リフレイン 透明な光22 | 青のパラレルワールド物語

青のパラレルワールド物語

青さんが登場する空想小説を書きます。ご本人様とは一切関係ありません。
腐話もありますので苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、成瀬さん!」

 

僕は櫻井さんに

肩を抱き寄せられていた。

 

 

「俺がいます。

できることはなんでもしますから。

だから・・・」

「さ、櫻井さん・・

ありがとうございます。

でも・・違うから・・」

 

 

突然のことに、

違うというのが精一杯の僕を

櫻井さんは強く抱きしめてくれる

 

櫻井さん、

優しくしないで‥誤解するから・・

と、とにかく

今泣いたのは櫻井さんとは、

全然関係ないこと。

迷惑かけちゃだめだ・・

どうしたら・・・いい・・

そうだ・・

 

「櫻井さんは、

気が付いてないかもですが、

僕は以前

櫻井さんと会ったことがあります。」

 

櫻井さんが驚いた顔で僕を見た。

 

 

 

 

 

 

 

「ここですね、

貴方がつまずいて転んだところは」

 

櫻井さんが指を指す。

ちゃんと覚えてくれていたんだ。

僕と櫻井さんは、

桜並木のある公園を二人で歩いていた。

 

先生の別荘から

予定

予定よりも早く戻れてしまって

少し残念に思っていたら、

櫻井さんがもっと話しませんかって・・

誘ってくれた。

喜んで頷いた僕は

それで今ここにいる。

 

「はい、その根っこに躓いて」

 

嬉しかったせいだろうか、

いつもより僕は饒舌で

櫻井さんに話しかけた。

 

でも、櫻井さんが

僕と財前先生のことを聞き始めた頃から

僕の頭は財前先生との

楽しかった記憶が蘇ってきて・・

 

 

もう先生はいない。

僕のことを

可愛がってくれた優しい先生は・・

僕はまた一人になった。

胸が締め付けられてきて・・

僕はまた涙をこぼしていた。

 

僕を慰めるように

抱きしめてくれる櫻井さん。

なのに、僕は櫻井さんを

非難するように聞いてしまった。

先生の最後に

一緒にいたのに

どうして助けられなかったのと

 

でも、櫻井さんの語る先生の過去に

僕はやさしかった先生の孤独を知った。

先生も悲しかったんだ、辛かったんだ。

僕たちは同じだったのですね財前先生・・・

 

僕だけが助けられていたんじゃない。

僕も先生の役に立っていたんだ。

僕は櫻井さんの手をぎゅっと握って謝った。

 

なんだか、すっと気持ちが落ち着く。

先生・・

 

僕は明るい気分に戻れたのだけど、

気が付くと、

櫻井さんの様子がおかしくなっていた。