受験というのは、言ってしまえば戦略ゲームです。
例年の傾向から予想されるボーダーに対して、どこで、どのように点数を作っていくのかを考えるゲーム。
得意不得意はあるわけですから、その戦略は千差万別です。
高校受験で言えば国語は受験者全体でそこまで大きな差はつきにくい。
英語、社会、理科で点数の地盤を固め、数学で貫くというのが一般的でしょうか。
8月ももう末期。
これまでで一通りやるべきことを終え、ここからはひたすらに実践演習をしつつ、自分の弱い分野、弱い科目を固めていく作業が始まります。
これくらいの時期になって重要なのは、自分の軸となる科目が存在しているかどうかです。
入試問題をやり、合計点数が出て、いろいろ直しをしていくと
全科目おぼつかない生徒は「アレもやらなきゃコレもやらなきゃ」とやることだらけの状態になり、パニックに。
やることにまみれ、全てが中途半端になりがちです。
全員、たくさんやることはあるのですが、それでも、一科目、二科目でも、「これは大丈夫、自信ある」と言える科目があれば、その科目は軽い確認程度でよくなり、他の甘いものに時間をささげることができるようになっていく。
何をすべきかが、とても明確になってくれるんですね。
選択と集中ですね。
さらに、そういう科目が一つでもいてくれないと、何度やっても半端な点数しか取れず、目標のレベルが実際の距離以上に遠く感じ、あきらめたくなってしまいます。
当塾では、まずは3科目を中心に叩き上げております。
当塾は私立志望者が多いからという理由もあるのですが、理社は、一部の上位校を除いて中学範疇ならそこまで高度なものは出ませんから、3科をしっかりさせれば後からでもしっかり詰めていけるからでもあります。
別に、3科のほうが重要だとか理社をないがしろにしていていいと言っているわけではありませんからね。
3科は、だいぶまともに戦えるようになってきた生徒も増えています。
まだまだやっていくことはたくさんあるけれど、ここからは、特に都立メインの生徒は理社に費やす割合も増やしていきます。
この選択と集中は、科目という枠でなくても有効です。
例えば理科で、「電気は大丈夫」とか「生物分野は大丈夫」とか
そうやって「この単元は問題なし!」といえる状態にしていくと、点数の安定感もでてくるし、上と同じでやるべきことが絞れていく。
だから、全部をまんべんなくやっていくというのはもちろんなのだけれど、とりあえず、「ココ!」という、何か自分のよりどころとなってくれる単元や科目を作り上げていくことが重要なんですね。
私が講習後半、ひたすらに数学は空間図形の基本パターンにこだわっていたのは、こういう理由なんですよ。