真の救済を |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
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 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

薬害肝炎訴訟の和解協議をめぐって、福田総理は患者全員の一律救済の議員立法を目指すと決定した。
被害にあわれた方々には、なによりのクリスマス・プレゼントになったろう。
もっともそれは本当はプレゼントなどというものではない。国が本来とるべき責任を、ようやくとろうとしはじめたというに過ぎない。
しかし、国との訴訟で心身共に疲れ果てるほど苦闘されてきた方々には、喜ばしい報せには違いないと思う。
私は来年の日本の運気から政変か、それに近いことが起きることを予測し、逆算的に年金問題や薬害問題を政府が十分に解決できないのではないかと読んでいたが、少なくともこの薬害問題では国民感情、被害者の方々の気持ちを重視したというところか。

正直、ほっとしている。
じつはこの薬害C型肝炎、他人事ではないかも知れないのだ。
問題の「フィブリノゲン」、1970年~90年代に使用されている。
私の妻が二人の子を出産したのは、90年と93年。
女性はこの出産時に投与されている例が非常に多く、しかもC型肝炎は発症することなく何年も潜伏することも多いという。
全員一律救済を渋り続けた政府の不安も、どれだけ補償対象となる患者が潜在しているか分からないからだ。
家内も、もしかしたらその一人かも知れない。

発症すれば、C型肝炎は肝硬変、肝癌へと進行していく。
手だては早期の治療。進行を遅らせる措置だけだ。
人生は大きく狂わされる。
自らのせいでなく身体が日々蝕まれ、死に至る経験をする人の思いやいかに。

政府の一律救済が、口先だけでない、真の意味での責任をとるものであってほしい。
さもないと、本当に来年、自民党政権は倒れるかも知れない。