東武鉄道は2025年12月12日、2026年3月14日に実施するダイヤ改正の概要を発表しました。今回はこれについて考察します。なお、記事中の図は、東武鉄道プレスリリースから引用しています。

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1.特急リバティ 増車

 東武日光線を走る特急「リバティ」3往復について、3両から6両に増車されます。

 

 

 増車となるのは、朝時間帯・日中時間帯・夜時間帯の1往復ずつです。朝時間帯の増車は通勤通学需要への対応、日中と夜の増発は、後述する「リバティきぬ」増発によるものとみられます。(リバティけごん3両→リバティけごん3両+リバティきぬ3両=6両)

 

2.特急リバティ 運転区間延長

 春日部始発6:55発の特急「スカイツリーライナー8号」が、南栗橋始発に延長され、「リバティけごん8号」となります。また、東武日光発の初電の発車時刻が1分繰り上がり、南栗橋で「リバティけごん8号」に乗り継ぐことができるようになります。

 

 

 現在、東武日光から初電で東京へ向かう場合、最速ルートだと平日は3回、土休日は2回も乗り換えなければなりませんが、改正後は南栗橋で1回乗り換えるだけでよくなります。日光線の特急は、栃木市や鹿沼市、日光市といった栃木県内の都市から東京へ向かう通勤、ビジネス、行楽客の輸送を担うという使命もあるので、その使命をより生かす形になるといえます。

 余談ですが、特急の名称は「リバティけごん」となります。日光市はおろか、栃木県すら掠っていないのに「けごん」を名乗るのは違和感がありますが、これは特急「スカイツリーライナー」の特急料金が浅草~春日部間にしか設定されていないためとみられます。

 

3.特急リバティきぬ 増発

 下今市~鬼怒川温泉間に、特急列車が1往復増発となります。増発される列車は、浅草~下今市間は「リバティけごん」に併結されます。鬼怒川温泉で観光・宿泊する行楽客への対応とみられます。

 

 

4.東武スカイツリーライン 一部列車急行格上げ

 東武スカイツリーラインの9・10時台の上り準急列車の一部が、急行列車に格上げとなります。

 

 現行ダイヤの春日部発の9・10時台の運行本数は以下の通りです。

  9時台:区間急行1本、準急5本、普通(日比谷線直通)1本

10時台:急行2本、準急4本、普通(日比谷線直通)1本   土休日は急行1本、準急5本、普通(日比谷線直通)1本

 

 日中時間帯は急行6本、普通(日比谷線直通)6本の12本体制なので、9・10時台は日中時間帯よりも本数が少なくなっています。9~10時台は遅い時間帯に通勤する利用者や用務客、土休日であれば行楽客の利用が多い時間帯なので、コロナ禍ならともかく、現状ではこの本数は少ないといえるでしょう。

 なお、準急列車の急行格上げに伴い、普通・区間準急が増発され、急行通過駅の停車本数が維持される見込みです。

 このほか、日比谷線直通の普通列車は、北千住~北越谷間はワンマン運転となります。

 

5.伊勢崎線 増発

 伊勢崎線の太田~伊勢崎間で、朝時間帯で1本増発となります。既存の館林発太田行きが、伊勢崎行きに延長されます。

 

 

 増発されるのは7時台後半の時間帯です。ちょうど通勤・通学時間帯のピーク時にあたるとみられ、混雑緩和と利便性向上を目指した改正と言えます。

 

 伊勢崎線ではこのほか、一部列車が3両から2両に減車となります。また桐生線では、一部の赤城行き列車の新桐生駅の発着のりばが2番線から1番線に変更となります。新桐生駅は、1番線側にしか改札口がないため、2番線へは階段を使わないと行き来できないため、行き違いのない列車は1番線に停車させることで、利便性向上を図るというわけです。

 

6.まとめ

 いかがでしたでしょうか。個人的にはスカイツリーラインの午前中の上り列車の本数の少なさは是正されないのか、と思っていたため、今回改正されることになってよかったと思います。

