★種デス(自由後?)、+サイと猫。
家の近所に地域猫が暮らしている。沢山写真を撮って、世話をしている人とも知り合いになり、通り掛かる度撫でて可愛がって癒されて、少しずつ仲良くなっていった。
その写真を眺めていると、サイが覗き込んできた。
「何、その猫」
「近所に住んでるカレシ」
「フフッ…」
「笑ったわねサイ?」
「もしかして、そいつの名前って…」
「…バスターよ。言っとくけど、バックで爪とぎされて、ズタボロにされちゃったからだからね」
「へぇ、そうなんだー」
「何よその顔」
あくまで自由猫だから、首輪をつけて家の中に閉じ込めてはおけない。私の飼い猫ではない、私だけの恋人ではない。世話はされているとは言え、事故に遭わないか怪我をしないか病気にならないか、ちゃんと生きていけるか常に心配だ。
…結局誰かさんに似ているから、気になって放っておけないのだ。
その夜久々にディアッカに連絡した。
「聞いた?ミリィに恋人が出来たらしいよ」
『あぁ、猫だろ?』
「何だ、知ってたんだ、詰まんない。名前聞いた?」
『秘密だってさ』
「じゃあ俺の口からは言えないけど、ディアッカでもトールでもないから」
『…そこまで期待はしてねぇけどさ。飼うのは思い留まれ、って言っといてくれよ?』
「まぁ、今飼うつもりはないみたいだよ?取材で長期家にいない時もあるし。実際飼っちゃったら、恋人要らなくなるだろうからなぁ。誰かさんの立場ナシだね」
『テメェ…』
「まぁ実際、滅多に会えない誰かさんより、会いたい時に会える存在が近くにいてくれた方が良いよな、ミリィにとっては」
『………』
「ま、頑張れよディアッカ」
『五月蠅ぇ』
猫シリーズ、纏められたらpixivアップかな?