全日本東京倶楽部バンド -22ページ目

日本シリーズを見ながら、もう一回プレーオフ考

みんな日本シリーズ見てる?
20年ぐらい前ならビッグなスポーツイベントも少なかったので、別にどの球団が出て来ても“日本シリーズ!”ってな感じで盛り上がったもんだ。だからこそ近鉄vs広島なんていう超マイナーカードでもそれなりに注目を集め『江夏の21球』なんていう伝説も生まれた。でも今は違う。この週末だけ見ても、Jリーグ、競馬、F1とあるし、サッカーだけでもチャンピオンズリーグとかJ2の昇格争いだとかJ1の降格争いとか、そりゃいろいろ興味を惹かれる者モノがある。野球だってメジャーリーグのワールドシリーズが開幕し、田口が出場してるんだから、どうしてもそっちのほうが気になるもんで、日本シリーズ?やってたの?っていう人も多いだろう。まあ日本ハムは北海道の地域密着チームだから地元が盛り上がればそれで良いだろう。中日はセントラルリーグだから知名度としては全国区のような気がするが所詮ローカルチーム、地味度は広島と変わらない。異論はあるだろうが、今シリーズの一番のスターは新庄(日本ハム)、二番目はダルビッシュ(日本ハム)、三番目は森本ひちょり(日本ハム)、ということで人気抜群セントラルリーグのスターは落合監督一人なんじゃない? 川上、福留、井端、谷繁、みんないい選手だけど華がない。名古屋ローカルじゃ地元だからスターだけど全国区にはなれない。何がいいたいかというともう野球は全国区のプロスポーツじゃないってことだ。

またおいらの愛読している日経新聞のスポーツ欄に反プレーオフのコラムが載っていた。あんまりくだらないこと書いてるから名指しで批判しちゃうけど、そのスポーツライター浜田昭八氏の意見は、シーズン1位の重みがなくなるからプレーオフ反対!ということで、その代案がこれまた泣かせる。両リーグの同じ順位同士で順位決定戦を行い1~12位まで決めようという提案だ。

それって何が面白いの?

最下位決定戦←こんなん消化試合になるに決まってるでしょうが!

一体誰が3~4位決定戦で全力投球するよ?

松坂か?

オフにメジャーへ移籍しようと考えている選手が、なんで順位決定戦で全力を尽くすと思う?
世の中の道理がわからないスポーツライターさんには廃業をお勧めする。

松坂がプレーオフで見せたあの鬼神のようなピッチングは、それが優勝がかかっている試合だからこそでしょうが!優勝と関係ない試合であのピッチングをしろというほうが酷だ。シーズン中にはめったに見られないようなプレーがぎっしりと詰まっているから、プレーオフはファンに支持されているのだ。確かにシーズン1位のホークスが連続して敗退してしまったことは物議を醸したがしまい、それでもファンの間ではプレーオフは圧倒的に支持されている。この3年のプレーオフ1試合1試合を検証してみるといい。痺れるような緊張感溢れる試合ばっかりだ。そんな試合を見せてくれたプレーオフという制度にみんな感謝しているのだ。

またスポーツライター浜田昭八氏はこう書いて文章を締めている。
「これ(順位決定戦)だとリーグで3位にさえ入れば短期決戦で日本一にというこざかしい考えが入り込む余地がなくなる」

あほか?

これは断言してもいいがハナっから3位になって日本一を狙っているチーム(選手)なんていない。
この3年間の結果をみればわかるだろう。ほぼ5割の成績で3位になったチーム(日本ハム・西武)がいずれも第一ステージで破れているのは偶然ではない。今シーズンは3つ巴であったが故に3位のホークスが第一ステージを突破した。たとえ短期決戦といえどもやはりチームの実力がでているのである。また2年連続で1位ながら破れたホークスは、残念ながら最後の土壇場での執念が優勝チームを下回っていた。そこにはリーグ1位なのになんで?という理不尽さを消化しきれていなかった、新制度であるが故の悲劇といえる。逆に今年の日本ハムは当然1勝のアドバンテージにも助けられたが、最初からプレーオフに勝つ!という準備があった。浜田氏の言うこざかしい考えは全く現実的ではなく、むしろ頑張っている選手に対してそのような暴言を吐くのは失礼である。まあ経済紙の場違いライターに真剣に怒っても意味無いけど。


シーズンは140試合を越える長丁場であるため、悲しいかな毎試合全力でプレーする(できる)選手はほんの一握りだ。捨てゲームという言葉だってあるし、序盤に大量リードを許せば今日はもういいやってことにもなる。そんな試合をおいらはホント数多く球場で見てきた。この球場でというのがポイントで、テレビならばチャンネルを変えてしまえばいいが、わざわざ出かけてきて金払ってみてる立場としては、よっぽどのことがない限り最後までつき合うわな。しまいには暴れたりしたくなる気持ちも分かる。もう1試合も落とせないっていう時の必死さを毎試合見せて欲しい。選手は140試合のうちの1試合だけど球場に足を運んでいるファンにしてみれば、その年唯一の試合なのかもしれない。こんなことは選手達だって言われなくてもわかっているだろうけど、やっぱり優勝が遠ざかれば気合いも入らなくなるだろう。今シーズン終盤にタイガース(阪急?)が10連勝とかしていたけど、あれだって相手はもう気合い入ってない訳よ。そりゃプロだからそこそこのプレーはするが、最後のひとあがきってところが優勝を争っているチームとそうでないチームでははっきりとした差になって現れる。だから消化試合をどれだけ減らすことが出来るかってのはプロとしての最重要課題なわけ。プロ野球を開催する側としては選手達の気合いが入るような場を用意しなければならない。もし今シーズン、セントラルリーグにプレーオフがあったなら、少なくともヤクルト・巨人・広島の消化試合はぐっと減っていたし、巨人ファン(日本のほとんどの野球ファン)の注目度も全く違っていた。消化試合を減らすことはファンのためでもあり、選手達のためでもあり、球団経営のためでもある。

セントラルリーグが主張したようにリーグ優勝はシーズン1位のチームで構わない。
だが日本一のチームはポストシーズンを勝ち抜いたチームが手に入れるのだ。