 全体的には小幅な改正ですが、ネックとなっているポイントを改善したダイヤ改正といえるのではないでしょうか。今後の展開に注目です。

 JR東海は28日、おトクなきっぷの一部な改定を行うことを公表しました。今回はこれについて、名古屋エリア~豊橋エリアのおトクなきっぷの切符の廃止にスポットをあてて考察します。

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1.名古屋~豊橋 おトクなきっぷの廃止

 プレスリリースによると、廃止となるのは以下のきっぷです。

 

(1)新幹線名古屋往復きっぷ

(2)新幹線豊橋往復きっぷ

(3)名古屋往復きっぷ

(4)豊橋往復きっぷ

(5)JR名古屋⇔豊橋 カルテットきっぷ

 

 (1)(3)は豊橋エリアから名古屋市内の駅へ行って帰ってくる用のきっぷ、(2)(4)は名古屋市内の駅から出発して豊橋エリアや新城・本長篠エリアに行って帰ってくる用のきっぷ、(5)は双方向に設定されているきっぷとなっています。

 (1)(2)は新幹線で往復するタイプのきっぷで、「ひかり」「こだま」の自由席に乗ることができます。(3)~(5)は在来線で往復するタイプのきっぷとなっていますが、(3)~(5)については片道あたり平日520円、土休日400円で販売される新幹線変更券を購入すれば、新幹線の自由席に乗ることもできます。

 

2.名古屋~豊橋 価格比較

 ではここで、名古屋~豊橋間の価格を比較してみましょう。

 

 新幹線往復きっぷを見ると、土休日は片道あたりの価格が通常運賃よりも安いという、破格の設定です。在来線タイプの往復きっぷを見ても、片道あたりの価格が平日でも390円、土休日はなんと560円も安くなっています。

 JR名古屋⇔豊橋カルテットきっぷは、4枚つづりのおトクなきっぷで、平日は往復きっぷよりも安くなっています。少し課金すれば新幹線に乗ることもでき、コストパフォーマンスが絶大のきっぷでした。

 なぜこんなにも破格なきっぷを発売していたかーそれはライバル、名鉄の存在があるからです。名古屋~豊橋間の運賃や所要時間を比較すると、両社ともほぼ拮抗しています。そのため、両社とも破格にお得な切符を出しているわけです。

 しかし、その破格すぎる設定はさすがに看過できなかったのか、JR東海はこれらの往復きっぷを一斉に廃止することを決定しました。その代替として、「EX早特1」を新たに名古屋~豊橋間に設定するというわけです。

 注目すべきは、名古屋~豊橋間のEX早特1の金額です。「エクスプレス予約」や「スマートEX」から、1日前までに購入するだけで、なんと通常運賃+60円で「ひかり」「こだま」の自由席に乗れてしまうのです!!

 片道あたりの価格をみると、平日の新幹線往復きっぷよりは安いので、代替商品としての機能を果たしているといってよいでしょう。

 

3.特急「南紀」関連 おトクなきっぷの改定

 新たに「在来線特急指定席早特3」が発売される一方、「南紀特急回数券」「南紀往復割引きっぷ」が廃止となります。「在来線特急指定席早特3」は、3日前までにJR西日本の「e5489」で予約するとお得な切符になっています。JR東海は、在来線の特急列車の予約サイトを持っておらず、在来線特急の予約についてはJR西日本の予約システムを使うという形になっています。

 改定前後でどのように変わるのか、比較してみましょう。

 

 

 確かにおトク…ではあるのですが、在来線指定席早特3の場合、割引価格は一律200円となっています。しかも、三瀬谷・新宮・紀伊勝浦発着の設定はなく、これらの駅を利用する場合は単純に値上げとなってしまいます。現行の「南紀往復割引きっぷ」と比べて大きく見劣りすること、ネット予約へ移行させるにしても、予約できない区間があるというのは少し問題ではないかと感じます。他社のプラットフォームであるe5489を使用する手前、設定に制限があったのでしょうか。

 

 

 現行では、特急「南紀」の自由席を複数回もしくは複数人で利用する場合、「南紀特急回数券」(4枚つづり)が便利です。

この回数券は、幅広い区間に対応していたため、使い勝手がよかったのですが、こちらも廃止となってしまいます。

 

