魔王85 | 青のパラレルワールド物語

青のパラレルワールド物語

青さんが登場する空想小説を書きます。ご本人様とは一切関係ありません。
腐話もありますので苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

カズ

 

 

 

 

 

まさか・・警察が押収したのか?

いや・・・そうじゃない・・・

多分サトだ。

 

サトが見つけたんだ。

 

 

そもそも、

あんなに早く

警察が来るはずがなかったんだ。

つまり、通報したやつがいる。

侵入者がいるって。

 

あの日あの家にいたのは、

家主である芹沢豪。

俺の侵入を隠すために、

芹沢に別れ話をするという口実で行ったサト

サトに頼まれて同行した櫻井翔。

 

櫻井は俺の侵入を知らない。

芹沢が知ったとするとサトからだ。

それで、俺を罠に嵌めたのか?

 

だが、芹沢は死んだ・・・

やはり、サトだよな・・・・

サトが俺を売ったんだ。

全部・・サトが・・・

 

そうだとするとあの裏口座は、ダミー?

俺に嘘の情報を教えて、

やらせたのかサト・・。

いや、あれは本物だった。

ちゃんと俺の口座に送金できた。

3件だけだが、

600万くらいは、いったはず・・・

 

でも、サトは嘘をついた。

何も取られてないと。

どうしてだ?

そうか、

被害はなかったということにして

俺に貸しを作り、

俺と共犯だという証拠の携帯を回収して

圧倒的に上位に立った。

芹沢が裏で行っていた

悪事で稼いだ金のことを

隠すために・・

 

俺が、何も盗んでいないことになっているのは、

そういうことだったんだ。

俺の出まかせを警察が信じたんじゃない。

だけど、

そこまでして、

俺から金を巻き上げたかったのか・・・

サト・・おまえは・・

 

俺がしてきたことは、

たしかに、犯罪だったけど、

それは、あいつらから

金を巻き上げるためだった。

おまえが脅し取られた金をな。

 

助けてくれって・・

泣いてさ・・

あいつらが憎いって・・

 

取り返してくれたら

半分渡すっていったのは、おまえのはず・・

どうしてなんだよ・・

 

 

俺が芹沢の裏口座から横取りした金を

自分のものにしようとしているサト。

 

圧倒的に不利なのは俺。

 

俺はサトの本性をしらなかったのだろうか?

いや、そうじゃない。

昔のサトは優しくて、素直なやつだった。

一緒にいると、癒された・・・

あいつはサトじゃない。

 

 

ぴぴぴぴ・・・・

 

いきなり俺の携帯が鳴った。

 

「・・・・サト・・」

「カズ、用もないのに

トイレで遊ぶのは、止めてよ。

早く帰らないと、

さっきの二人が引きずり出すよ。」

 

イライラした声・・

本当に怒っているようだ。

 

「わかったよ・・俺の負けだ。

白旗あげるから。」

「カズは僕を助けてくれなかった。

だから、カズの欲しいものは渡さない。」

 

ブチ。

電話が切れた。

トイレのドアがドンドンと叩かれる。

 

俺は、両手を上げてトイレを出た。