悲しみや苦しみの中にあるとき、真にその人を慰める言葉などない。
悲しみや苦しみを生み出す元となった出来事、そのことになんらかの意味づけをするのも、しないのも、その人自身の作業だ。
ほかの人間がなすべき作業ではない。
なぜなら体験は、その人個人のものだからだ。
我々にできるのは、望まれたときに必要とされるものを携えること。
真に慰めることができなくても、それは言葉かもしれない。
抱擁かもしれない。
ただ黙って寄り添うことかもしれない。
何も望まれないかもしれない。
しかし、ただそれを携えることだけが、我々にできること。
それは思いを携えること。
あなたは独りではないと伝えること。