2023年12月24日(日)、JR武蔵小杉駅に新しい改札「綱島街道改札」が供用されています。ここでは、この新しい改札についてのミニレポートです。

 

 

https://www.city.kawasaki.jp/500/cmsfiles/contents/0000082/82006/joukyouannai.pdf

 

1.武蔵小杉駅について

 武蔵小杉駅は川崎市中原区にある駅で、JR南武線・JR横須賀線・東急東横線・東急目黒線が乗り入れています。相鉄・JR直通線は武蔵小杉駅の南側から分岐しており、羽沢横浜国立大・海老名方面へつながっています。

 もとはJR南武線と東急東横線の2線が乗り入れていましたが、2000年に東急目黒線が延伸して武蔵小杉まで乗り入れるようになり、2010年にはJR横須賀線に武蔵小杉駅が設置されました。

 JR横須賀線は、南武線や東急東横線の武蔵小杉駅から東に少し離れたところを通っているため、横須賀線の武蔵小杉駅と南武線・東急東横線との乗換には徒歩で8~10分ほどかかります。

 

2.概要

 綱島街道改札は、JR武蔵小杉駅の新しい改札であり、武蔵小杉駅の北東部に設置されています。(下図はJR東日本プレスリリースから引用)

 

 かつて武蔵小杉駅には北改札しかありませんでしたが、横須賀線の武蔵小杉駅設置に伴い、2010年に「新南改札」が設置され、昨年に綱島街道改札が設置されて今に至ります。

 

3.実際に行ってみた

 2024年1月、実際に綱島街道改札を現場調査してきました。ルートは下図のとおりです(令和5年12月5日付川崎市プレスリリースから引用)

 

 東急線の武蔵小杉駅から、横須賀線の武蔵小杉駅を目指します。東急線の改札を出て右に曲がると、東口のバスロータリーがあり、綱島街道改札への案内が掲示されていました。

 

 指示に従って横断を渡り、右折した先で東急線の武蔵小杉駅方面を向いて撮影。ちょうど上の経路図の③のあたりです。

 

 横断歩道を渡って右折してからは、ひたすら道なりに進みます。

 こんな道を進んでいきます。「新丸子東地下通路」への案内がありますが、こちらへ進むと東横線の新丸子駅方面へ行ってしまいます。ここは左折せずに直進します。

 

 横須賀線ホーム側から東急線ホーム方向を向いて撮影。歩道も整備されており歩きやすいです。

 

 やがて連絡通路へ入り、綱島街道(県道2号線)と東海道新幹線を連続してくぐります。この綱島街道は東京と横浜を行き来する主要地方道で、交通量も多いのですが、そんな道を信号なしでパスできるのがこのルートのいいところです。

 右へのカーブを抜けると、目の前に綱島街道改札がでんとお目見えします。

 

 改札内部から外を見るとこんな感じです。

 

 

 床のコンクリートの色が違っていますが、左側は横須賀線武蔵小杉駅開業時から供用されていた部分、右側が綱島街道改札オープン時に新たに供用された部分です。

 

 2023年1月に調査した際は、まだ整備中で、綱島街道改札へ続く部分も白い壁で塞がれていました。

 

4.なぜ綱島街道改札が必要なのか

 最後に、なぜ綱島街道改札及び連絡通路の設置がなされたかについて触れたいと思います。その理由はずばり、横須賀線と東急線との乗り換えが不便であることと、南武線ホームの混雑対策にあります。

 綱島街道改札供用前は、横須賀線(3・4番線)と東急東横線・東急目黒線を乗り継ぐ場合、次の2つのルートとなっていました。

 

(1)南武線の立川方面行きホーム(2番線)を経由して北改札を通る

 1つは、北改札を使うルートです。このルートは全て屋根がついているので、雨の日でもぬれずに乗換が可能です。しかし、乗り換えルートの一部に南武線のホームが含まれており、ホーム上が非常に混雑することが問題となっていました。

 

 上の写真は、南武線のホーム(2番線)の様子で、横須賀線→東急線方向を向いて撮影したものです。撮影時は日中だったためそこまで混雑していませんが、平日の朝夕を中心に南武線の列車を待つ客と横須賀線の乗降客・横須賀線と東急線との乗り継ぎ客が多数ホーム上に流れ込み、行き来がしづらく、安全上にも問題が出かねない状況でした。列車の待機列を4列にするよう促すなどの対策がとられていましたが、混雑緩和には至っておらず、抜本的な対策が必要でした。

 

(2)新南改札ルート

 

 もう1つのルートは、新南改札を通るルートで、以下のとおりとなります。

 

 

 歩道が整備されていて歩きやすいのですが、外なので雨の日は傘が必要となります。また、途中に2か所信号があり、特に綱島街道(県道2号線)との交差点で赤信号に引っかかると1分程度待たされ、タイムロスが発生しやすいのが難点です。

 

 このように、どちらのルートを使うにせよ、横須賀線と東急線との乗り継ぎが不便ということがあり、新たな乗り換えルートと改札を整備しようということになったわけです。

 

5.まとめ

 いかがでしたでしょうか。武蔵小杉駅は横須賀線の新駅設置以降、交通の要衝としての役割がさらに向上し、利便性がものすごく高いエリアになりました。タワーマンションも多く建設されて地域人口も増えました。そのぶん、地元客と乗り換え客がどちらも増加し、乗り換えルートの混雑が大きな問題になってしまいました。

 正直言って、新しい乗り換えルートも、以前からある乗換ルートと比べてそこまで距離は変わらないのですが、混雑する南武線ホーム上を歩かなくて済むので安全であること、信号を気にせずに行き来できるので、体感的には距離が縮まったことを実感できました。

 今回の改札・連絡通路整備により、南武線ホームの混雑緩和がどれほど緩和されるのか、そして乗り換え客の分散が進むのか、今後も注目です。