横浜市交通局や京都市交通局など、公営企業が運行するバスは、一般道を走る路線バスというのが一般的です。しかし、横浜市交通局が運行する市営バスの路線の中には、高速バスといってもいいような路線が存在しています。それが、横浜市交通局が運行する市営バス路線「109系統特急」です。このたび、この”高速バス”に乗ってみたので、その模様をレポートします。

 

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12月1日(金)横浜市営バス17系統急行 国道駅前15:56(15:54)→スカイウォーク入口16:10(16:08)

 

 JR鶴見線の国道駅の現場調査を終え、ここからまずは大黒ふ頭へ移動します。乗車したのは横浜市営バス17系統で、鶴見駅から大黒ふ頭エリアを巡回し、鶴見駅へ戻るというバス路線です。

 

 

 この17系統、日中時間帯と日祝日は各停として運行されますが、平日・土曜の朝夕は「急行」として運行されます。急行は鶴見駅から明神前までは各停留所に停車するのですが、明神前を過ぎると大黒ふ頭までノンストップで走り、途中の8つの停留所を全て通過します。大黒ふ頭への通勤客への利便性を確保するための設定ですね照れ

 なお、通過する停留所については、鶴見駅とさとうのふるさとを結ぶ市営バス181系統が停車することでカバーしています。

 国道駅前の時点で7,8人いた乗客は、明神前発車時点で4名になりました。急行運転中は次々にバス停を通過していくのでなかなか心地よかったです爆  笑

 スカイウォーク入口で、私を含め2名下車。私ももうお一方も、109系統特急の乗車が目的で、二人ともスカイウォークバス停に向かって歩いていきます。

 スカイウォークバス停は、ベイブリッジのたもとにあり、海の向こうにはみなとみらいのビル群が見えます。少し雲があるのが残念ですが、なかなかいい景色です爆  笑

 

 ちなみに、ベイブリッジの大黒ふ頭側は歩行者専用の通路が整備されていて、歩いて散策できるようになっています。それが「スカイウォーク」と呼ばれています。

 

 

 スカイウォークからはこんな景色を見ることができます☆港の向こうにみなとみらいのビル群を望むことができます爆  笑

 

 なお、スカイウォークは大黒ふ頭側にしか設置されておらず、歩いてベイブリッジを渡ることはできないので注意です。

 

横浜市営バス109系統特急 スカイウォーク前16:20→横浜駅17:04(16:52)

 

 話を戻して、このスカイウォークから「109系統特急」に乗り込みます。109系統は、横浜駅と大黒ふ頭エリアを結ぶバス路線であり、大黒ふ頭へ通勤する方や、スカイウォークを訪れる観光客の移動手段として使われています。

 109系統には従来から各停・急行の2種類がありましたが、令和3年7月1日にこの「特急」が新設されています。この特急ですが、各停や急行と大きな違いが3つあります。

 

違いその1:首都高速道路を経由する

 各停や急行は、全区間で一般道を走行するのに対し、特急便は首都高速道路を経由し、横浜駅と大黒ふ頭を直結しています。そのため座席定員制となっており、立席での乗車はできません。

 

違いその2:使用車両が異なる

 各停や急行に使用されている車両は、他の横浜市営バスと同様、下の写真にあるような車両です。

 

 一方、特急はというと・・・

 なんと、リムジンバスで運転されています!!普通の市営バスより豪華です爆  笑 

 座席も通常のバスよりグレードが高く、リクライニング機能もついています音譜 それでいて運賃は各停や急行と同じ220円なので、非常に乗り得なバスになっています爆  笑爆  笑爆  笑

 

違いその3:現金での乗車は不可

 この特急バスの特徴の一つとして、現金で運賃を支払うことはできないというものがあります。実はこの特急バス、現金取り扱いを行わない「キャッシュレス決済」の実証実験も併せて行っているのです。車内でICカードにチャージすることもできないので、注意が必要です。

 

 

 さて、バスは16:20に定刻通りスカイウォークを出発。109系統特急の通るコースは大きく分けて2つあり、今回乗車した便は大黒ふ頭の北側を一周するタイプのものでした。(写真の「夕の運行ルート」のうち、赤いルート)

 

 スカイウォークを発車した時点では乗客は6人だけ。さすがに16時台では通勤客の帰宅には早すぎて、そこまで乗車はないのではないかと思っていましたが、じわじわと乗客は増えていき、最後の乗車ポイントである大国税関正門前を発車した時点で34人になりました。そのほとんどが大黒ふ頭から帰宅する通勤客でした。

 大国税関正門前を出発すると、首都高速道路に入り、横浜駅まで直行します。料金所を通り、さぁかっ飛ばすぞーといきたいところでしたが…

 

 うーん、渋滞していますね…(^^;;; 普段ここはあまり渋滞しないのですが、この日はベイブリッジ上で事故があり、1番左側の車線が通れなくなってしまっていたため、橋の上で停滞する羽目になりましたあせるでも、ベイブリッジの上から見るみなとみらいエリアは、なかなかよかったです音譜

 ベイブリッジを渡り終えるあたりで車線規制は終了し、ようやく流れ出しました。そのまま狩場線→横羽線と走行し、みなとみらい出口で一般道に流出します。

 このバスは、横浜駅東口バスターミナルまで向かうのですが、横浜駅方面行については東口の改札近くの「横浜駅改札口前」停留所に停車します。ここで乗客34人のほとんどが下車しました。

 さらに別のバスに乗り継ぐのであれば、終点まで乗るほうがよいのですが、JRなど鉄道に乗り継ぐ場合は、この「横浜駅改札口前」で降りるほうが乗換の距離が短くなります。大黒ふ頭への通勤者は、横浜駅で鉄道とバスを乗り継いでいる人が多いことが窺えました。

 

〇まとめ

 いかがでしたでしょうか。この特急バスは運行開始から2年半ほど経過していますが、16時台でも車内は通勤客で賑わい、利用の堅調ぶりが窺えました。市営交通がリムジンバスを保有して、高速道路を経由する路線を運航しているというのはなかなか珍しく、乗ってみて新鮮に感じました。

 大黒ふ頭は鉄道駅から遠く離れているため、これからも大黒ふ頭への通勤客の足として活躍してほしいです。