女性の幸せってなんだ? |  ZEPHYR

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― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

幸せとはなんだろうか。
恋に悩むある女性から、そんなメールを頂きました。

その女性は、昔、熱烈に愛した男性がいました。
そして今、その男性は別な女性と結婚しています。
彼女の身辺には、お付き合いならできる男性はいます。しかし、彼女が求めるようなはっきりとしたお付き合いではなく、遊びの延長のような形でのお付き合い。
過去の男性は身勝手にも、まだ未練があるように彼女に伝えてきます。

本当は、彼女は一人の男性と熱烈に愛し合い、結ばれて暮らせれば、きっとそれで良いのです。それで幸せなのです。
しかし、そばにいる男性はそれを与えてくれそうもない。
過去の男性はすでに、それができる立場にもない。
彼女は言います。
本当に好きなら、振り向いてくれなくても、相手が身勝手でも、想うだけで幸せなら、それでもいいのかもしれない。欲があるから幸せになりたいなんて思うんだろううか?

幸せの感じ方というものは、個人によって異なります。
Aさんにとっての幸せが、Bさんにとって幸せとは限りません。

たとえばサービス業に従事している人には、お客様にサービスを行い、満足して帰って頂くことが、自分自身の喜びになる人もいます。しかし、他人にサービスを行うことなど苦痛以外の何者でもない人もいます。
世間一般的に言う、男女関係に絞った幸せ、それも女性の立場での幸せというのは、「愛し合う男性と結婚し、平穏に暮らしていくこと」といったところでしょうか。
平穏にという言葉の中には、逆に刺激が乏しいから嫌だと感じる人もいらっしゃると思います。しかし、日本人は全般に事なかれ主義的な平和を愛好するようです。
平穏というのはつまり、不幸と感じる出来事が起きないことを意味するとお考え下さい。
結婚しても夫が浮気をしたり、子供の身になにか良くないことが起きたり、自身も含め、家族が事故に遭う、病気になる、犯罪の被害者になるといった負の事件が発生しないようにという、そんな願いかも知れません。
私は占星術師として多くの女性に接してきました。その人の運気に問題があれば、「このようなことが予測されます、したがってこういうふうに注意してください」とアドバイスを行います。
そうした「負の要素」を知らされたとき、やはり人間は嫌なものなのです。そういうことは起きて欲しくないとお考えになるようです(当然ですが)。
そして、そうした「負の要素」が起きてくることを不幸とお感じになるようです。

つまり裏返せば、負の要素が実現しない人生が、「幸せな人生」なのです。

ただこれは世間一般的に広がっている認識にすぎません。
個人にとっては異なる場合もあるでしょうし、よくよく考えればこれは非常に画一的な人生です。みんな同じ一つ大学に行かなければ不幸と考えるのと同じようなものです。
上記のような幸せの定義を唯一の価値観とし、それで人生を計っていくと、人は往々にして迷路に迷い込みます。
なぜなら、なかなかそうなれない人もいるからです。

これという愛する男性と巡り会えないとか、好きになる男性は皆、既婚者ばかりとか、世間的に言えば「ろくでもない」男性ばかりだとか、ただただご縁がなくて過ごしてしまったとか、家庭の事情で呪縛され、想う男性といっしょになれないとか、事情はさまざまあります。
そうした女性たちは、一般的な幸せから遠ざけられ、置き去りにされているように感じるものです。
そして自分も幸せになりたいとあがき、何とか状況を変えようとします。
ある人は、あきらめ、一人で生きた方がいいと達観される場合もあります。

もともと上記のような定義を幸せとは感じない人、他にもっと多様な価値観や生きがいがあり、そこに人生の醍醐味、面白み、ひいては幸せを感じる人、こういった方はそれはそれで良いのであって、今ここで書いているようなことは無意味でしょう。
私も個人的には、もっとそういう女性の比率が増えて良いと感じます。

しかし、「愛」こそが重要、それも男性との愛こそが重要と感じる女性もまた、やはり非常に多くいらっしゃるのも事実。
そしてその中には、なかなか幸せになれないと感じている方が大勢いらっしゃるのも事実。

私にメールを送ってきた彼女が、「欲があるから幸せになりたいなんて思うんだろうか?」というのは、「ちゃんと幸せになりたい」からです。
二号でもいいとか、想うだけでも、ろくに愛されなくても良いとか、そういうことではなく、ちゃんと愛され、ちゃんと幸せになりたい。
普通の人間なら、誰だってそう思うはず。

それは人として、自分の存在価値や愛の対象としての価値を、そばにいる男性に認めてもらいたいからです。

そんな女性たちに、私から贈れる言葉があるとすれば、以下のようなものです。

もっともっと自分自身を好きになりなさい。
もっともっと自分を輝かしなさい。
もっともっと自分自身を愛しなさい。


そうすればきっと、あなたが自分を愛するだけ、あなたのことを愛してくれる男性が現れます。