承認を求める社会④ | ZENT進学塾

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【ニコニコ動画というコミュニティー】

 

前回の続きです。

 

十数年ほど前からニコニコ動画というサービスがスタートしました。

 

投稿された動画に対し、自分のコメントを流すことができるものです。

ニコ厨(厨は中毒のネットスラングのようなもの)なんて言葉まで登場し、中高生に大人気のサービスとなっておりました。

もうニコニコ動画自体かなり下火になってきましたが。

 

サービスが開始された当初は、単に新しい面白いものが登場したという理由で利用されていたにすぎませんが、ここから新しい文化が生まれました。

定期的にシリーズものの動画をアップする人や、自身が歌っている動画や、曲に合わせて踊っている動画をアップする「歌い手」「踊り手」といった人たちが現れ、ニコニコ動画内で人気を得てプロさながらの活動を行う人まで登場しました。

 

そこでは、動画をアップする人のコミュニティーが作られ、閲覧者はその中で所属欲求を満たし、動画を上げる人はその動画に対するコメント数や、コミュニティーへの参加者が増えることで承認欲求を満たすという構図が出来上がりました。

 

 

ニコニコ動画登場以前からこういったコミュニティーはネット上に存在していました。

オンラインゲーム内で、匿名掲示板の2ちゃんねるで。

 

「おれら」「おまえら」といった表現を使いながら何かの話題を共有し、所属欲求を満たしあっていました。

それが動画という媒体に変わっただけにすぎませんが、このころからネット文化が大衆化していき、中高生や小学生にまでそのネットコミュニティーは広がっていきました。

 

このころにはネットを媒介にした犯罪や未成年を巻き込んだネット犯罪が取りだたされ、ネット=害悪という構図をよく見かけたものです。

麻薬の売買や援助交際なんて昔から存在していたものであるにもかかわらず。

 

ニコニコ動画はそういった時代背景の中で、投稿者の承認欲求と、閲覧者の所属欲求を同時に満たすことができるメディアとして浸透していったように感じています。

 

YouTuberと言われる人たちもこの流れを汲むものだと思っています。

彼らはそれをビジネスモデルにまで昇華させたという意味において、他の動画の投稿者とは一線を画しますが、コミュニティーの存在や、動画の雰囲気を鑑みるに、さして変わらない存在のように感じます。

 

もう三年ほども前になりますか、ニュースで取りだたされたドローン少年もニコニコ動画へ動画をアップしていた配信者です。

彼がアップする動画に対したくさんのコメントが送られ、中には資金提供をして動画作成の援助を行うものまで現れて。

彼が動画をアップし始めたきっかけは私にはわかりませんが、15歳の少年がそういった中で「得たように感じた承認」は、彼の大きな自信となり、また、「期待されているという感覚」と「自分のコミュニティーを維持していたいという感覚」は歯止めのきかないレベルにまで膨らんでしまっていたのでしょう。

その結果が、あのような事態を招いたと考えています。

 

 

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