流行 | 抑鬱亭日乗

抑鬱亭日乗

複数の精神疾患を抱える者の独言を忌憚なく収録する
傾いた視線からこの世はどのように見えるのか

 先月下旬、インフルエンザA型に罹患した。

 職場で感染したものと思われる。

 インフルエンザにかかるのは1997年以来である。

 当時は長野オリンピックが開催された時期であった。

 

 前日から体調が思わしくなく、起床すると37度代の微熱が続いていた。

 風邪を疑い病院へくこととした。

 1月はインフルエンザが流行し、患者が多いのか、電話で初診を告げると冷たく断られた。

 2度とあの病院には行かない。

 別の病院はウェルカムだったので、世話になることにした。

 

 受付で体温を計測すると、38度を超えていた。この時に、流行性感冒を疑った。

 隔離室へ誘導され、30分ほど読書をして診察を待つ。

 完全防備をしたベテラン看護婦さんが登場する。

 青のアイシャドウが印象的だった。

 小生の右の鼻の穴に棒を突き刺し、強い力でグリグリツンツンし始める。

 10秒と言っていたのに、15秒も突き刺した。小生の目は涙目になっていただろう。

 

 20分後、医者に呼ばれ、先程の検査結果を知らされる。

 インフルエンザA型に丸印がつけられていた。B型とコロナには何も記されていない。

 タミフルを投与すると、熱は治まるという。

 しかし、タミフルを呑んで2~3日間、高熱と経験したことのない頭痛に悩まされた。

 「あのヤブ医者が、タミフルがきかへんやんけ」と布団の中で診察してくれた医者を呪った。

 

 だが、タミフルを呑んで4日目にようやく効果が現れ、高熱は頭痛はどこかへ飛んで行った。

 診察してくれた医師に「ヤブ医者」と謗り続けたことに己の器の小ささを再認識する。

 手洗い、うがいを励行し、職場でマスクを着用し続けてもインフルエンザに罹ることを思い知らされた。