全日本東京倶楽部バンド -12ページ目

ウルトラソフビ道~クレージーゴン

怪獣52 クレージーゴン
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ウルトラセブンに出てくるクレージーゴンっていうロボットを知ってる人は少ないんじゃない?

コイツはちょっと斬新で異色のキャラクターだ。まず外見がかっこよくない、というか全然強そうじゃない。なぜならクレージーゴンは同じくセブンに登場するキングジョーのような戦闘用ロボットではなく、自動車回収用の実用的ロボットという設定だからだ。したがって見た目の良さは無視されており、あくまでも実用的で言ってみればブルトーザー的なロボットだ。自動車を捕獲するために片腕が大きく造られているが、これはおそらく片っ方のハサミがでかいしおまねきがモデルなんだろう。ロボットでありながら生物をモデルにしているところがポイントで、それが絶妙のバランスを生み出している。自動車を回収する倉庫のような同体には、なんとシャッターがついている。宇宙人もシャッター使ってるんだ。というより地球製のようで笑える。

このクレージーゴンの回はとことんリアルさを追求しているように思える。クレージーゴンを追撃するのはウルトラホークではなくてF10のような戦闘機だし、バンダ星人が自星の資源を使い果たしたために資源として車を奪いに来るなんて、とても夢のある話とは思えない。クレージーゴンは自動車を回収すると母船とドッキングして自動車を下ろすのだが、ウルトラ警備隊がこの“こそ泥母船”を破壊するのにもおとり自動車に時限爆弾を仕掛けるという極めてリアルな方法をとっている。それでもクレージーゴンだけは破壊されずに暴走を始めるのだが、工業用ロボットはさすがに頑丈なのか、セブンのアイスラッガーも跳ね返されてしまう。もっともロボットにアイスラッガーなんて、自動車に包丁で切り付けるようなもんだから戦術としてセブンもどうかと思う。結局セブンは考えもつかない方法でクレージーゴンを破壊するのだが、これがリアルと両極端な戦法なのが笑える。

ばらばらになって放置されたクレージーゴンの残骸がラストシーンだがこの描写がめちゃめちゃリアルだ。あれ片付けるの大変だろうなあって誰しもが思う。ウルトラ警備隊の後片付けをする会社が必要だよな。子供の頃はわからなかったが、クレージーゴンの話はシリーズ屈指の名作だった。したがってクレージーゴンをソフビにするというちょっと信じられないラインナップも当然だろう。ソフビには旧シリーズと現行シリーズの2種類あって、形は同じだけど色がちょっと違う。このソフビも実によく再現されていて、見飽きることがない。