冥王星への対処法 |  ZEPHYR

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ちっとも大晦日という気分がしないzephyrです。
なので、日常的に記事を書きます。

みほさんのコメントにお答えする形で。
前記事は、「15年間ずっと山羊座が運が悪い」というような書き方はしていないと思うのですが、感じやすい方の中には「これから何があるんだろう」というふうに不安に思われるむきあろうかと思われますので、山羊座に冥王星が入ることの意味について、もう少し詳しく触れておこうと思います。

まず安心して頂くために、結論から申しますと、冥王星が山羊座にいる間の15年、山羊座の人の運勢がずっと悪いなどということはありません。
もし強く影響を受ける人がいたとしても、それは出生太陽に重なる3~4年のことになるし、現実的にさらにその中に1~2年が厳しい年になるだろうということです。
またその1~2年の年回りのすべてが悪い、などということもありません。たとえば冥王星の影響を受けて、私のように一度職を変わるというようなことをしても、それによって苦しいのは転職直前とその後しばらくのはずです(新しい仕事に慣れるまで)。

以下、冥王星が特定の星座に存在する意味と、最後にとっておきの対処法を書くことにします。
まず、認識しておいて欲しいのは、冥王星は1930年に発見されて以来、すでに蟹座、獅子座、乙女座、天秤座、蠍座、射手座をすでに通過してきているという事実です。
では、その頃にそれぞれの星座生まれの人が全員、冥王星のおかげで死ぬような目にあったのか? というと、そんな問いかけ自体ナンセンスです。
ただ、冥王星が通過してきた星座の持つ意味が、世代的な意味合いで変容を遂げてきたことは、客観的な見方としてあるだろうと思います。

蟹座通過時、「家庭」というものが変容を遂げました。大家族から核家族への変化も関係していると思われます。
獅子座通過時、個人のエゴが肥大し、「個人主義」が蔓延、また逆に個を無視した国家権力が異常に高揚したり。結果的に個人対国家権力という構図が出現します(団塊の世代もこれに該当)。
乙女座通過時には、世に言う純潔性が崩壊します。批判精神が異常に強まり、人々は過酷な労働環境の中に身を投じます。
天秤座通過時には、パワーバランスの中で極端なゲームが演じられます。調和というものが打ち壊され、対人関係も際どいものへと変わっていきます。また「結婚」の意味や形態そのものが変容し始めます。
蠍座通過時には、かつてなく人は「死」を意識します(前世紀末)。絶滅とか絶対とか、完全な無か、唯一のものへと回帰しようとする衝動が起きます。
射手座通過時には、宗教や哲学といった人間の精神面での変容が促されます。射手座が持つ自由というシンボルはかつてなく強調され、宗教が背景に絡んだ争いごと(○○教+軍事行動)といった構図が浮かび上がってきます。

ざっと書いてみても、過去の地球の歴史のある部分を反映していることはおわかり頂けるでしょう。
これらのそれぞれの時代に、冥王星の種が植え付けられ、そしてその時代に生まれた子供たちが成長するにしたがって、社会の中にそれらの運気が「形」となって持ち込まれていくのです。

動きの速い金星とか火星の効果は、すみやかに世の中に発現されます。
たとえば、金星が蠍座にあるときには独占欲の強い愛とか、そういう効果が世間的に発揮されておかしくないのですが、金星を蠍座に持つ人間は、非常に数多く存在します。金星の動きは速いので一年間に平均ひと月分、世の中の十二分の一はこれに該当するはずなのです。
つまり、金星+蠍座というコンビネーション効果を受け取る人間が、ごく普通に存在しているということなのです。
しかし、トランスサタニアン(土星外天体)のように太陽系の外側にあり、一つの星座を移動するのに時間がかかる星の効果は、それを受け取る人間も非常に少ないか、存在しないということも、現にあるのです。
現に冥王星が山羊座にある人間は、これまでこの地球上に存在しませんでした。
これは今年の11月27日の午前11時4分以降(日本時間)に生まれた子供によって、ようやく地上へ持ち込まれてきました。
そしてその子供たちが、15才になる頃には、冥王星は山羊座を出てしまいます。そして生きている間に、再び冥王星が山羊座に戻ってくることは、まずないのです(未来において、不老不死的な技術が開発されれば別ですが)。

金星や火星の影響が日常的で、トランスサタニアンの影響は非日常的なエリアが主体であるということは、こういったことからも理解してもらえると思います。
こういった星ですから、たとえば自分の出生太陽の上に冥王星が重なるということが起きても、もともと冥王星的な素養がない人には、あまり大きな変容を呼び込まないことさえ考えられます。

たとえば山羊座の始まる日は、普通12月21日か22日のどちらかなのですが(年によって、多少の誤差があるため)、このあたりの誕生日の方は太陽が山羊座の0度に近いところにあり、早速今、山羊座に入った冥王星の影響を受けているはずです。
しかし、この中で冥王星の影響をもろに受ける人間は、半数以下、三分の一くらいなのではないかと推測しています。
というのは、出生ホロスコープがすべての鍵を握っているからです。
出生ホロスコープの中で、冥王星が重要な働きをすることが示されている人間、これは影響を強く受けます。しかし、そうでない人もいるからです。

ご自分の誕生日から、12月21日を差し引けば、自分の出生太陽が山羊座の何度付近にあるか、分かります。1月2日生まれなら、12度くらいかな? ということになります。誤差はありますが。
今はネットで簡単にフリーの占星術ソフトがダウンロードできたりしますし、そういうので自分のホロスコープを作ったら、より正確な太陽の位置が割り出せます。そしてそのソフトで、冥王星が今どのあたりにあるか、チェックなさるといいでしょう。そして自分の太陽に重なってきたら要注意です(だいたい前後1~2度)。

しかし、そのようなことをしなくても、冥王星がその人に強い影響を持ち、なおかつ悪い働きをしそうな人については、ホロスコープなどを割り出さなくても、見分ける良い手段があります。
それは、その人がどれほど「恨みつらみ、嫉妬、疎外から来る憎しみ、強圧的で独裁的」といった要素を持ち合わせているか、そのような感情を日常的にため込んでいるかということに関わっています。
それらは復讐の神である冥王星の持ち合わせている要素です。
もしそんな感情をため込んでいたら、太陽の上に冥王星が来たときに起こることは、かなり激烈なものになる可能性があります。
そこに共振(シンパシィ)が起きるからです。
冥王星は自分のダークサイドを注ぎ込める人間を見つけたことになります。

だから、前記事でそのようなものを心から追い払って下さい、大掃除して下さいと申し上げたわけです。

もちろん、冥王星を創造的な力として自分の人生に導入している人もいます。
この場合は、冥王星はその人に力を貸してくれることも考えられます。
私の場合も、その傾向はあったでしょう。
しかし、やはりダークサイドを持たないことが条件というのか、その方が安全です。

だから、心に愛を。
それがすべてなのです。