承認を求める社会② | ZENT進学塾

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【承認されること】

 

前回の続きです。

 

四つ目の尊厳欲求、つまりは承認欲求が今回の本題となります。

 

人から肯定的に評価されることを承認といいます。

誰しもプライドなり、自信といったものを持っていますが、その根拠となるものが承認です。

精神科医の斉藤環(さいとうたまき)さんは人が自信をもつには大きく三通りしかないと言います。

 

一つ目は社会的ポジション。

大企業に勤めているとか、有名高校に通っているといったこと。

 

二つ目は自分がしてきたことに対する自己評価。

自分の努力の結果勉強やスポーツ、仕事で良い成果を残すこと。

 

そして三つ目が承認です。

 

このなかで斉藤環さんは承認にはとても重要な意味があると言います。

承認はほとんどの人が持っている自信の根拠であり、その理由は社会的なポジションが定まっていなくても、業績を残していなくても自信を持つことができるためです。

つまりそういった積み上げの無い学生にとって、承認されることはこれ以上に無い自信の根拠となるのです。 

 

スマホの普及とともに、SNSも広まっていきました。

SNSの源流がどこにあるのかはわかりませんが(前略プロフあたりだとは思うのですが…)私が高校生の頃からmixiが登場し、SNSは学生を中心に広まっていきました。現在ではmixiは衰退し、TwitterとFaceboo、Instagramkが主流となっています。

 

ツイ廃という言葉があります。Twitter廃人の略です。

廃人とは一般的には病気や障害で日常生活に支障をきたす人を指す蔑称です。

ネット上では「なにかに没頭しすぎている人」を指すスラングです。

 

つまりTwitter廃人とはTwitterばかりやっていて、他に何もしていない人という意味です。

 

そういった言葉が生まれるくらいまでSNSは大きな問題となってきております。

携帯依存症とも近い話です。

情報依存というのが適切なようにも思っていますが、専門家でない私には何とも言えないところです。

 

さて、利用したことがある方なら分かると思いますが、Facebookの「いいね!」やTwitterのリツイート、ファボ、フォロワー数というのはまさに承認で、SNSはその承認を数値化できるようになっているのです。

 

もちろん、大半のSNS利用者はそんなことを考えているわけではありません。ただ、面白いからという理由で、コミュニケーションの一手段という理由で使っているにすぎません。

使う人によっては承認の問題がそこに隠れているということに無自覚なのです。

あたりまえですが。

 

私もTwitter、Facebookともに利用していますが、(Facebookは一切更新しませんが…)日々流れてくる情報を軽く頭に入れるためと、思いついたことをそのままにつぶやくためと、考えを整理するために活用しているにすぎません。

別に誰に見せたいわけでもありません。

脳内をそのままに垂れ流しているだけです。

ですが、不思議なもので、知らぬ誰かにリツイートされたり、フォローされたりすると、なんとなく面白いと感じますし、同じように考える人がいるのかと感じることもあります。

それだけ私自身も実は無自覚に承認されることに対して喜びを感じているのだと思います。

 

先日、「フォロワー数千人以下のアカウントには価値が無い」と言っている子がいました。

理由を聞くと、言葉を詰まらせながら「満足感」と答えていましたが、それはまさに、自分がそれほど多くの人に承認されているということに無自覚に自信を感じているからです。

しかしそれは裏を返せば、その子はそれだけ承認されることに対して欲求があるということにほかなりません。

 

他の子を見ても、一生懸命Facebookを更新してみたり、Instagramに投稿して見たり、「たくさんリツイートしてもらえた」といった発言を聞くと、やはり承認されることに飢えているように感じます。

 

極端なところでは、バカッターという現象が流行りました。(流行るという表現もおかしいですが)

全世界から馬鹿にされ炎上しましたが、あれをやった人たちは「馬鹿な事」であることを承知の上で、仲間内で笑って承認を得ようとして行ったのでしょう。

「いいね!」をもらってなんぼなのです。

 

ところで、SNSにはまる人にはいわゆる「オタク」と言われる人が多いように感じます。

オタクと言われる人たちに共通することは、自分が興味のある内容を、同等に語り合える仲間が身のまわりに少ないことです。

細かい内容になればなるほど、知っている人は少なくなるのですから当然ですね。

 

つまり、三つ目の欲求である社会的欲求は不足しています。

そして、そういった人たちはネット上で共通の趣味を持つ人を見つけます。

近年ではその探す手段はSNSが主流になっているようです。

そこで所属欲求と承認欲求を同時に満たしているのでしょうね。

 

同じく10代中盤から後半の人もSNSにはまる傾向があります。

FacebookよりはTwitter、Instagramのほうがその傾向は強めです。

 

ちょうどそういった物に興味を抱くようになる年齢だから、「面白いからやろうよ」と誘われるからです。

ですが一方で思春期は誰しも人間関係に悩んだり、認められたいという感情を抱くものですので、SNSにのめり込むタイプの人はどこかにそういった悩みを抱えているのではないかなと考えています。

大人になってくるとその辺はどうでもよく、コミュニケーションの一手段として使っている人が多くなります。

 

というか、大人になってまでSNSにどはまりしている人は、なんとなく危ない気がします。

 

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