今回はお腹のチャプチャプ音という話題なのですが、自身の身体のアチコチをひらすら観察していると、どうもお腹がジャブジャブ、チャプチャプ鳴るような状態であることに気が付きました。

 

腹痛現象の探求(笑)のために下腹部をグイグイ押したりしていると、確かに大腰筋とか腸腰筋が張っている感じがするものの、それとは別に、胃部だか腸だかがひどくチャプチャプ音がすることに気が付きました。

これは東洋医学や漢方の世界では「水毒」というらしく、胃や腸の水分吸収が滞っていて水が余計に溜まっている状態なのだそうです。

水毒状態というのは、胃腸が弱って冷え性になるのだとか。

 

自身は渇きからくる冷え性対策のために水を多めに飲むようにしているのですが、確かに飲んでもうまく吸収・排泄できていないような感じもします。

そもそも発症の以前は全く水を飲まないでも平気、というか、水を飲みたくないような体質だったのですが、今にして思えば、おそらくこれは水をうまく吸収・排泄できないことからくる膨満感が背景にあったように思われ、この時点で胃腸の働きが悪く冷え性状態だったのだと思われます。

 

もっとも、整体の世界では「水を飲むから冷える」とは考えないようで、体が冷えると体がねじれてきて、腎臓や胃腸の活動が低下し、水分の吸収・排泄という意味での腎機能が悪くなり、水が余ってチャプチャプ音がするという解説もありました。

(あとは元々ねじれ気質のある体癖だとそういう不調になりやすいということもありそう)

 

このほかにも、自律神経失調症になると腸の働きが悪くなってチャプチャプ音がするようになるという解説もあります。

自律神経失調という点では、心理的ストレスやPC作業による目からくる疲労が頭の緊張を招き、それが胃腸の機能低下を招くということもありうるように思います。

心理的ストレスで下痢になることは決して珍しくないので、頭と腸は深く関連しているのですね。

 

総じて、冷えがあり、胃腸の活動が停滞している、自律神経失調状態で、水がうまく吸収できない、ということなのですが、水分代謝機能という意味での腎が弱っているというのは、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎、あるいは過敏性腸症候群に多く見られる現象ではなかろうかと思います。

 

漢方ではこのチャプチャプ音がするような水毒状態には茯苓が効果的という指摘もあって、これは慢性前立腺炎で桂枝茯苓丸が一定の効果がある、という指摘にも通じるように思いました。

だいぶ以前の記事でも慢性前立腺炎の睾丸痛には桂枝茯苓丸が効果的であるという論文を紹介していますが、桂枝茯苓丸は自律神経を整える効果もあるようで、そうなると睾丸痛も自律神経失調症と関連が深いとも言えそうです。

最近では睾丸痛も炎症というより内臓感覚というべきか、神経過敏との関連が深そうにも思っているのですが、慢性前立腺炎には(桂枝というより)茯苓が効果を発揮しているのかもしれません。

 

なお、茯苓という点では水毒状態に処方される六君子湯も茯苓を含んでいるので、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎に効果があるのかもしれません。

 

ただし、漢方もれっきとした薬なので専門家に診てもらうべきと思いますし、処方は脈や腹診、その他の証をみて実施されるので、安易にホイホイ服用するのはよろしくない、というのが前提です。

また、では治療は漢方薬などで全部間に合うのかというとこれも定かではなく、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎といった慢性症状はおそらく自身の生活習慣、環境、体の使い方、精神状態などからきていると思うので、この薬さえ飲めば治る、という考えは安易にすぎるかもしれません。

 

 

素人考えですが、神経過敏の改善にはおそらく血流の改善が欠かせないように思っています。

というか血流さえよくなれば、内臓も温まって機能を回復してくるでしょうし、神経過敏も緩和されていくのではないかと思います(腹部を温めると症状が緩和することは多くの方が体感していると思います)。

 

では、どうすれば血流が改善、つまり冷え性が改善するのかが問題ですが、これについては自身では姿勢の問題が大きいように思っています。

いわゆる猫背体型だと慢性的に呼吸があさくなり、それだけでも代謝が落ちてきてしまいそうです。

肋骨が下がるような姿勢になると内臓も圧迫されて機能が落ちてくる(水分の代謝がうまくできなくなる)。

かつ、猫背の結果、股関節や鼠径部も変位して詰まるような状態になってしまうと、下半身を通る血管も圧迫されて足先が冷えてしまうように思われます。

体幹部がねじれてしまうと腹部・骨盤周辺も冷えるように想像しています。

 

もちろん、そのほかの要因として血液がドロドロ状態とか、寝冷えしているとかもありえ、猫背だけが冷えの原因とも言い切れませんが、最近の自身の取り組みからは、猫背の改善が体幹部および下半身の冷え改善に効果的ではないかと感じています。

 

そして、この猫背の改善のためには胸郭を上げる必要があり、そのためには肩甲骨の可動が重要であるように感じており、最近は肩甲骨とか肩周りの可動に関心が移ってきています。

猫背改善については話が長くなるので今回は触れませんが、下半身の冷えには、肩甲骨まわりの改善→胸郭をあげる、という作業が必要に思っています。

 

 

というわけで、後段は姿勢の話になってしまいましたが、慢性前立腺炎や間質性膀胱炎では胃腸機能の低下、水分代謝の不調を伴うことが多いのではないかと感じており、それには茯苓が効果的ではないかというお話しでした。