短歌のようなひとりごと -17ページ目

妹に

妹に見えるこのごろ 寝ぼけつつ髪整える前の 「おはよう」

雷に

雷に撃たれてもいい 途切れずに波がだんだん高くなる今

ホンネの針

見舞いには来なくていいと言うきみのホンネの針を推しはかる夜

2006.9.5

暗雲

咳つづきひき戻される現実は逃げることなどできぬ暗雲

できること

朝と晩 地蔵に逢いに通る道 祈るより他にできることなし

玉ねぎひとつ

入院中によく来たというスーパーに玉ねぎひとつころがっている

テレビの前

球児らに元気をもらい声あげる テレビの前で病忘れて

痛み

分け合っているかのようなきみと義母 痛みに耐える夏まだつづく

花嫁姿

娘らの花嫁姿見られぬと診察終えて梅雨あけのころ
2006.7.21

悪いことなど

右足が直ればつぎは左足 悪いことなどしないきみにも