4.まとめと今後の展望

 いかがでしたでしょうか。エクスプレス予約・スマートEXの商品改定と同様、通常のおトクなきっぷについても、紙のきっぷで割引額が大きいものが次々に廃止または値上げになっている傾向がみられました。

 JR東海としても、収益確保のためのおトクなきっぷの廃止や、ネット予約強化による紙のきっぷや券売機の縮減を狙った動きがここ数年出ており、今後もこのような施策が続いていくとみられます。

 また、名古屋~豊橋間のおトクなきっぷが一斉に廃止されることで、名鉄の「なごや特割2」は相対的にかなり安くなることとなります。 「なごや特割2」は、名鉄名古屋~豊橋間の往復乗車券タイプのきっぷであり、上表のとおり通常運賃より大幅に安くなっています。

 ただ、名鉄もこの春のダイヤ改正で、一部路線で大幅減便を行うなど、厳しい状況下にあるとみられます。そのため、遅くとも来年までには、この「なごや特割2」も価格改定がなされる可能性が高いとみています。

 今後、紙のきっぷ(おトクなきっぷ含む)がどのように扱われていくのか、ネット予約への移行がどのように進むのか、注目です。

 JR東海は28日、エクスプレス予約・スマートEXの商品改定について公表しました。今回はこれについて考察します。なお記事中の図は、JR東海プレスリリースから引用しています。

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1.EX早特7

 7日前までの予約でおトクに利用できる「EX早特7」について、新たに対象区間が設定されます。

 

 

 新たに追加されるのは、岡山・広島~熊本・鹿児島中央間です。約2,000円おトクになるので、中国地方~熊本・鹿児島間の移動がますます便利になります。

 

2.EX早特21

 21日前までの予約でおトクに新幹線を利用できる「EX早特21」の対象区間が広がります。

 

 

 新たに追加されるのは、新大阪・新神戸~熊本・鹿児島中央間です。熊本への往復で約4,000円、鹿児島中央への往復で約5,000円もおトクとなる、ものすごい商品です。

 しかし、1点だけ気を付けたいのは、EX早特21は購入後の予約変更ができないということです。もし違う列車へ乗車変更する場合、一度予約を取り消しして、再度別列車を予約する必要があります。この際、取消手数料がかかってしまうため、予定が確定している場合に使うとよいでしょう。

 

 いずれの早特商品も、山陽新幹線~熊本・鹿児島中央間を往来する人向けに設定されています。熊本や鹿児島へ向かう場合や、熊本や鹿児島にお住まいの方や関西や中国地方へ出かける際に役立ちそうです。

 

3.EX早特1

 新たに、名古屋~豊橋間が設定されます。価格は1,400円です。実は、名古屋~豊橋間にEX早特1が新設されたのには理由があるのですが、それについては下記記事で詳しく解説しておりますので、こちらをご覧ください。

 

 このほか、東京・品川~小田原間と米原~京都・新大阪間の価格が上がります。

 

 

(1)東京・品川~小田原

 まず、EX早特1の料金改定後(4月1日以降)の東京・品川~小田原間の運賃や料金を比較してみましょう。(下表は当局作成)

 

 

 小田原~東京間については、160円の値上げとなります。この背景には、利用者が多いことに加え、JR東日本が実施予定の運賃改定も関わっているとみられます。

 JR東日本が3月に実施する運賃改定において、東京~小田原間の運賃は70円値上がるため、EX早特1の価格が変わらない場合、EX早特1が相対的に安くなることになります。利用者の多い区間とみられるところで、普通列車グリーン車や特急踊り子より300円ほど出せば新幹線に乗れてしまうという状況は見過ごせなかったとみられ、価格を改定することにしたとみられます。それでも、通常料金より320円安いのでおトクであることには変わりありません。

 

(2)米原~京都・新大阪

 次に、米原~京都・新大阪間の運賃・料金を比較してみます。

 

 

 米原~京都~新大阪間は、新幹線(東海道新幹線)はJR東海、在来線(東海道本線 愛称:琵琶湖線・京都線)はJR西日本が管轄しており、ライバル関係にあることから、早特1の料金がとても安く設定されています。

