その人を照らす光の集合図 |  ZEPHYR

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そりゃ、西洋占星術でしょう。自分が専門としている占いですから。
ところで、よく誤解されるのは、いわゆる12星座占いと西洋占星術が同じものだというものです。
これは間違いです。
正確に表記すると、西洋占星術のほんのわずかな部分が12星座占い、ということになります。

どういうことかと言うと、12星座占いは何月何日から何月何日までが○○座というふうになっているのですが、これは太陽が位置している星座だけを取り上げているからです。太陽は毎年、同じ日にだいたい空の同じ場所に戻ってきます(それでも1度くらいの誤差はある)。だから、日付で星座を切ることができます。
しかし、動きの非常に早い月や、他の金星、火星、動きのやや遅い木星、土星、かなり遅いそれ以遠の星々は、地球との相対関係の中で、そんな正確な動きを決して示しません。
12星座のどこにどの星が位置し、どのような関係性を持っているのかをすべて網羅したのが、西洋占星術です。双子でもないかぎり、同じホロスコープというのはそうそうありません。
あったとしても家族関係などは異なっていますから、そこから人生のプロセスは大きく変わっていきます。

12星座占いは、あまり当たりません。
これは当然のことで、太陽以外の要素を排除した簡略版ですから、非常におおざっぱです。
TVで朝やっている毎日の占いでも、あまり当たらないことが多いと思います(当たる人もいますが)。

これにはいろいろな理由があります。
まず第一に、星座は一つずつが30度あります。その星座のど真ん中の日に生まれた人は、その星座の15度付近に太陽があることになります。
しかし、出生太陽もずっと同じ場所にいるわけではないのです。
15年も経過すれば、次の星座に移ってしまいます。
そうすると、たとえば家庭的で内向的だった蟹座生まれの人が、思春期になると自我に目覚め、家庭など顧みない我が儘で反抗的な行動を取るといったことも起きてきます。これは太陽が、エゴを強化する獅子座に入るためです。
もともとの性格が消えて入れ替わってしまうわけでなく、パソコンのソフトウェアがアップデートされるようなものです。下地の上に、上塗りされていくのです。
しかし、この上塗りが結構強力に出ている人も多いのです。

また幼児期には、太陽よりも月の方が性格面で強く顕れているものです。
たとえば私は射手座の太陽、天秤座の月という配合なのですが、射手座の性格だけなら自由奔放、寛大、ずぼら、本能と深い精神性を備えたキャラクターになるはずですが、子供の頃の私と来たら、こんな要素はほとんどありませんでした。
兄がいたのですが、その機嫌や顔色ばかりを窺っていた記憶が強く残っています。これは対人関係を強く性格に反映させる天秤座の効果で、だからこそ天秤座は八方美人とか、バランスを好み争いを避けるなどと言われているのですが、そこのところが強く出ていたわけです。

つまり、子供の頃は太陽より月の性格が強く出て、太陽と月の星座が同じでないかぎり、12星座占いはあまり当たっていない可能性が高いし、ある程度、年齢が高くなってくると、今度は太陽が次の星座に移っている可能性も出てくる、と。
こうなると、12星座占いが当たる確率の方が低くなってきます。

もちろん、太陽星座は基本ですから、その影響は人生全般に及びます。しかし、それは全般に拡散したものだと考えた方が良く、単純に性格を決めつける手だてとしたり、毎日の運気の良し悪しを量る目安にしたりというのは、やはりもともと無理があるのです。

また恋愛行動においては、人は太陽星座とは異なるキャラになることがあります。
たとえば天秤座生まれの人は、八方美人で人当たりがよいのが特徴で、争いごとを好まない。エレメントは基本「風の星座」なので、さらっとしていてネチネチしていないのが普通です。
ところが、この天秤座生まれの人でも、金星が蠍座に入っている女性はかなり多いのです。西洋占星術のホロスコープというのは、地球から見た宇宙の図ですから、太陽と近い位置にある金星や水星は、わりと太陽のそばにあるものです。すると天秤座の隣り合わせの蠍座に金星が入っているということも、かなりの確率である。
そうすると、どうなるか?
金星は女性の場合、自分の愛情衝動や行動のパターンを表示しますが、まさに「蠍座の女」みたいな、執念深くて嫉妬深い、裏切りを許さない、独占欲の強い女性の一面が出てくるようになるのです。

男性の場合は、これを火星で見ます。積極果敢な牡羊座太陽でも、火星や月が内向的な蟹座などに入っていると、雄としての行動が弱まったりするものです。その分、家庭的とも言えますが。

人は恋愛行動における自分を、自分の性格だと錯覚していることが多いものです。
しかし、それもまた一面でしかありません。

このように厳密な意味での西洋占星術は、きわめて多面的多角的な方向からその人へのアプローチを可能にします。
万能とまでは言えません。当然です。
しかし、少なくともその人個人の性格や運気に、かなりのところまで迫ることができるようです。
1人の人間のホロスコープの中には、万華鏡を覗くようなミラクルな世界や可能性が広がって見えます。
宇宙から集められた光が、その人の鏡のようになっているのを感じます。

私がもっとも信頼を置くのは、もちろん西洋占星術です。
(が、個別の問題ではタロットカードなどの方が、明瞭な指針を与えてくれます。占いにはそれぞれ一長一短があるものです)

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