こんにちは
連日、東京オリンピックの熱い戦いが繰り広げられています
そして…
いよいよ…
明日(今年は7月28日(水))は…
土用の丑の日です
実は…
今まで公言していませんでしたが…
私の大好物は…
第一位:鰻重
第二位:寿司
第三位:麺類
です
はい
その証拠に…
2011年のブログ立ち上げ以来、実に
11回も「鰻」を採り上げていました
はい
しか~し
今まで私は…
「鰻重の何たるか」を
知らぬまま過ごしてきました。
はい
しか~し
この際、思い切って…
「鰻重を知り尽くそう」と
決めました
ありがとう、靖子ちゃん
それでは、私が抱いていた「鰻重」関する疑問点を順番に解き明かしていきましょう
も く じ
1.鰻丼と鰻重の違い
2.鰻丼の歴史
3.なぜ「蒲焼き」というのか?
4.土用の丑の日
5.関西の“地焼き”と関東の“蒸し焼き”
6.鰻の栄養
7.鰻にはなぜ“山椒”なのか
1.鰻丼と鰻重の違い
私の理解は「容器の違い」。つまり“お重”と“丼ぶり”です。
はい
そこで調べてみると…
2019年4月23日放送のTBS系「この差って何ですか?」で特集していました
TBS「この差ってなんですか?」(現在は放送終了)
この番組では、東京の末広町(千代田区外神田)にある創業120年の老舗「うなぎ 久保田」の三代目女将久保田守子さんが、次のように説明しておられます。
うなぎ「久保田」
1) 鰻重の発祥
元々は「鰻丼」から始まりましたが、出前に応えるために「鰻重」が生まれたそうです。
その後、「鰻重」の方が見た目が良く高級感があると、庶民のあいだで評判になり、定番メニューとなりました。
2) 鰻丼と鰻重の差
① 値 段
「うなぎ 久保田」のメニュー(今年7月)を見ると…
鰻丼は1,600円(お昼限定20食)。
これに対して鰻重は、並2,700円、上3,400円、特上4,200円、特製中入れ丼(重)定食5,600円(いずれも小さなお新香付き)と、大きく異なります。
(但し、お新香300円とお吸い物200円は別売り。定食にすると400円増し)
(2019年4月23日放送時の「うなぎ 久保田」)
本当か?
早速、いつも行く近所の人気店で実証してみました
この日(7月25日)も予約客で満席だった「いちまる」
はい
「いちまる」訪問記については、こちらの二つのブログをご覧下さい
こちらが「いちまる」のお昼のメニューです(7月25日)
いちまるでは、鰻丼と鰻重の値段差はそれほどありません
② 鰻の量
鰻丼と鰻重の値段の差は…
鰻の量の違い
にありました。
「うなぎ 久保田」の場合、「鰻重」は「鰻丼」に比べて…
「鰻の量」が1.5倍ほどあるそうです。
(鰻自体は全く同じものを使っているとのことです)
「うなぎ 久保田」の鰻丼と鰻重(上)
(お店のHPによると、鰻丼と鰻重(上)は同じ鰻の蒲焼を
使っているとのこと。それであの値段とは、超お得 )
「いちまる」でも、鰻丼と鰻重を注文してみました。
ご覧ください
「いちまる」の鰻丼と鰻重(上)
鰻の量が多い分、「鰻重」の方が値段が高い
のですね。
TBS「この差ってなんですか?」では、ほかの鰻屋さんに聞いてみたところ、調査した15軒全てのお店が「鰻丼」と「鰻重」の差は「鰻の量」だと答えたそうです。
半面:、
“鰻重”と“鰻丼”が同額という店もあるそうです
「“鰻重”だけの店」や「“鰻丼”だけの店」があるそうです。
(その店その店の“こだわり”なんですね)
ん
ここで疑問が
疑問 ①
なぜ鰻重は鰻丼よりも鰻の量が多いのか
「この差ってなんですか?」では、次のように説明しています