 通常運賃に500円余り課金すれば新幹線に乗れるような状況であるため、さすがに見過ごせなくなったとみられます。米原~新大阪間は一気に1,000円上がりますが、それでも1日前に予約さえすれば1,000円も安く利用できるので、おトクであることには変わりありません。

 

4.e特急券 廃止

 今回の改定で一番話題に上がっているのが、e特急券の廃止です。エクスプレス予約の基幹商品には、運賃と特急料金が一体となっている「EXサービス」という商品と、特急券だけの商品である「e特急券」の2種類がありますが、このうち「e特急券」が廃止となります。

 「e特急券」は、「エクスプレス予約」(有料会員)が購入可能であり、年会費無料の「スマートEX」の会員は購入することができません。

 「エクスプレス予約」と「スマートEX」の違いについてや、「EXサービス」「e特急券」について詳しく知りたい方は、下記記事で解説しておりますのでこちらもご覧ください音譜

 

 

 e特急券は、JRの在来線に乗る距離が長い時に重宝します。乗車券部分は発駅から着駅まで通して購入するほうが安いので、券売機等で紙のきっぷを購入し、特急券はエクスプレス予約の「e特急券」を購入して組み合わせるというのが、旅費を安く抑える技の一つなのですが、それも来春以降はできなくなります。

 e特急券を廃止する理由は、乗車券や特急券の販売をネット予約へ移行させたいというのが狙いとみられます。往復割引や乗継割引の廃止と同様に、紙のきっぷを購入したほうが安いというシチュエーションを発生させたくないという意図を感じます。

 

5.おわりに

 いかがでしたでしょうか。年会費が発生する「エクスプレス予約」の会員である大きなメリットの一つが、e特急券を購入できることだったため、SNS上ではe特急券の廃止を残念がる声や、有料会員の解約を検討する声があがっています。

 ここ数年、EX予約の割引や特典が急速に縮小傾向にあります。縮小しても大きな乗客離れにはつながらないほど移動手段として新幹線が優位に立っていることや、東海道新幹線で収益をより確保したいという意図があるとみられます。

 本当は普通運賃を上げたいのだと思いますが、巨大な黒字路線である東海道新幹線を抱えている以上、なかなか普通運賃を上げることはできない、そのために利益率や利用客が高い水準を誇る東海道新幹線がらみの割引や特典を縮小して収益を確保するーそういった状況にあるのではないかと思います。

 今回のe特急券廃止により、私自身もエクスプレス予約の有料会員を解約するか、実は正直迷っています。エクスプレス予約ユーザーにとっては、痛い廃止になりそうです。

「エクスプレス予約で新幹線のきっぷを買うと安いって聞くけど、そもそもエクスプレス予約ってなんなの?」

「エクスプレス予約を使うと、どれくらい安くなるの?」

「エクスプレス予約とかスマートEXとか聞くけど、どう違うの?自分はどれを使うとお得なの?」

 

 「エクスプレス予約」「スマートEX」は、東海道・山陽・九州新幹線の指定席を1年中お得に利用できる会員制予約サイトです。年会費1,100円が必要となる「エクスプレス予約」と、年会費が無料の「スマートEX」の2つがあります。

 

1.エクスプレス予約やスマートEXを使うメリット

 まずは両者に共通するメリットについて説明したいと思います。

 

(1)PCやスマホから、オンラインできっぷを購入できる

 1つ目のメリットは、PCやスマホを使って購入することができます。窓口や券売機に並んで買う必要がないので、早く簡単に新幹線の予約ができちゃいます音譜JRの駅から遠い場所に住んでいる方は、なおさら重宝するでしょう。

 1年前から予約可能で、予約可能時間も5:30~23:30と幅広いです。座席表を見て予約できるので、いつでもどこでもお好みの座席を予約することができてしまうのです!!

