天使を見た記憶 いつか秒針のあう頃 54 | 青のパラレルワールド物語

青のパラレルワールド物語

青さんが登場する空想小説を書きます。ご本人様とは一切関係ありません。
腐話もありますので苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

口から煙草を落とした相手は、

慌ててそれを拾うと灰皿に捨てた。

俺は知らんぷりしてつづけた。

 

「ま、そのことも

これから触れるけどさ、

まずは、マネージャー代理のことを

俺に聞きたかったんだろう?

本当なら

仲良しの相葉君に

聞きたかったのだろうけどさ。

まっ、彼は

自分たちの関係をしらない。

ニノには

あからさまに拒絶された。

残るは俺だけ。」

「松本・・おまえ、

ニノに聞いたのか?

一体、俺に何が言いたいんだ?

すべての原因は

あの人にあるだろう。

俺は被害者だ。」

 

ドンと、グラスを置くと、

キッと俺を睨らむ。

興奮して手が震えている。

そうだ、忘れていたけど、

こいつ切れやすいんだ。

外づらは優等生だけど、

グループの打ち合わせの時、

上手くいかないと

よく切れていたっけ。

俺だけじゃなかったんだよな、怒鳴るのはさ・・

俺は、小さく息を吐いて、

気を静める。

 

ダメだ、

つられて俺が興奮しては。

俺の役目をよく考えるんだよ。

 

すべてはリーダーのため・・

俺の愛したさとしのため・・

 

真実をこいつに分からせるんだ。

 

「同じことを繰り返すのは

賢い奴のすることじゃないぜ。」

 

冷静な声で呟く。

いや、見下した言い方だったかも。

 

「えっ・・・

ふん。

俺はいつも冷静だよ。

話せよ、続きをさ。

勿論下らない話だったら

聞かねえけどな。」

 

相手はいきなり

臨戦態勢を取り始める。

俺は、大きくため息をつくと、

とりあえず念を押した。

 

「翔さん、気に入らなくても、

意に添わなくても、

一応は最後まで俺の話をきいてよ。

文句はそれから聞くからさ」

「わかったから、早く始めろよ。」

 

そっぽを向いて返事をした相手を

俺は腹の中であざ笑った。

ふん、

後悔させてやる。

いや、死ぬほど後悔するんだ。

リーダーが苦しんだよりもずっと・・

 

 

俺は、俺の情報網を駆使して集めたことを

極力冷静に、かつ非難的に話しだす。

やっぱり怒りの感情は止められないぜ。

 

 

 

「事務所はさ、

あんたが何にも考えずにしていた行動から

二人の関係を知ったんだ。

そりゃそうだろ、

マネージャーの車で

リーダーの家に行ってたんだから。

今までそんなことしなかった二人が急にって、

普通は思うぜ。

幹部は焦った、

そして、

どうにか別れさせそうと画策した。

そりゃそうだろ、

アイドルから

知性派タレントとして

売り出そうとしてる看板スターだよ。

半分首にしたい奴と、

それも男と付き合っているなんてさ。」

 

自分でそう言いながら、

ムカついた。

今時男同士なんて、珍しくもない。

それを・・・

 

ふう・・

俺は、目の前のビールを

一気に飲みほした。