当時使われていた「重箱」はお正月用のもので、「丼」よりも一回り大きかったため、「鰻丼」と同じ大きさの「鰻」を乗せると、ご飯が見えてスカスカな印象になってしまいます。
そこで、「鰻重」は鰻を増量し、その分、値段も高く設定して販売したのだそうです。
イメージ画像をご覧下さい
疑問 ②
出前用の鰻重はどんな形だったのか
この点についても、「この差ってなんですか?」は次のように説明しています
当時、ご飯を「五右衛門風呂」の上において保温していた方法を応用し、お正月など祝いの席で使われていた三段の重箱を使うことにしました。
お湯を入れた重箱を、「鰻重」の上下で挟むことによって、冷めないようにしたのです。
こちらについても、イメージ画像をご覧下さい
ありがとう、靖子ちゃん
2.鰻丼の歴史
そもそも鰻は、今から5,000年前の…
縄文時代から食べられていた
そうです。
今のような鰻の蒲焼が広まったのは…
江戸時代後期
関東(千葉県流山市)でみりんの生産が増え、醤油と和えた蒲焼きのタレとして使われだしたのが大きな要因と言われています。
鰻の蒲焼そして鰻丼は(当時の人口100万人の)江戸庶民を魅了し、蒲焼きの店も増加。
最盛期には…
800軒もの鰻屋さん
があったそうです
鰻の蒲焼きを売る店。裂くのが夫で、焼き方は女房。
看板に「瀬田前」とあるが、これは近江国瀬田のこと。
歌川広重「浄瑠璃町繁華の図」より(国立国会図書館蔵)
また、今の「食べログ」のような…
江戸前蒲焼番付表
まで作られるほど、庶民に親しまれていたそうです
221軒が載っている江戸前大蒲焼番付表(嘉永5(1852)年)
ありがとう、靖子ちゃん
3.なぜ「蒲焼き」というのか?
鰻の蒲焼が今のような開いた形で食べるようになったのは江戸時代からといわれています。
それ以前は、丸ごと串に刺して焼いていて、その形が「蒲(がま)の穂に似たり」という記録が残っています。
蒲の穂
「万葉集」の編纂者としても名高い歌人・大伴家持(718~785年)が和歌に詠んだ時代は、鰻を丸ごと焼いていたと思われるので、内臓(肝)も一緒に食べていたのではないでしょうか。
「石麻呂に 吾物申す 夏痩せに
吉しと云う物ぞ 武奈伎取り食」
(※武奈伎=むなぎ=鰻/食=はめ)万葉集巻16‐3853
「痩す痩すも 生けらばあらむを 波多や波多
武奈伎を漁ると 河に流るな」
(※波多=はた=将/漁=と)万葉集巻16‐3854
ありがとう、靖子ちゃん
4.土用の丑の日
昔から鰻は“薬”として食され、夏やせに良く、精力のつく食べものだと広く知られていました。
食べものの効能などを網羅した元禄10(1697)年刊の「本朝食鑑」には、鰻の効能として「陽を起こす」、つまり性的能力を高める、とあります。
「本朝食鑑」医師の人見必大(1642頃~1701年)著
そのことから、もっとも体力を消耗する盛夏の「土用の丑の日」に鰻を食する風習が広まったと考えられます。
平賀源内が広めたというのは本当か
土用の丑の日に鰻を食べる風習は、江戸時代の蘭学者・発明家の平賀源内が発祥との説があります。
平賀源内(享保13(1728)年~安永8(1780)年)
この通説は「土用の丑の日の由来」として最も知られたものですが、両者を結び付ける明確な資料や著作は存在しないそうですよ。
ありがとう、靖子ちゃん
5.関西の“地焼き”と関東の“蒸し焼き”
関西風は、頭を落とさずに腹開きにした鰻に串を打ち、蒸さずにそのまま焼き上げます。
関東風は、背開きした鰻に串を打ち、白焼きにした鰻を蒸して脂を落としてから焼き上げます。
ん
ここで疑問が
疑問 ①
なぜ関西風と関東風があるのか