 

(2)手数料なしで、何度でも変更できる

 何度でも変更できる、これもエクスプレス予約の大きな強みの一つです。通常、窓口や指定席券売機で購入した場合、変更は1回しか行うことができず、2回目以降は一旦払い戻したうえでもう一度買い直さなければいけません。しかも、紙の指定券の変更は窓口に行かないといけないので、なかなか面倒です。

 しかし、エクスプレス予約やスマートEXであれば、PCやスマホでさくっと変更ができてしまいます。「出先での予定が長引いたから乗車便を遅らせたい」「予定が早く終わったから当初予定より早い便に乗ってさっさと帰りたい」ど、予定が変わっても柔軟に対応できるのです!!

 

(3)通常よりもおトクに利用できる!

 エクスプレス予約やスマートEXで予約すると、通常料金より安く、お得に新幹線を利用することができます。標準タイプの商品だけでなく、早く予約すると割引率が大きくなる商品(早特商品)も設定されています。

 

 このように手軽に、おトクに新幹線を利用でき、予約変更もラクラクで柔軟性も高い、それがエクスプレス予約の強みです。

 

2.基本となる商品

 次に、エクスプレス予約の基本となる商品を2つ紹介します。

(1)EXサービス

 エクスプレス予約の一番基本となる商品が、この「EXサービス」です。乗車券と特急券が一体的になっている商品で、通常料金より安く設定されています。

 

(例1)東京駅~新大阪駅

通常    :8,910円(乗車券)+5,810円(特急料金)=14,720円

EXサービス :14,230円

 

 ご覧の通り、EXサービスを利用すると14,320円であり、通常料金より490円おトクです。なお、割引額は区間により異なり、東京~名古屋間は420円、東京~広島間は580円などとなっています。

 また、あらかじめ自身の交通系ICカードを登録して紐づけしておけば、当日はICカードを改札機にかざすだけ。チケットレスで乗車もできちゃいます音譜

 ただし、1点だけ注意点があります。それは、JRの在来線区間は別運賃となることです。

 

(例2)千葉駅~大阪駅 ※通常期 普通車指定席特急利用

通常   :運賃(千葉~大阪)9,460円+特急料金(東京~新大阪)5,810円=15,270円

EXサービス:運賃(千葉~東京)  660円+EXサービス(東京~新大阪)14,320円+運賃(新大阪~大阪)180円=15,160円

 

 このように、EXサービスを使った場合、在来線部分(千葉~東京・新大阪~大阪)は別途運賃が発生します。在来線部分が長い場合はEXサービスを使うと通常料金より高くなるケースもあります。

 

(2)e特急券(「エクスプレス予約」のみ、2027年3月末をもって廃止)

 次に紹介するのが、「e特急券」です。「EXサービス」が乗車券・特急券が一体となっている商品なのに対し、「e特急券」は特急券だけの商品であり、乗車券は別途購入する必要があります。

 「e特急券」を使うと、通常よりおトクに特急券を購入することができます。再び東京~新大阪間を例にとると、

 

通常:5,810円 e特急券:5,320円

 

 このように、東京~新大阪間の場合は490円おトクになります。割引額はEXサービス同様、区間により異なります。

 

(例1-2)東京駅~新大阪駅

 「e特急券」が効力を発揮するのは、在来線区間が長くなる場合です。先ほどの千葉~大阪間の例をあげると、

 

乗車券+e特急券:運賃(千葉~大阪)9,460円+e特急券(東京~新大阪)5,320円=14,780円

 

 となり、EXサービスを使うよりも、エクスプレス予約で「e特急券」で購入し、乗車券は券売機等で別途購入して組み合わせて使うほうがお得になります。例えば、大阪~岡山~松江、JRの在来線部分に長く乗る場合、e特急券は非常に重宝します。

 

3.エクスプレス予約とスマートEXの違い

 ここで、年会費が必要な「エクスプレス予約」と、年会費無料の「スマートEX」の特徴を比較してみましょう。

 

 

 エクスプレス予約・スマートEXの大きな違いは2つあります。一つは「EXサービス」です。どちらも「EXサービス」は設定されているのですが、エクスプレス予約のほうは区間が長いほど割引額が大きくなるのに対し、スマートEXは区間によらず、通常価格より200円割引にとどまります。

 そして、もう一つの大きな違いはe特急券です。e特急券は「エクスプレス予約」(有料会員)のみの販売となっており、「スマートEX」会員は購入することができません。

 結論としては、

 

