※しろはんどさんの企画みたいな感じですが、2画面同時再生ではなく時刻表上で競わせる形となります。予めご了承ください。

 

 こんにちは、ひこぼし交通局です。今回は敦賀→京都間にて、新快速と最速の普通列車、どちらのほうが速いのか検証してみたいと思います。

「お前は何を言っているんだ、新快速の圧勝に決まってるだろ」という声が聞こえてきそうですが、湖西線内の新快速は各駅停車区間も長いなどの理由から、京阪神エリアほど速くありません。

 それならば、一番速い普通列車であれば、新快速と競っても善戦するのではないかと考え、検証してみることにしました。

 

途中停車駅

新快速:新疋田・近江塩津・永原・マキノ・近江中庄・近江今津・新旭・安曇川・近江高島・北小松・近江舞子・堅田・比叡山坂本・大津京・山科(15駅)

普通:各駅(22駅)

 

 新快速・普通はいずれも北陸本線・湖西線と同じ経路を通ります。新快速は停車駅が7駅少ないため、新快速ががぜん有利な状況です。それでは、いざ対決!!

 

 

 というわけで、結果はまさかの引き分けとなりました。どうしてこのような結果になったのか、経過にしたがって解説します。

 

 序盤は両者とも各駅に停車していくので、お互い同じペースで進んでいきます。しかし、近江今津に到着する段階で、新快速がまず遅れをとります。

 というのも、大阪方面行きの新快速は、近江今津で前方に8両編成の車両を増結する関係で、近江今津駅には徐行で進入します。普通列車が近江中庄駅から近江今津駅まで4分で到達しているのに対し、新快速が同区間で7分かかっているのはそのためです。

 さらに新快速は、近江今津駅で増結作業の仕上げ等で12分も停車します。新快速が近江今津駅を発車する

段階で、普通列車は北小松駅手前に達しており、距離にして約15km、時間にして15分もリードするというまさかの展開になってしまいます。

 次に局面が動いたのは近江舞子駅、普通列車はこの駅で特急の通過待ちのため5分停車する一方、新快速はすぐに発車し、リードは10分差に縮まります。

 そして、新快速は近江舞子駅を出ると快速運転を開始し、普通列車を追い上げていきます。堅田駅では新快速・普通ともすぐに発車しますが、普通列車とは4分差まで迫ります。

 新快速はおごと温泉、唐崎を通過し、大津京でついに普通列車との差がゼロになります。しかし、そのあとは両者とも山科・京都の順に停車するため、京都には同時ゴールとなりました。

 なお、このダイヤは土休日ダイヤであり、平日は普通列車が山科駅で2分ほど停車するため、新快速が薄氷の勝利となります。

 

<戦評>

 いかがでしたでしょうか。新快速は快速運転区間ではその実力を最大限に発揮する一方、湖西線内は各駅停車区間も長い上、近江今津駅で長時間停車するため、実はロスタイムも多いのです。

 両者が経由する湖西線は、全線高架で線形もよく、駅間も長いため、普通列車もスピードも出して走ります。そして、2024年3月ダイヤ改正からは、JR化以降の車両に統一された関係で、普通列車がしれっとスピードアップしており、例えば京都~近江今津間では約5分所要時間が短縮されています。

 
 そうした背景もあり、新快速が圧倒的有利に思われたこの対決で、普通列車は引き分けに持ち込むことができたというわけです。
 とはいえ、特急「サンダーバード」は敦賀~京都間を55分で走破するので、新快速に30~40分差で圧勝しています。京都~敦賀間を移動するのであれば、特急列車一択と思いますが、もし夜にお金を節約しつつ敦賀から京都方面へ向かいたい場合は、この普通列車を使うのもいかがでしょうか??