世間では、「江戸は幕府のおひざ元。切腹をイメージさせる腹開きは武士たちに嫌われた。故に背開き。」説が支配しています。
しか~し
関西でも、鰻以外の魚は(背開き)ではなく、「腹開き」ですよね。
有力な回答
静岡県島田市にある鰻通販専門店「大五うなぎ工房 本店」HPに、次の説明がありましたので、引用させていただきます
【前 提】
関西の腹開き、関東の背開き、この違いはズバリ、「蒲焼の製法の違い」によるものです。
白焼きした鰻を蒸すと余分な油が抜けるのと同時に、身も大変柔らかくなります。
白焼きを蒸す
ですので、身の厚い背側の部分に串を打たないと、身が柔らかすぎて串のところから身が割れてしまいます。
蒸した白焼きをタレに浸けながら焼く
さぁ、ここからが回答です
【関西風】
関西では腹開きした後に串を打ち、白焼きした鰻を蒸さないので、柔らかすぎて串を打ったところから身が割れてしまうことがないのです。
【関東風】
一方、関東では身の厚い背側から開いた後に串を打ち、白焼きした鰻を蒸すので、串を打ったところから身が割れてしまうことはありません。
【結 論】
背開きは「鰻を蒸してから焼き上げる関東風の蒲焼き製法」が確立される過程で、江戸時代の職人たちが編み出した工夫、合理的な技術だったのです。
ありがとう、靖子ちゃん
疑問 ②
関西風と関東風の境界線はどこか
色々と検索してみましたが…
こちらも、「大五うなぎ工房 本店」HPの説明を引用させていただきます
有力な回答
(出典:「大五うなぎ工房 本店」HP)
【前 提】
静岡市は関東風。関西風のお店は1軒しか知りません。
静岡市から西に進んだ浜名湖、「うなぎパイ」で有名な浜松市に入ると、関西風のお店が7軒ほどあるようです。
さらに西に向かって愛知県に入ってすぐの新城市、豊川市の鰻屋さんに入ると、蒸さない関西風が普通と思います。
県境に沿って北上した設楽町も蒸さない蒲焼でした。ただ、関西風の頭付の蒲焼きは、今のところ見たことがありません。
【結 論】
こう考えると、静岡県と愛知県の県境周辺が、関東風蒲焼、関西風蒲焼の境目になるのではないかと思います。
(明確な境界線をご存じの方は、コメントしてくださいね)
ありがとう、靖子ちゃん
6.鰻の栄養
健康維持やダイエットに欠かせないタンパク質は、アミノ酸の集合体。人間の体も、20種類のアミノ酸で構成されています。
この20種類のアミノ酸のうち、11種類は人体内で作り出すことが出来ますが、残りの9種類は食物から摂取しなければなりません。
この、体内で作ることのできない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。
「アミノ酸スコア」とは、食物に含まれる必須アミノ酸のバランスを100点満点で数値化したもの。100に近いほど、必須アミノ酸のバランスが優れていることになります。
鰻のアミノ酸スコアは「97」。非常にバランスの取れた食品であることが分かります。
ありがとう、靖子ちゃん
7.鰻にはなぜ“山椒”なのか
鰻に山椒をかける文化は、室町時代には始まっていました。
山椒は漢方薬としても用いられ、胃腸を温め消化を助ける効果があるそうです。
山椒のピリッとした辛さや爽やかな香りが、鰻の美味しさをより引き立ててくれるので、脂が乗っているのにさっぱりいただけます。
また、抗菌作用もあるため食中毒予防にも。
昔の人の知恵は素晴らしいですね。
ありがとう、靖子ちゃん
さぁ、明日は
鰻を愉しみましょう
今日の一句です。
私の場合、土用の丑の日の翌日に「鰻パーティ」に出掛けます
ではでは
以上、ろっきぃの“独白”でした