・新幹線の指定席やグリーン車に乗る機会が頻繁にある

・年1回以上、関東~関西もしくはそれ以上の距離を新幹線で移動することがある

・年1回ほど新幹線を利用する機会があり、新幹線駅までJRの在来線に乗る距離が長い

 

 こうした方はエクスプレス予約の有料会員になるほうがよいでしょう。一方、

 

・新幹線の指定席やグリーン車に乗る機会はさほどないが、予約はPCやスマホから行いたい

・自分が持っているクレジットカードではエクスプレス予約の有料会員特約に申し込めないが、自分が持っているクレジットカードで決済を行いたい

 

 こうした場合は「スマートEX」を利用するとよいでしょう。有料会員の方は対象となるクレジットカードが「スマートEX]より限られること、申し込み手続きに時間がかかるという側面もあるので、そうした点も考慮するとよいでしょう。

 

4.まとめ

 いかがでしたでしょうか。エクスプレス予約やスマートEXの会員になることで、新幹線の予約や乗車列車の変更が早く簡単にできるほか、お得に新幹線を利用できます。

 有料会員と無料会員の違いは、割引額の大きさとe特急券の有無にあります。このe特急券は特に重宝するものだったのですが、2027年3月末をもって発売終了することが明かされました。これについては別記事で解説いたしますので、そちらもご覧ください。

 JR九州は昨年12月12日、2026年3月14日に実施するダイヤ改正の概要を発表しました。今回は宮崎エリアについて考察します。なお、記事中の図はJR九州プレスリリースから引用しています。

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1.宮崎空港 アクセス改善

(1)早朝時間帯

 特急「ひゅうが1号」の発車時刻が繰り下がり、宮崎空港でより始発の航空便にスムーズに乗り継げるようになります。

 

 

 宮崎空港からの始発の航空便は、羽田行きが7:35発(ANA)・7:45発(JAL)、大阪(伊丹)行きが7:35発(ANA)、名古屋(中部)行きが7:45発(ANA)、福岡行きが7:35発(JAL)となっています。つまり、7:35~7:45の間は、大都市へ向かう飛行機が

次々と飛び立つ”ラッシュ”の時間帯にあたり、この時間帯にあわせたダイヤとするというわけです。

 さらに、発車時刻が繰り下がることにより、日豊本線の都城発の始発列車から新たに「ひゅうが1号」へ乗り継ぐことが可能となります。現行ダイヤでは空港連絡バスを使わない限り、宮崎空港7:35発の各航空便に乗ることはできませんが、改正後は鉄道利用も可能となるので、その点をみても画期的な改正といえます。

 また、普通列車の運行時刻も変更となります。

 

 

 改正後は「ひゅうが1号」より先に延岡駅を出発し、日向市で待避するダイヤとなります。

 

(2)夜間時間帯

 特急「ひゅうが14号」及び普通延岡行き最終列車の発車時刻が10分繰り下がります。

 

 

 主要都市からの最終便をみてみると、羽田発、名古屋(中部)発は21:00着(ANA)、大阪(伊丹)発は20:55着(ANA)、福岡発は21:00着(JAL)と集まっています。20:55~21:00はまさしく夜のゴールデンタイムなわけで、その時間帯に合わせたダイヤとなります。

 

2.日豊本線

(1)朝時間帯

 延岡発南宮崎行き、佐土原発宮崎空港行き、田野発宮崎行きがそれぞれ1本ずつ増発されます。

 

 宮崎に7時半少し前に到着する列車が新たに設定されるので、通勤通学面では非常に使い勝手が良くなるでしょう。

 

(2)日中・夕夜間時間帯

 日豊本線(宮崎~延岡)において、パターンダイヤが導入され、毎時の発車時刻が揃えられます。

 

 

 宮崎から延岡へ向かう列車は、毎時05分発が普通延岡行き、毎時30分発が特急列車と統一されます。宮崎空港発の列車も特急列車が毎時15分発、普通列車が毎時45分発となり、普通列車は1本を除き全て延岡まで直通運行されます。

