ミルク
ミルクのアレルギーは、生後早期から1歳までに発症します。症状は、嘔吐、下痢、血便、便秘、といった消化器症状が中心で、長期に続くと、体重がなかなか増えないことがあります。
症状の出方は、母乳栄養が中心か、ミルク栄養かで異なります。たまにしか、粉ミルクを与えない場合、ミルクを飲んだときに限って、その数時間後に、激しく嘔吐して、ぐったりする、という症状が現れ、少ししてから下痢になります。毎日、ミルクを与えている場合は、水のような下痢や血便が続き、体重がなかなか増えません。嘔吐も時々みられます。
ミルクアレルギーがある子も、5歳くらいまでに半分くらいの子どもは、治ると言われています。
コムギ
小麦アレルギーは、うどんなどの小麦製品が原因となって、じんましん、下痢、腹痛、呼吸困難、などの症状が生じる食物アレルギーです。小麦を摂取してから、数分以内に反応するものを、即時型小麦アレルギーといい、乳幼児における小麦アレルギーの大部分は、このタイプに分類されます。
一方、小麦の摂取だけでは反応せず、摂取後の運動や、薬剤の服用などの、二次的要因が加わることにより、アレルギー症状を示す、「小麦依存性運動誘発アナフィラキシー」というものがあり、重篤な場合は、アナフィラキシーショックを起こします。成人における小麦アレルギーのほとんどは、小麦依存性運動誘発アナフィラキシーであると、考えられています。
基本的に、18歳以上の成人が発症する小麦アレルギーの原因は、「小麦に含まれるω5グリアジン」によるもの、とされています。
臨床現場では、例えコムギ抗体価が3~4でも、症状を有する者は2割くらいであったり、明らかなアレルギー症状を有するものでも、検査を行うと陰性のことがよくあります。
実際にコムギアレルギーを疑うのであれば、血液検査を行う場合は、「コムギ」という項目ではなく、「ω5グリアジン」、の方が信頼性は高いです。ただしドロップスクリーンでは、「ω5グリアジン」という項目はないため、詳しく調べようとすると、従来通り、腕から採血を行い、外部機関に委託をすることになります。