寓居周辺に古い墓地がある。
先祖代々この付近に居住していた御仁の墓である。
事情はわからないが、この墓地の手入れが行き届いていない。
真夏の時期は草や蔓で墓地が覆われていた。
先祖累代の墓から数メートル離れた場所に戦没者の墓がある。
「故陸軍歩兵・・・・・」と刻まれた軍人の墓である。
小生の先祖も戦死しているので、菩提寺に複数の軍人の墓がある。
数年前から前記の墓を参る御仁がいなくなったように思われる。
彼岸や盆の時期には草刈をして花が供えられていた。
戦死した御仁を知る親族か親しくしていた友人であろう。
ここ数年は手入れされず、放置されたままである。
小生の世代の祖父母は20代で戦争を経験している。
母方の祖父は生きて帰ってきた。
今も生きているとすると、95歳を過ぎている。
戦争を知る世代は少なくなってきた。
あの雑草に佇む墓の主を知る御仁はもういないのかもしれない。
このようにその英霊を知る御仁が死去した場合、英霊は二度死することになる。
数年後、戦没者の墓に墓参する人がいなくなるだろう。
墓は手厚く供養してくれる寺に移動するのだろうか。