があります。
宿業の星ですから、腐れ縁にもなりやすい。
もう顔を見たくもないのに、職場で絶対に顔を突き合わせなければならないとか、男女間でも冷め切っているのになぜか別れられない、というようなことが典型的な例として考えられます。

したがって相性を見るときに、太陽と土星のハードアスペクトの存在は大きな減点対象となります。
どっちかというと、ない方がよいのです。

しかし、アスペクトの中でも「合」=コンジャンクションには特別な意味があります。
それは関係性の一体化というものです。
完全な結合というか。

<中村勘太郎さんと前田愛さんに見る、特殊な相性>でも述べましたが、お2人のケースでは中村さんの太陽が前田さんの土星、中村さんの土星が前田さんの太陽と合になっているという、きわめて珍しい関係が確認できます。
お2人の結婚の状況を考えると、これはそれほどに強い「縁」を、それも宿縁と呼ぶべきほどのものを示すのだろう、と思えます。
これを持つ2人が必ずしも「不幸」になるわけではない。
私はそう思います。

というのは、私たち家族にもこれが確認できるからです。
私の土星は、水瓶座8度にあります。
妻の土星も同じ水瓶座6度。
そして長女の太陽は、水瓶座11度。
長男の太陽は水瓶座13度(彼は土星も水瓶座19度にある)。

私たち夫婦の土星は、子供たちの太陽に完全に合となっています。
しかし、仲が悪いわけではありません。
いまだに「ガンダム」とか「鋼の錬金術師」とか、一緒に見られる家族です。

私のチャートの中で、土星はどういう役割、性格を持っているかというと、それはなんと「子供」というのがあるのです。
私の子供運は土星だった。
それは水瓶座にある。
そして生まれてみれば、2人とも水瓶座の子だった。

すごい。できすぎだ。(=◇=;)
注・別に狙い打ったわけではありません。

この子供たちが揃いも揃って水瓶座に生まれたとき、私たち夫婦の土星と合になっていることを確認したとき、私はとまどいました。
当時は今ほど、占星術師としての経験や見識がなかったので。
これは大変な子供たちなんじゃないか?
いや、それよりも自分自身が子供たちに大変な迷惑をかけるんじゃないか?
というようなことを、ちらっと考えました。

しかし、私は基本的に自分の運命を信じている人です。
その上で、やれることをやればいい。
だから、子供たちの育児や教育にもできるだけかかわってきたつもりです。
下の子は、仕事がハードになりすぎて、放置した部分が大きいのですが。
しかし、愛情だけはなくさぬよう。

そうして生きてみれば、結果はついてくるもので、当然、親子関係が悪いわけでもなく、逆に縁の非常に強い親子となっています。
今後、心配しなければならないのは、親離れ子離れの問題です。
縁が強いだけに、子供たちがいかに巣立ってくれるか。
そこが心配です。

ところで。
親子関係の中に、私たちと同じように太陽・土星の関係を持つ場合は、ほかにも見られます。
単なるハードアスペクトの場合もありますし、合の場合もあります。
その出方は、チャート全体を解読しなければ何とも言えません。

親がその子の頭を押さえつけているだけの、抑圧者となっていることもあります。

しかし、太陽と土星にはもともと親子機能が備わっているのです。
よくよく考えれば。
太陽はその子です。
生まれたばかりの太陽。
この世に出てきて、よぉし、あれもやるぞこれもやるぞ、あれも欲しいしこれも欲しいと言っている子供です。

親はこの子にものの道理や、社会での義務といったことを教える立場にあります。
「それ、やっちゃいけません」とか「それは人のものでしょう」とか、「こんなときには礼儀正しくしなさい」とか「挨拶をしなさい」とか。
これらはすべて、元気はつらつ、全方位に光を放ちたい太陽クンにとっては「制限」となります。

その制限を機能として持たされている星は、占星術の中でもたった一つ。
土星クンなのです。

土星クンは車で言えば、制動装置のようなものです。
これがなくば、車は暴走します。
絶対に必要なもので、じつは「悪」ではないのです。

芸術家がイメージを形にしていくとき、いったいどの星がこの芸術家の脳の中で、そのイメージを形に変換する機能を発揮しているか。
これもまた土星クンです。
はっきりとした形に定着させる機能。
土星以外の星には、この機能はないか、弱いのです。

子供を育て、教える立場にあるのが親ですから、親は子供にとって「土星」であるのが当然なのです。
実際、土星には「父親」という意味があります。
この制限を加え、適度にコントロールするということを、その親がしなくなった場合、教えなくなった場合、子供のチャートの中での土星クンは機能不全、職務放棄となるわけで、子供にとって良いことには決してなりません。
土星はその星の持つ、さまざまな凶星的な作用を引き起こし、どこかでバランスを取ろうとします。
しかし、そのプロセスは非常に苦しいものとなるでしょう。


太陽の子、土星の親の場合、親はその子に対して「型にはめよう」とすることを、熱心に行うかも知れません。
これが過剰になりすぎないように気をつけなければなりません。
もし土星の子、太陽が親なら、この子は親の手を煩わせるかも知れません。
しかし、それが親としての成長をもたらすでしょう。

まあ、このような感じですね。
しかし、これもざっくりとした見方です。
チャートを個別に判定しないと、親子関係の真実は見えてきません。

土星が太陽と重なっていたとしても、「生き方」でその中身は大きく変わってきます。

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アオコさん。
そうですかぁ。そんな夫婦がいらっしゃるんですね。
ちょっと前に占った女性は、1ハウスに水星があり、活発でした。こりゃ、もうおしゃべりですよね。
水星・木星タイプの人というのは「際限ないおしゃべり」というのがあるのですが、水星と木星の位置によって、その発露や動機が変わってきます。
1ハウスに水星があれば、これはもう「喋ること」が人生みたいなものですから(かなり乱暴な、ざっくりした見方です)、目的の有無にかかわらず(つまり話すテーマがあるかどうか)、とにかく喋ること自体が目的になります。
そんな奥さんなのかも知れませんね。