 16~18時台は毎時05分発の普通延岡行きに加え、毎時40分発の普通高鍋行きが追加されるというダイヤになっています。現行のダイヤは日中時間帯に2時間、夕方時間帯に50分空く時間帯がありますが、最大運行間隔が1時間に是正され、夕ラッシュ時の宮崎~高鍋間は35分、25分間隔での運転となるため、混雑緩和と利便性の向上がとても期待できる内容となっています。

 

 宮崎から都城方面へのダイヤもみてみます。鹿児島中央行き特急「きりしま」は20分発、普通列車は毎時50分発となり、分かりやすくなります。一方、南宮崎18:07発と宮崎19:40発の普通田野行き2本は、南宮崎行きに短縮されます。

 

(3)夜間時間帯

 宮崎駅から各方面への最終列車の時刻が繰り上がります(日南線含む)。

 

 

 

 高鍋行きは30分、都城行きは15分、油津行きは56分、それぞれ最終列車が繰り上がります。青島行き最終は22:30発に設定され、宮崎→青島間は今とあまり変わらない形となります。最終列車の発車時刻も覚えやすいものになりました。

 

(4)特急きりしま 停車駅削減

 宮崎と鹿児島中央を結ぶ特急「きりしま」について、鹿児島中央行き3本、宮崎行き4本が清武駅を通過となります。これにより、清武駅の特急停車は朝と夕夜間のみとなります。

 

 

3.吉都線

 都城15:45発、17:41発の2本の普通列車が1本に統合され、都城16:12発となります。沿線の高校からの下校客にあわせた措置としています。これにより、都城発吉松行きは1本減便となります。 

 かわって、平日運転の吉松行き最終列車が毎日運転となり、土休日は2時間ほど最終列車が繰り下がります。

 

4.日南線

 南宮崎~青島間で7本、油津~南郷間で1本増発となる一方、青島~油津間で2本、南郷~志布志間で4本減便となります。宮崎~青島間は毎時1本程度の運行となる一方、志布志側については2往復削減となり、日中の運行がほぼなくなります。また、快速日南マリーン号は深夜の南宮崎行き最終列車のみとなり、下りについては廃止となります。エリアによって、明暗がくっきりと分かれた印象です。

 

 

5.特急「海幸山幸」停車駅・時刻変更

 土休日を中心に運行されている観光特急「海幸山幸」について、宮崎発の下り列車が新たに宮崎空港駅を経由します。また、子供の国は通過に変更となります。

 

 

 南郷へと向かう特急「海幸山幸」は、田吉から寄り道して宮崎空港に向かい、10時ちょうどに宮崎空港を発車します。羽田発の第1便が8:35着(ANA)、大阪(伊丹)発の飛行機が8:20着(JAL)・8:40着(ANA)、福岡発の航空便が8:00着(JAL)・8:10着(ANA)、台北からの航空便(月・金曜運航)が9:20着となっており、これらの航空機から乗り継ぐことが可能です。  

 観光列車が空港へ立ち寄り、遠方からやってきた観光客を乗せて日南の観光地へ送るという、いい流れを作る改正だと思います。

 

6.まとめ

 いかがでしたでしょうか。パターン化により運行間隔も揃うこととなり、使い勝手のダイヤへと進化するといえます。実を言うと減便している区間もありますが、パターンダイヤ化によって運転間隔が均一になったことで、利便性低下が抑えられている感があります。

 現行ダイヤでは、下り方面は宮崎駅で特急「にちりん」「ひゅうが」と「きりしま」との乗り継ぎが考慮されていますが、改正後は乗り継ぎが不便になります。それでも、宮崎~延岡間と宮崎市中心部の利便性を重視して、パターンダイヤ化に踏み切ったとみられます。

 また、宮崎空港アクセスについてもとても積極的で、宮崎空港のアクセスに鉄道という選択肢が加わるに十分な要素を持ち合わせていると思います。

 今回のダイヤ改正の支社プレスリリースは、「宮崎エリアダイヤ 新生!」と銘打つほど、気合や意図を強く感じる内容になっています。申請ダイヤが利用にどのような変化を起こすのか、注目です。