◆G種(DMトル) 側に2/2 | 雑種犬 G種ディアミリ/テニミュリョ桜王子/DCジンシェリ・秀明 等小話ブログ

まだぼんやりしている話、その内加筆する。イメージソング 阿部真央『側にいて』

 

 

 

私とトールはよく似ていた。食の好みや趣味も、好きなテレビ番組も休日の過ごし方も。歩調も育った環境も、何もかもが似ていたのだ。こんなに気が合う人が存在するなんて、奇跡みたいだなと時々思ったものだ。

朝が苦手だったり、ちょっと抜けている所があったり、私が気に掛け世話を焼くことが多かった。恋人だけれど、まるで兄弟みたいだとも思った。隣にいて何の違和感もなく、一緒にいることが自然だった。

 

お互い微笑み合い支え合って、一緒にいると楽しくて満たされて。ずっとこんな風に続いていく、それが当たり前だと思っていた。お互い初めて出来た恋人で、多分このまま付き合って、恐らくはこのまま結婚して、普通の幸せで平凡な家庭を築くのだろうと…。

 

あつひとつ全、その夢は終った。

 

 

 

そして現れたアイツ。アイツはトールと全く違う、私とも何もかもが違う。ナチュラルとコーディネーター、生まれ育ったのも地球と宇宙。元エリート軍人と元普通の学生。MSで戦い、銃の扱いもお手のもの、何でも出来る彼。私はシミュレーターすら上手く出来なかったし、銃なんて触りたくもない。

 

出会いは最悪で、危うく最悪の事態になる所だった。互いに許し合ってこうして仲間になったなんて、よく考えるとおかしな話だ。一緒にいるとちょっと胸がザワっとして、何となく落ち着かない。どうしても喧嘩腰になってしまうのは、何でも出来る彼が、私のことを甘やかすからかもしれない。

アンタの方が大変な身分じゃない。元敵が単身AAで、元仲間相手に命懸けで戦う。アンタの方が危ないのに、何で私にちゃんと食べてるか、ちゃんと寝てるかなんて気にするのよ。

 

 

 

トールと私はふたりでひとつだった、一緒にいると強くなれた。ディアッカは違う。アンタといると、私は弱くなる。

だから必要以上に近寄りたくない、これ以上頼りたくない。どんなに不安な戦いの中でも、孤独で寂しい夜でも、側にいて、なんて言いたくない―――。