帰宅途中に、こんな雲を夕景の中に発見しました。

見た記憶がほとんどない形状の雲で、東西に延びていました(少し南西、北東軸に傾いているか?)。
地震雲でないことを祈ります。
今日の講義ですが。
前回が江戸時代の文学と文化だったのに対し、今日は明治期の文学について、私見を述べさせて頂きました。まだ半分程度と言ったところですが。
私の文学史観というのは、かなり特殊なものだと思います。それに基づいて書かれた「デウス・エクス・マキーナ」も異端文学論と言えるかも知れません。いや、それ以外の何者でもないかも。
後期の講義も折り返し地点を過ぎ、これらからが「デウス・エクス・マキーナ」論の本論に入っていくところです。まあ、良いペースかな?
講義を終えて、ちょっと大学のコンピュータを借りて、このところ増加していた読者登録して頂いていた方々に、ご挨拶を。
なにせ、我が家はダイヤルアップ通信しかできない田舎なので、人様のブログを次々と開けていたら、大変な時間がかかってしまいます(写真が多かったりするともう、本当にのろいです)。
ですから記事などを読ませて頂くのも、多くは携帯に頼っています。
あしからずご了承下さい。
以前耳にした話では、なんでもブログという形態のサイトが最も多いのが、日本だとか。
圧倒的に多いらしいですね。
それだけ日本人は日記好きなんだろうというのは、単純な発想で、ブログは自己発信して他人に読んでもらうものですから、そこに当然、外界とのつながりを求めていることになります。
ただ書くだけで満足できるのなら、ネット上に掲載する必要などなく、ワードか何かで思ったことを書いて、ハードディスクに保存しておけばそれでことが足るわけです。
これは現代の日本人が、それだけ人間関係が希薄で空疎になっていることの裏返しなのかも知れません。
秋葉原の無差別殺傷事件や、今回の元厚生次官宅連続殺傷事件を見ても感じることです。
犯人、または容疑者は、人間関係が極端に空疎です。
現実の人間関係が、です。
結びきれない絆のために、逆ギレした行動を起こしています。
「デウス・エクス・マキーナ」にも書いてあるのですが、世界の神話の中にはこれらに相当する神々が登場しています。たとえばギリシア神話では、エリスという復讐の女神が一人だけ宴席に招かれず、悪意を込めた林檎を神々の集ったところへ投げ込みます。
「もっとも美しい女神へ」
と書いた林檎です。この林檎を奪い合ったのが、ゼウスの妻ヘーラー、愛と美の女神アフロディーテ、ゼウスの娘アテナです。
この争いが、とってもくだらないことなのですが、やがてはトロイの大戦争につながっていくのです(神話上は)。
北欧神話にもロキというずるがしこい神がいて、バルデルという何者にも傷つけられない神に向かって行った遊興(バルデルに向かってものを投げつけるというゲーム。いじめっぽいが、いじめではない。バルデルはこの世に存在するあらゆるものに傷つけられないから)に、自分だけ参加できないまま疎外感を抱いていたこのロキが、唯一バルデルを害することのできるものを見つけ出し、それを他の神にバルデルに向かって投げつけさせ、殺害させるという物語が描かれています。
疎外されたものが、世を乱す元凶となる。
これは集合無意識が作り出した神話の物語の頃から、人類にはっきり認識されていた出来事なのでしょう。
これはつまり、他人に対して手をさしのべない現代日本の歪みが背景にあるとも言い得るのでしょう。
そして、人間関係のもっとも基本になるべき家族関係。
そこにさえ絆を実感できないからこそ、なのではないでしょうか。
疎外、そして無関心。
これらがもっとも社会を悪くさせる要因なのかも知れません。
私は、少なくとも妻や子供たちとの関係は密なものです。
たぶん、妻は自分でブログなどしようという発想はまったくないでしょう。現実にある私たちの関係だけで充足できるからです。
もしすべての家族関係が良好になれば、もしかすると日本のブログは半減するかも知れません。
もっともそれだけではない理由でブログを書いていらっしゃる方々も多いでしょう。
内なる衝動があり、それを自己表現したい。
これもまた立派な動機です。
私にしてみても、まずはZEPHYRという組織のためにこのブログを運営しているというのはありますが、他にも占星術で関わりのできた人達にメッセージを送りたいとか、また様々な予測記事やフォーチュン・テリング記事を生活に役立ててもらいたいとか、いくつもにも絡み合った動機があります。
それにいろんな見も知らぬ人達の人生をかいま見たり、また交流が生じたりと、ブログなんていうのもまんざら悪くはないな、と思ったりもします。
しかし、やはり現実にそばにいる人。
それが私にとってももっとも大事な人間関係で、何より大切にしたいものです。
隣にいる人に伝えましょう。
愛していると。
大事に思っていると。
必要なんだと。
百の言葉で、千の表情で。
大変な時代だからこそ。