★トルミリ前提。pixivアップの『4分後にまた会おう』の逆バージョンのイメージ、一旦書きたい所だけ。
「ミリィ…?!」
やっと見付けたミリアリアは、ぐったりと横たわって目を閉じたまま動かない。心臓が止まる思いで必死に抱き上げ叫ぶ。
「おい、起きろ!目を開けろよ、ミリィ!」
こんな所で簡単に死ぬな、俺を置いて行くな、ミリアリア…!
「…」
その時僅かに瞼が動いた。はっとして凝視していると、ゆっくりと瞼が開いた。
「ミリアリア…?!大丈夫か?」
「…」
その声を聞くまで安心は出来ない。ゆっくりと動いた唇に注目し、耳を澄ませた。
「…トール…」
「…?!」
こんな状態で聞くとは思っていなかった名前に、一瞬衝撃を受けたが、彼女は続けた。
「…トールが、まだ来るなって」
「…」
彼女はしっかりと俺を見詰めて微笑んだ。それでやっと大丈夫だと安心出来て、心の底からほっとした。
「…ったく、ビビらせるなよな、俺が死ぬかと思った…」
「…ごめんね、ディアッカ」
良かった、本当に良かった…。思わずその体を抱き締めた。
…サンキュー、トール…。
もしかして私は、ここで死ぬのかもしれない。そう思った時、このまま目を閉じていれば、トールに会えるかな、と少し思った。今も思い出さない日はない、会いたい、恋しい、大切な人。天国で会えるなら、死んでも良いと思っていた時もあった。
…でも、必死に私を呼ぶ声が聞こえたから、導かれるように目を開けてしまった。必死の形相で私を見詰める彼と目が合い、彼は私がいないと駄目なんだなと思った。痛いくらいに込められた彼の手の力に、私の居場所は、まだ”こっち”なんだなと実感した。
トールには死んだら、いつでもまた会える。…でもディアッカには、死んだらもう会えない。
だからごめんね、トール。もう少し待っててね。