菊花賞を検証してみる
外れたね。ショックで菊花賞を振り返るのが一日空いた(泣)。がっかりだけど、やっぱり三冠馬ってのはかんたんにはなれないのね。 まあ負けてしまえばメイショウサムソンはこの程度の馬だったのかってことになる。多分ディープインパクトが菊花賞で負けていてもレースの綾で負けたといわれ、実力に疑問符が付くことはなかっただろうが、メイショウサムソンのことはもうみんな忘れちゃったみたいだ。昨日の夕方5時のBSニュースでも菊花賞の結果をやらないんだぜ?
ただ今回メイショウサムソンの三冠を阻止したのは、勝った武幸四郎ではなく豊のほうだね。はっきり言って今回の武豊は勝つレースはしていない。3000mの菊花賞で1000m通過が58秒台なんてのは暴走でしょ。1600m通過タイムが1分34秒7、2000mは2分00秒8。最近は時計が速くなっているけれど、これはそれぞれその距離のレースの勝ちタイムであってもおかしくない。実際に今年の毎日杯の勝ちタイム(アドマイヤメイン)は2分00秒5である。そんなペースで先行し、それでも3着に残ったアドマイヤメインはもの凄く強いということを覚えておいて損はない。
そんな馬の強さを認識していても武豊は勝ちに行かなかった。メイショウサムソンは並んだら強いと知っている武豊は、レースに勝つことではなく、メイショウサムソンの石橋守にとってこの3冠のかかる大舞台で一番イヤなレースを選択した。それがあの大逃げである。武豊が出走しているレースは、基本的にどの騎手も武豊のペースを見ながらレースをしている(頼りにしている)。毎レースマークされていながら勝星を重ねる武豊はそれだけ偉大な騎手なのだが、その武豊が大逃げをうってハイペースでどんどん先に行ってしまうのだから、石橋守としてもどうしても速めの仕掛けになってしまう。で4番手あたりを追走したわけだけど、大逃げのレースは大抵後ろでじっとしている馬が勝つんだよね。あれが見た目に反してスローで流れているならば先行逃げ切り、ハイペースなら後方一気っていうのがああいうレースの勝ちパターンだ。メイショウサムソンは前の馬を追いかけてなし崩しに脚を使わされてしまい、直線ではもう突き抜ける余力は残っていなかった。まあ人気を背負ってしかも三冠がかかっているジョッキーに、後ろでじっとしている乗り方を求めるのは酷というものだ。脚を余して届かないのが一番悔しいというしね。まさに武豊がこうなって欲しいとシミュレーションした通りの展開になったわけだ。自らそういうレースに持ち込んでしまうところが武豊の凄いところだし、おまけに弟の幸四郎が勝っちゃっうんだからその運の強さったらない。
ではなぜ武豊はメイショウサムソンの三冠を阻止しようとしたか? それはもうディープインパクトの凄さを証明するために他ならない。ナリタブライアンやディープインパクトのように圧倒的な強さを見せているならともかく、あまり強さを感じさせないメイショウサムソンに易々と三冠を取られることだけは我慢ならなかったのだろう。逆にあの展開でメイショウサムソンが勝ったのならば、武豊としても三冠馬として認めることができた。とことん計算づくな武豊。デビューの頃からこういう騎乗していたからホントに凄い奴だ。
外れたから馬券の話はなしね・・・とほほ。