抑鬱亭日乗 -25ページ目

抑鬱亭日乗

複数の精神疾患を抱える者の独言を忌憚なく収録する
傾いた視線からこの世はどのように見えるのか

 小惑星「リュウグウ」の土を積んだ「はやぶさ2」のカプセルが間もなく地球に帰って来る。

 オーストラリアに落下するので、それを発見し日本へ連れてゆく。

 研究はそれから始まるようだ。

 

 リュウグウは地球から32億㎞程離れた場所に存在する。

 46億年前の宇宙の誕生や生命の起源に関する研究の参考になるらしい。

 小生には到底、理解できない難しい研究が一歩前に進むであろう。

 

 小生が最も驚くのは、宇宙のはるか彼方にある小惑星に探査機を送り、その土を地球に持ち帰る点である。

 全く根拠はないがこれを地球レベルで想像してみよう。

 日本の国土を掘り続けると、ブラジルに出ることは周知の事実である。

 日本から最も遠い国と位置付けてよかろう。

 

 日本からそのブラジルに機械を飛行させ、特定の御仁の鼻毛を2本だけ抜くようなものだろうか。

 同じ機械でブラジルの密林に咲く特定の花の花粉を採取するようなものだろうか。

 ブラジルの砂浜にある一粒の特定の砂を採取するようなものだろうか。

 

 「はやぶさ2」の任務は小生の想像をはるかに超える難しいものに違いない。

 

 

 先日は月に一度の通院日。

 前までは受付時に受付嬢がスピードガンのような体温計で体温を計測していたが、システムが変わった。

 カメラのような機械の前に立つと数秒で体温が測定される。

 合理的な方法だが、大きな問題がある。

 小生の体温が「33.1度」と表示された。

 

 診察は数分で終了した。

 カップラーメンの調理時間よりも早い。

 診察室から出て来ない御仁を見かけるのだが、中で何をしているのだろう。

 一度、診察室を覗いてみよう。

 

 今月の処方は以下の通り。

 ・パキシル 40㎎

 ・トフラニール 200㎎

 ・ドラール 15㎎

 ・メイラックス 4㎎

 ・下剤

 

 

 電視台を視聴していると、お悩み相談のコーナーが始まった。

 

 要約すると、以下の通りである。

 現在、大学1回生。

 コロナウィルスの影響により、後期から通学し始めた。

 やっと大学生活が始まったが、既に周辺に人間関係ができている。

 誰にも話しかけられず、友人がいないので孤独であり、退学を考えている。

 今後、どうしたらいいのか。

 

 小生には相談者の辛さがよくわかる。

 コロナウィルスの影響はなかったが、小生も同じような状態だった。

 人見知りが激しく、気軽に他人に話しかけることなどできない。今も当時と変わりない。

 周りは楽しそうに大学をエンジョイしているが、小生はその対極の状態にある。

 このような状態で4年間過ごすのは苦痛であり、親には申し訳ないが退学の二文字が脳裏をよぎる。

 

 小生の場合は、小生に話しかけてきた御仁と仲良くなり、現在も交流は続いている。

 小生は運が良かっただけなのかもしれない。

 だが、小生と同じような状態の人間は他にも存在するであろう。

 

 その相談者にメッセージをテレパシーで送信する。

 話しかけられるのを待っている御仁がいる。

 孤独な人間は硬い表情をしているので、話しかけにくいが、異文化交流のような感覚で接してみてはどうだろう。

 話しかけた相手が一生の付き合いになるかもしれない。

 

 小生が通っていた高校は山の中にあった。

 その近くにはラブホテルが乱立していた。

 車でラブホテルに突入する男女を何度も見かけた。

 間欠泉のような爆発的な性欲を満たしていたのだろう。

 

 その周辺を久しぶりに通過した。

 何年振りに通ったのかよく覚えていない。

 

 辺りは一変していた。

 かつてのラブホテルが廃屋になっていた。

 1件や2件といレベルではない。

 眩しいほどの電飾は消え、建物は朽ちている。

 

 なぜホテルを利用する御仁が減ったのだろう。

 日本人の性欲が衰えたのか。

 わざわざラブホテルへ行く必要がないことに気付いたのか。

 格安のネットカフェを利用したのか。

 多目的トイレを使用したのか。

 

 日本経済と性欲は密接な関係にあると小生は睨んでいる。

 時々、高速道路を使用する。

 カネがかかるので基本的には一般道を利用する。

 遠方へ行くには高速道路が不可欠である。

 

 高速を走っていると、「R=400」や「R=500」という標識を目にする。

 道路のカーブの半径の長さが500mを意味する。

 

 「R=500」の標識を視ると、ミスターチルドレンの「ロードムービー」という曲が脳内で流れる。

 「嘆きもぼやきもため息も 風に飛んでいくよ
  そして幸福なあの歌を 高らかに歌いながら
  500Rのゆるいカーブへ♪」と。

 

 運転中に曲は最後まで流れる

 「街灯が2秒後の未来を照らし オートバイが走る
  等間隔で置かれた 闇を越える快楽に
  また少しスピードを上げて
  もう1つ次の未来へ」という歌詞が好きである。

 

 この曲を聴いてから20年が経つ。

 時の流れの速さにうろたえる。