【過保護社会】
前回の続きです。
危険なものをある程度避けるのは必要なことなのかもしれません。
ですが、現代社会はその傾向が強すぎるのです。
子どもなんて危険な遊びやいたずらをするものです。
そうして身体的な感覚を養ってくのです。
また、雑菌に触れながらいろいろな物事への耐性もつき、幾度となくケガをして、回復力も高まるのが生物としての機能です。
アトピーの子が増えていますが、あれは自己免疫病の一種で、自分の皮膚を自分の免疫系が攻撃してしまうためにおこるものです。
ところが、母親が家畜小屋に出入りするような生活をしているとアレルギーが起こりにくいということはかなりはっきりとわかっているそうです。
衛生仮説というのですが、綺麗すぎるとかえって免疫が落ちてしまい、他の病気にかかりやすくなるという考え方です。
不潔な方が良いというわけではありません。しかし、それが過度なのです。
砂場に限った話ではありません。
当塾にも置いてありますが、消毒殺菌スプレーなんて世の中にあふれています。
だいたいにして、人間は本来細菌をいくつも自らの体の中に飼っているのに除菌なんておかしいのです。
幼児を相手にしているわけでもないのに、危険は過度に遠ざけ、過度に殺菌する。
とにかくマイナスの感情を抱くようなことから過度に保護する傾向が強いのです。
それでは様々な感覚が養われませ。
免疫系、特に神経系が崩れてしまうといろいろな病気や精神が不安定になりやすい。
今の社会は無菌社会とでもいうべき状況で、同時にその中で生まれ育った子ども達の耐性はどんどん低下しています。
もちろん、精神面でも同様です。
適度な負担、苦労は人を成長させます。
ところが、以前書いたかな?
何でもかんでも子どもの代わりにやってあげてしまう親がいます。
それでは、子どもは必要な精神的な負荷が無く、いつまでたっても幼いままです。
〔続きへ〕