2009年後半期のアメリカ合衆国 |  ZEPHYR

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さて、夏以降のアメリカの運気です。

前回と同じようにアセンダントのサビアンシンボルから見ていきましょう。
「復活祭のパレード」です。
これは多くの人が抑圧された生活の中で眠らせてきたもの、押さえ込んでいたものを解放し、大集団と化してお祭り騒ぎ的な興奮に誘われていくような状況を暗示しています。
単純に考えると、オバマ大統領のカリスマ的な指導力や演説の元、民衆が熱狂するような光景が浮かんできます。1ハウスには、「CHANGE」のキイワード通り、変革の星、天王星が入っているのが驚くべき符合です。
今年の後半期に入ると、米国民は「変革」を実感したり、また実行しようとします。これは間違いないと思われます。
ただし、この動きにはかならず反対勢力がいて、圧力や障害をもたらすと考えられます。対向するサインに土星がいて、アセンダントと厳しい対立を見せているからです。
国家としてみたとき、米国に対して非常に厳しいものをもたらす別な国の存在を想定できます。
これは状況的にも、運気的にも中東諸国のどれか(あるいは複数)という見方ができます。なぜなら、土星の座す乙女座は、中東諸国を指すという説があるからです。
ただし後半期のホロスコープの中では、土星と天王星はハードアスペクトを形成していません(注・後半期に形成する時期はありますが、後半期を読む基本となるホロスコープの中にはない)。
これは何を意味するのか?
戦争の予感もしますが、こういうことも考えられます。アメリカがオバマ指導の元、本格的に石油依存型の経済や社会システムから脱していこうとする、その端緒となる時期なのではないか、ということです。
産油国である中東にとっては、死活問題です。
ここにバイオエタノールの問題が、いくらか絡んでくる可能性も高いように思われます。

この後半期、米国民は「CHANGE」を体感しようとします。こういう流れからすると、オバマ大統領は暗殺の危険も回避しつつ、この時期になると大きな指導力を発揮していると考えられます。
では、経済や金融はどうなのか?
まだ金星と土星は厳しいハードアスペクトで、厳しい状態であることを物語っています。
またこの金星は火星と共に、3ハウスにありますので、教育現場や情報通信、交通機関などに問題や障害が発生することも考えられます。

空の頂上、MCのサビアンシンボルは「移民の集団」です。
移民の集団で作られた国家、アメリカ。そのMCから始まる10ハウスには冥王星があります。
きわめて単純に読み解きますが、米国はここで国家として、内的な解体と再生を迎えます。「移民の集団」のサビアンは、新しい環境に進んで入っていき、そこで新しい生を体感しようとする民族の象徴です。
このサビアンがうまく機能すれば、アメリカは2009年夏以降に、国民の力を湧き上がるようなエネルギーに変えることができるはずです。
これは、かなり期待できます。

ただ。

一点、どうしても気になることがあります。それはこのMCが、エリス、ペルセポネー、パラスなどとグランドトリンを構成していることです。
グランドトリンは幸運角である120度が三つ組み合わさって、正三角形を形作る配置です。占星術上、もっとも幸運な配置と言われます。
復讐の女神、エリス。冥府の王妃、ペルセポネー(その候補とされているだけですが)。戦いの女神、パラス(ギリシア神話のアテナ)。これらとMCが仲良くなっているというのが、どうも気に入らないというのか、読み過ぎなのかも知れませんが、軍需産業や人の死に関わってなにかの利益を得るという出来事が、背景にあるようにも思えるのです。
場合によっては、この頃の国民の熱狂が、テロリスト殲滅線の大勝利であったり、テロリスト首魁の抹殺であったりする可能性もなくはないような……。

もう一つ、非常に気になるポイント。
12ハウスに、木星・キロン・海王星の合があります。これはパラスと誤差のほとんどない対向に位置しています。
ハウスの象意からすると、中心に医術の神キロンが位置することから、これはもしかすると疫病に関わる暗示かも知れないとも読み解けます。エイズ、あるいは新型のインフルエンザに関する暗示かも知れません。
パラスは健康や医療に関わる6ハウスに位置しているので、これはかなり明瞭な出方と言えます。
少なくとも米国で人の健康・医療に関わる重大な出来事、変化が生じる可能性があります。

じつは鳥インフルエンザの一種と考えられ、かつて大被害を出したスペイン風邪が流行した1918~19年、現在と同じ土星・天王星のハードアスペクトが発生していた時期があったといったら、寒気がしてしまうでしょうか? それもハードアスペクトといってもいろいろありますが、まったく同じ180度の対向型のハードアスペクトが。
もちろん、それのみが原因とは考えられません。スペイン風邪流行の前夜、土星は海王星と合になっていました。これがもっとも大きな原因だと思います。
しかし、現状も予断は許さない状況と言えそうです(と言いながら、予断しているのが、この占星術予測ですが。自己矛盾ですね)(苦笑)。

私は霊能力者でも予知夢予言者でもないので、この辺の実現性については声高に言及するつもりはありません。
が、2009年に限っては、アメリカに疫病が流行しそうな配置があります。
テロなどが原因ではないと思います。
テロなら、冥王星がもっと深く関与していてもいいと思えるからです。
しかし、もしアメリカでなんらかのインフルエンザなどの流行が兆しが見えたとき、日本でも即座に対応すべきと考えます。また皆様には、日常的に手洗いやうがいなど、今年は強くお勧めしておきます。

もう一つ。この時期のアメリカに関して、強く言及できることがあります。
それは女性、主婦のパワーです。
これが大きな力を発揮します(クリントン?)。
同時に子供の問題が大きく取り上げられます。これが疫病と結びつかなければいいと願います。

しかし、ともかく、この時期の合衆国は注視しているべきと思います。
そこで起きること、それは日本にすぐに転写されます。
いうまでもないことです。でも、それ以上に、アメリカにとっての同盟国を意味する7ハウス、そこに土星が位置するからです。
つまりアメリカ中心に見たとき、アメリカは軍需景気などもあり、もしかすると今年から来年にかけて、景気が回復傾向に向かう(そのために戦争を仕掛ける、なんとことは考えたくもありませんが)。しかし、同盟国であるイギリスや日本、これらの回復は遅滞する(土星)ということが考えられます。

だからこそ、私たちは賢くあらねば。
そして、私たちの愛する者を守らなければ。

人の心に愛が、世界に調和が満たされますように。