第一章を書き始めて |  ZEPHYR

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ゼファー 
― the field for the study of astrology and original novels ―
 作家として
 占星術研究家として
 家族を持つ一人の男として
 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

ようやくという感じで、「リメンバー」の第一章がスタートした。

このところ小説以外のことで時間を取られることが多く、書き出しがうまくいかなかった。

プロローグはすでにあがっていたのだが、プロローグにしても第一章にしても、とにかく物語の始まりは重要。作者がもっとも気を遣うところの一つである。

ここがつまらないと、読者はついてきてくれない。


ようやく納得のいくスタートが切れたかな? という感じ。

もっともこれは共作者であるくゆるの感想も聞かねばならない。


制作中はだいたい作者は自分の作品を正確に評価する能力が低下していることが多い。

読者の視点も持ちながら執筆しないと、小説というのは独りよがりになりがちで、これは絶対の必要条件ではないが、客観性の保持は重要。

必要条件ではないというのは、たとえのめり込んで独りよがりに書いても、それがうまくいく場合もあるからだ。ただ、それは推理小説では難しい。推理は自分自身が常に読者と作者の間を行ったり来たりしないと伏線の張り一つ、人物の描写一つ、最終的な論理的解明はもちろん、何もかもがうまくいかなくなってしまう。


あることを書いたとき、読者がそれを読んでどう感じるか、何を思うかということが、書きながらわかっていないといけないわけだ。


純文学や私小説的なものには、主観や感性に重点を置いての創作ができるものがあると思うが、そうは問屋が卸さないのが推理小説である。


しかし、作者も執筆中にはのめり込みが生じているので、内容や表現の評価が正確にできなかったりする。これを補ってくれるのが、わが「ZEPHYR」のシステムの効用であるのだ。

くゆるは評価者としては抜群の目を持っている。

これが常にフィードバックされるのが、我らの強みでもある。


ところで喜多から、おまえは最近くゆるばかりご贔屓にしているじゃないかと半分冗談のご指摘があった。

むろん互いに分かり合った上でのご指摘だ。


私は今くゆると共同執筆を進めているので、当然、彼女とのやりとりが重要になってくる。

喜多や薫葉といっしょにやるときには、彼らが「ご贔屓」になるのも分かり切った上での話。


後の方々は、まあ、今は指をくわえてみてくださいって感じ。

ご活躍していただくときはいやでも来ますから。