抑鬱亭日乗 -10ページ目

抑鬱亭日乗

複数の精神疾患を抱える者の独言を忌憚なく収録する
傾いた視線からこの世はどのように見えるのか

 小生は詰めが甘い特性を有している。

 水筒に茶を入れたが、テーブルに置いたまま外出する。

 仕事で必要な資料を作ったが、カバンに入れ忘れる。

 サイドブレーキがかかったまま発進する。

 数えだしたらきりがない。

 

 先日はETCカードを財布に入れたが、車両に挿入せずに高速道路へ向かった。

 いつも通り、速度を落として高速道路へ入ろうとした。

 しかし、短いバーが閉まったままである。

 あ、思い出した。ETCカードを車両にセットしていない。

 

 運よく後続車は来ていない。

 急いで50mほどバックし、ETCカードをセットした。

 高速の入り口を見ると「閉鎖中」と表示されている。

 再び高速へ向かうと「ETC専用」と点灯した。

 

 あの時、後続車が来ていたらどうなっていただろう。

 後続車に平謝りしてバックしてもらっていたのだろう。

 

 子供のころから詰めが甘い。

 おそらく今後もこのようなことをしてしまうのだろう。

 

 小生のヤフーメールに一通のメールが届いた。

 差出人は国税庁と表示されている。

 しかし、件名は「税務署からの【未払い税金のお知らせ】」である。

 どのような内容なのか通読してみる。

 

 本文は「e-Taxをご利用いただきありがとうございます」から始まる。

 この時点で詐欺メールであることが確定した。

 小生は複数の事業所から給料をもらっているので確定申告をしなければならない。

 しかし毎年、確定申告書を書面で提出しているめ、e-Taxによる電子申告はしていない。

 職務上の事情により、他人の確定申告書や法人の確定申告書は全て電子申告で提出している。

 このため、小生のメールアドレスを国税庁は把握していない。

 

 メールはまだ続く。

 引用するのは面倒であるため、要約する。

 国税庁はこれまで何度も納税を督促したが、小生は税金を払わない。期限までに納付しないと財産を差し押さえる旨の内容である。滞納税額は50000円。期限内に払え。

 ドアホ。

 督促状は一度も届いていない。しかも督促状は所轄の税務署から送られる。

 また税額がこのような美しい数字になることは極めて稀である。

 本文で「税法のきめるところにより」と記されているが、「税法の定めるところにより」と表現すべきであろう。

 アホ、アホ。ドアホ。

 しっかり税法を学んでからメールを送ってこい。

 

 このようなメールは詐欺メールであるため、気を付けて頂きたい。

 e-Taxを利用している御仁にはメッセージボックスに通知が来る。

 使用しているメールアドレスに国税庁や税務署がメールを送信することはない。

 

 皆さん、詐欺メールに気を付けてください。

 

 

 お盆に仏壇の掃除を決行した。

 ホコリを落とし、台を拭く。

 仏壇の奥の方から仏像を入れる箱を発見した。

 仏像が入っているのかと思い、箱を開けて中身を見る。

 

 数枚の紙と立派な造りの二つの冊子が入っている。

 1頁目に目をやる。

 「大正五年・・・」と記述されている。

 どうやら小生の祖父の祖父に該当する人物が書き残したものらしい。

 もうひとつの冊子には「昭和57年・・・」と記されている。

 こちらは小生の祖父が元気な頃に書いたと思われる。

 

 冊子に目を通すと、どうやら「過去帳」ではなかろうかという結論に至った。

 冊子には「寛政」、「天保」、「安永」、「明和」という元号とともに戒名が記されている。

 戒名とその生前の俗名も記録されている。

 「〇〇右衛門」や「〇兵衛」といった時代劇や時代小説にでてくる名前が出てきた。

 「〇〇童女」も少なくない。死産だったのだろうか。幼くして逝去したのだろうか。

 

 この過去帳は全員、小生の御先祖様である。

 古い御先祖様が存在していなければ、小生はここにいない。

 過去帳は数百年前から続く生命のリレーを記録したものである。

 

 小生はこの壮大な歴史の記録を前に呆然と立ち尽くした。

 

 今年もツバメがやって来た。

 ヒナは大きくなり続けている。

 糞の量も増加の一途をたどっている。

 掃除が大変である。

 

 ツバメは毎年やってくるが、子育て中にカラスにやられる年が多い。

 ある朝、目覚めるとツバメが大声で鳴いている。

 カラスに巣を潰され、ヒナが全て喰われている。

 ヒナを育てるために朝から夕方まで親鳥は巣にエサを運び続ける。

 それが一瞬で壊滅されるのは自然の厳しさだろう。

 

 その一方、ツバメを見習えと言いたくなる人間がいる。

 幼い子供を車に乗せたままで長時間にわたりパチンコに興じる御仁である。

 車内に閉じ込められた子供は熱中症か脱水症で死亡することが多い。

 子供の生命よりもパチンコを優先するようだ。

 

 朝から夕方までヒナのためにエサを運び続けるツバメ。

 車内に子供を放置し、いつまでもパチンコに興じ続ける一部の人間。

 

 今年の夏もこのようなニュースを目にするだろう。

 小生は何度も同じ新聞記事を読み返した。

 どうやら確かな情報らしい。

 小生はその事実に驚愕した。

 

 小惑星から帰還した「はやぶさ2」に関する報道である。

 その惑星から持ち帰った砂や石にアミノ酸が含まれている。

 アミノ酸はタンパク質を構成する物質である。

 生命にタンパク質は不可欠である。

 遠く離れた小惑星にもタンパク質のタネとなる物質が存在することが判明したのだ。

 

 小生はなぜ地球に生命が誕生したのかについて強い関心を寄せている。

 有力な学説では水中でタンパク質が生じ、それが生命誕生に繋がったとされている。

 しかし、そのタンパク質はどのようにして誕生したのかという疑問を拭えない。

 先日の発見により、生命のタネとなるアミノ酸が小惑星に存在することが明らかとなった。

 

 地球が形成される前からアミノ酸は存在していたようだ。

 46億年前に地球が誕生し、岩石に包含されていたアミノ酸がタンパク質となり、生命誕生に繋がったと考えられる。

 ということは生命のタネは最初から存在していたのだろう。

 そのアミノ酸はいつどこで誕生したのか?

 地球以外でも生命体は存在しうるのか?

 新たな疑問が次々と生じる。